派遣業界を震わせた不祥事もあったが、回復し順調に成長しているホールディングス。

テクノプロ・ホールディングスについて

人材派遣業を主事業とする企業は国内に複数存在しますが、テクノプロ・ホールディングスは、技術者派遣を中心に軽作業や訪問介護の派遣等も行っています。
テクノプロ・ホールディングスの前身は人材派遣業のグッドウィル、介護ビジネスのコムスン、テレビコマーシャルを盛大に打っていた当時業界最大手であったクリスタルの3社を中心として誕生しました。

グッドウィルは1995年に設立、1997年に株式会社コムスンに資本参加し関連子会社化にします。
1999年にグッドウィル・グループ株式会社に商号を変更、2004年には東証一部に上場を果たすなど事業は好調でした。

その後もグッドウィルグループは会社分割、合併、子会社化を繰り返しながら株式会社クリスタルを2006年に子会社化します。
一時西武ドームのネーミングライツを取得するなど、収益を向上させていきます。

好調に見えていたが、違法の問題が明るみに出ていった。


しかし、2007年頃からグッドウィルの違法派遣やコンプライアンス違反の問題が次々と発覚、当時の社長・会長が退任します。
違法派遣の行政処分で収益を悪化させた結果、グッドウィルは事業廃止を余儀なくされます。
2008年に商号をラディアホールディングス株式会社に変更し事業再生を図りますが、2009年に事業再生ADRを申請、同年中に上場も廃止します。

現在のテクノプロ・ホールディングスに商号が変更されたのが2012年で、プロンプトホールディングスから参加企業の譲渡等を受けて再生の道を歩み始めます。
2014年技術系人材サービス事業4社を経営統合し、テクノプロを新たに設立します。
電気・電子、機械から情報システム、情報インフラ、化学、バイオ、医薬など幅広い分野の研究開発、商品開発の技術サービスの提供により業績を向上させていきます。
同年にテクノプロ・ホールディングスとして、待望の東証一部上場を果たすことになるのです。
その後は多くの会社と資本提携してグループ企業を増やしていき、年間売上高1000億円を超える企業へと成長しています。

 

 

https://www.technoproholdings.com/

TOP/テクノプロ・ホールディングス株式会社

 

 

テクノプロ・ホールディングスの事業内容

紆余曲折を経て、国内有数の技術サービスを提供するグループ企業となったテクノプロ・ホールディングスは、多彩な業種に人材・技術を提供しています。
事業は多岐に渡り、グループ内の企業が各種業界で活躍しています。
設計開発・研究開発は株式会社テクノプロのテクノプロデザイン社・テクノプロエンジニアリング社・IT社・R&D社等が担っています。
建設設計・施工管理はテクノコンストラクション、株式会社トクオが手掛けています。

 

 

問題もあったが優秀な技術者も多く在籍している。

 

 

教育研修事業はビーシーアシスト株式会社が、その他事業は株式会社テクノプロスマイル、テクノプレーン株式会社等が手掛けています。
海外にもグループ企業が多数存在し、業績の向上に繋がっています。
ホールディングスとしてステークホルダーの利益に配慮し、公正な判断で運営を行っています。
また会社全体の戦略の立案・風土醸成、理念の浸透を推進し、グループ全体の情報・資産・人材の有効活用に努めています。

 

 

https://www.technoproholdings.com/group/business/index.html

ビジネスモデル・市場環境/テクノプロ・ホールディングス株式会社

 

 

テクノプロ・ホールディングスの初値と評価

テクノプロ・ホールディングスは全身企業の数々の不祥事を乗り越え、再生を図り2014年11月に東証一部に上場を果たしています。
上場時の公開価格は1950円で公開株数は約272万株で売買単位は100株となっていました。

 

 

多くの問題を乗り越えようとしている。

 

 
初値はアップが期待されたものの、公開価格を約5%下回る1852円となる、やや残念なスタートとなっています。
上場により調達した資金は、事業の拡大のための新規採用の人件費、戦略・立案の研究費用などに充てられる予定です。

 

 

https://minkabu.jp/stock/6028

テクノプロ・ホールディングス/MINKABU

 

 

テクノプロ・ホールディングスの事件

多種多彩な業種・業界に技術サービス・人材サービスを提供しているテクノプロ・ホールディングス株式会社は、2012年にジャパンユニバーサルホールディングスアルファ株式会社から商号変更して誕生しました。
商号を変更して以降は大きな不祥事は起きていませんが、一部上場時に初値で公開価格を下回ったことは一時話題になりました。
前身のグッドウィル・グループ、ラディアホールディングスは派遣業界全体を巻き込むような大きな不祥事を起こし、世間を賑わせた過去があります。
グッドウィル・グループは二重派遣などの違法派遣が横行していたことが発覚し、業務停止などの重い行政処分を受けました。

 

 

多くの人を失望させた。

 

 

またクリスタルグループの買収で当時の会長の折口氏が、自身が保有する自社株を担保にして900億円にも上る借金を抱えたことで債務が膨らみ、経営破綻寸前にまで陥ります。
その後も従業員による二重派遣ほう助などもあり、法人グッドウィルが書類送検され、グループ本体の経営も不透明な状況となります。
2008年にラディアホールディングスに商号変更されてからもグッドウィルの廃業による巨額損失もあり、上場も廃止されました。
そのような暗黒の時代を経て、商号変更と共に見事に復活を遂げたことは大きな話題になりました。

 

 

会社経営に必要な法律 Vol.24 グッドウィルが書類送検された『二重派遣』とは何か?/ドリームゲート

 

   

テクノプロ・ホールディングスのその後

グッドウィル・グループからラディアホールディングス、ジャパンユニバーサルホールディングスアルファなど何度も商号を変更、解体・再生を繰り返しながら、2012年のテクノプロホールディングスに変更以降は技術系人材サービスで開発能力・技術を高く評価され、業績を回復しました。
機械系、電気・電子系からIT・ソフト関連、化学系、建設施工管理まで技術領域における幅広い技術・ソリューションを提供する企業は日本でも少なく、多くの業種で活躍しています。

 

 

信頼も業績も落としてしまった時代もあったが、回復し好調だ。

 

 
また企業・個人に向けたWEB、デザイン、IT、ビジネスPCなどの教育・研修の事業も新たに展開しています。
売上高は2018年6月期で約116億円、営業利益は約112億円でしたが、2023年6月期には営業利益は約153億円と順調に増収しています。

 

 

https://www.technoproholdings.com/news/detail.php?id=7664

業績予想の修正及び剰余金の配当(中間配当)に関するお知らせ/テクノプロ・ホールディングス株式会社