お酒は関係ないけれど、お酒の席でもビジネスでも使える!カクテルパーティー効果。
カクテルパーティー効果とは
その昔、経済学者の間では、人は基本的に合理的な考えのもとに行動すると考えられていました。
しかし、近年は心理学の考えを取り入れた行動経済学が主流になり、
人が状況や一定の条件により不合理な行動をすることが検証されてきています。
カクテルパーティー効果も、行動経済学で様々な実験や検証がされている法則の一つです。
カクテルパーティー効果とは、周辺がものすごく騒がしい状況の中にあっても、
自分や仲間の会話はきちんと聞こえていたり、自分を呼ぶ声だけははっきり聞こえたりすることを言います。
パーティーの喧騒の中でも、自分に必要な情報をしっかりと聞き取ることができるということから、
カクテルパーティー効果と呼ばれるようになりました。
人の耳は、聴ける範囲内の様々な音や情報をたくさん取り入れることができますが、
そのすべてを情報として取り入れてしまうと、脳で一度に大量の情報を処理することはできなくなります。
そこで人間の脳は、耳から取り入れた情報の中で自分にとって
必要と思われる情報だけを選んで取り入れることができるのです。
この能力があることで、パーティーのような騒がしい状況においても
必要な声や情報を判断することができる、ということです。
カクテルパーティー効果で情報を得るのは聴覚からですが、
実際には視覚や心理的な面にも影響が及んでいることが、多くの実験で分かっています。
精神的にネガティブな感情を抱いているときは、
音量の低い小声の話がすごく気になってしまうこともあるようです。
この必要な情報を聞き分ける、情報を選定する能力がどのような方法で起こっているのかは、
現在のところはっきりとは分かっていませんが、音の位置や周波数の違いなどにより判断しているのでは、
と考えられています。
https://www.huffingtonpost.jp/lealta/post_7893_b_5533026.html
私たちの脳は面白い! 「カクテルパーティー効果」に見る上手な意識の使い方/HUFFPOST
カクテルパーティー効果の著者、有名人について
人が大勢いたり、音楽や車の音などが鳴っているような騒がしい状況でも、
自分が話をしている相手の声はしっかりと聞こえたり、
喧騒の中でも自分を呼ぶ声は聞き取れたりすることを、カクテルパーティ効果と呼んでいます。
カクテルパーティー効果が実際に提唱されたのは、
1953年にイギリスの心理学者エドワード・コリン・チェリーによってです。
エドワード・コリン・チェリーは、1914年にイギリスのセント・オールバンズで生まれました。
1936年にノーザンプトン大学で理学博士の学位を取得し、理学博士として長く教鞭を執っています。
認知心理学者として、本国ではもちろん世界的にも著名で、聴覚に関する研究を数多く行っています。
カクテルパーティ効果を提唱したことで、世界の心理学者から高く評価を受けることになりました。
コリン・チェリー氏は、カクテルパーティー効果の研究を進めるために、
シャドーイングを活用した実験を行っています。
この実験では、左右の耳から全く別の音声メッセージを聞かされた被験者は、
どちらかの耳からの方だけを意識するように指示を受けます。
つまり、この被験者は片方の意識している音声メッセージを、シャドーイングする必要が生じます。
この実験により、意識していない方の耳に流れるメッセージの情報は、
被験者にほとんど認識されていないことが分かりました。
左右の耳に入る音声メッセージの音量はほぼ同じで、物理的には情報として検知しているはずですが、
一方だけに意識するよう指示が出て、
そのように実行すると意識してない方の情報を遮断する動きが発見されています。
パリピじゃないよ!「カクテルパーティー効果」をビジネスで使うには?/マイナビニュース
有名な事例
人の声や音楽、騒音などが入り乱れた騒がしい状況の中でも、
人は自分に必要とされる情報を認識し、取り入れる能力があると言われています。
このような効果をカクテルパーティー効果と呼んでいますが、
日常生活やビジネスシーンにもカクテルパーティー効果は表れています。
どのような状況下でカクテルパーティー効果が起こっているのかを把握しておくと、
日常生活でも効果的に活用することが可能です。
カクテルパーティー効果では、自分の名前を呼ぶ声はしっかりと認識する傾向がありますが、
この傾向を活用することで印象付けが可能です。
例えば仲良くなりたい人がその場にいる場合、その人の名前を積極的に呼ぶと相手の印象もよくなります。
ただし、むやみやたらに名前を呼ぶと、逆に印象が悪くなるかもしれませんので、
不自然に呼び続けることは控えましょう。
カクテルパーティー効果はビジネスに活用することが可能で、様々な企業が取り入れています。
営業で顧客と話をするときや接客をするときに、会話の中に適度に顧客の名前を織り交ぜると、
顧客側の注意を引き付けやすくなります。
名前を呼ぶことで、話す内容が自分に関係のあることだと認識するため、
より情報を取り入れようとしてくれるのです。
そのため販売戦略にも、カクテルパーティー効果を活用することもできます。
一般的なコマーシャルや宣伝は個別にターゲットを絞ったものではなく、
興味を持ってもらうためにはピンポイントで相手に刺さるような条件でアピールする必要があります。
ターゲットの方が興味を持ちそうなコンテンツや広告、単語を会話の中に散りばめると、
カクテルパーティー効果が働いて、強く認識してもらえるようになるでしょう。
【応用法まで徹底解説】カクテルパーティー効果って⁇/FORZA STYLE