錯覚の心理を利用したマーケティング、セールスをしていますか?まだの方はぜひシャンパンティエ効果を使いましょう。
シャンパンティエ効果とは
人は見た目のイメージや表記の仕方などで錯覚を起こすことがあります。
平面で描かれているのに立体的に見えたり、角度によって違うものに見えたりする騙し絵も、
人の脳が錯覚を起こしているからに他なりません。
錯覚によって、同じ重さでも印象だけで重さを判断してしまう錯覚現象のことを、
シャルパンティエ効果と呼びます。
実際の重さが全く同じでも、体積の大きいものの方がより重く感じたりする現象を
シャルパンティエ効果という、と辞書にも書かれています。
見た目、書かれ方、名称などによるイメージが、人の脳の中に固定観念として残っていて
錯覚をしてしまうことは日常の中でも起こりえることで、総じてシャルパンティエ効果と考えても良いでしょう。
例えば、1kgの毛布と1kgのダンベルがあるとして、実際の重さは同じですが、
重さを知らせずにどちらが重いかと聞くと、大半の人はダンベルの方を重いと答えます。
軽そうに感じるものと、重そうに感じるものを比較対象にすると、
シャルパンティエ効果がより明確に発生します。
しかし軽そうに思えるもの同士、重そうに見えるもの同士では錯覚が起こりにくくなります。
この印象を逆手にとって、例えば大きさの同じ石とダンベルで重さが異なっていても
同重量に感じてしまうような場合も、この効果が働いていると考えて良いでしょう。
一般的に人間は自分の持つ印象や経験値で物事を判断することが多く、
シャルパンティエ効果のような錯覚を頻繁に起こしていると認識しておく必要があります。
シャルパンティエ効果/コトバンク
シャンパンティエ効果の著者、有名人について
同じ重さでも体積が異なる二つのものがあり、比較する場合に体積の大きいものの方を軽い、
体積の小さいものの方を重いと錯覚することをシャルパンティエ効果と呼びます。
重さと大きさによる人の錯覚について、フランスの医師オーグスチン・シャルパンティエが様々な実験を行い、
「サイズウェイトイリュージョン」という書籍を出版したことから知られるようになり、
その名前を取ってシャルパンティエ効果と呼ばれるようになった、と言われます。
後に、このシャルパンティエが唱えた仮説をドイツ人の精神分析学者のポール・コゼレフが、
さらに多くの検証・実験を行い証明した言ったことから、
「シャルパンティエ・コゼレフの錯覚」という呼ばれ方もしているようです。
シャルパンティエ効果は人が起こす錯覚が原因で発生しますが、
似たような錯覚を様々なシーンで起こす可能性があります。
例えば、材質によるイメージでも錯覚を起こします。
金属と木製の同サイズのものが並んでいたら、多くの人は金属の方が重いと感じるでしょう。
ダークグレーのものとライトピンクのものが同じく並んでいたら、ダークグレーの方を重く感じるでしょう。
色による錯覚については、同サイズで同じ重さの箱が並んでいた場合、
白と黒では1:87という大きな比率で黒の方が重く感じるというデータがあり、
如何に人が色によって錯覚するのかが分かります。
このデータに基づき、多くのダンボール箱を取り扱う引っ越し業者では、
黒色のダンボールは使用せず、白または明るいカラーの箱を使用するようにしているそうです。
シャルパンティエ効果〜思いのままにイメージを操る心理学とは/マケフリ
有名な事例
人は時に見た目や印象で錯覚を起こしますが、
その錯覚による人の行動パターンを検証した法則や効果は、心理学・行動経済学で検証されています。
シャルパンティエ効果は、大きさや重さを見た目やイメージで錯覚する効果の総称ですが、
マーケティングの分野では、シャルパンティエ効果を活用した事例が多く見られています。
一般的に買い物を行うスーパーやショッピングセンターでは、
シャルパンティエ効果を活用したサービスやプランが実施されています。
売り場に行くと目玉商品や棚替えなどで割引をしている商品が、ポイント毎に置かれています。
そんな割引商品の中に、「20%オフ」という札が付いた商品で、
「3点まとめ買いするとさらに10%割引」などと書かれている商品を見かけることもあるでしょう。
単純に考えると30%引きになっているように見えますが、
実際には20%割引した後の10%引きなので27%ほどの割引にしかなっていません。
つまりシャルパンティエ効果による錯覚が働き、「30%割引」しているように見えていることになります。
ドリンク剤や医薬品、化粧品などの成分量の表示にも、シャルパンティエ効果を活用したものが多く見られます。
例えば健康食品や飲料でビタミンCの配合量を表示するのに、
「レモン100個分のビタミンC配合」という文章を見たことがあるでしょう。
通常は「ビタミンC1000mg配合」と書かれているものを、レモン100個分のビタミンCと表示されると、
同じ配合量であってもレモン100個分の方が配合量が多く感じる人が多いのではないでしょうか。
これもレモンのビタミンCが多く含まれている、というイメージが
心理的に働いている分かりやすい例となっています。
商品がリニューアルされたときに、「従来の商品の1.5倍の効果」や
「30%増量」などと書かれた紹介文をよく見かけます。
この場合、元の量は表記されていませんが、変化量が大きいと勝手にイメージして、
「すごく効果が上がっている」、「量がすごく増えている」と錯覚を起こしています。
表現の仕方次第でシャルパンティエ効果は起こるので、マーケティングにも広く活用されているのです。
シャルパンティエ効果とは?錯覚の心理を利用した文章表現アップ法/ビジネスのためのWeb活用術。