プレッシャーに勝って結果を残す人の心理状況とは?人から関心や興味を持たれるとパフォーマンス結果が変わってくるって本当?

ホーソン効果とは

プロスポーツのトッププレイヤーは、大事な試合や注目度の高い試合になればなるほど、

実力を発揮する人が多い傾向にあります。
人が大勢いるような場所でもプレッシャーに負けずに力を発揮できる人は

ビジネスの世界でも成功すると言われますが、周囲から注目される状況で

その期待に応えたいという心理的な状況・行動を表す言葉として、

ホーソン効果というものがあります。

人から見られているとわかると必要以上に頑張ったり、

張り切ったりする人の心理現象がホーソン効果です。

大勢に見られていると少し格好つけてみたり、言葉遣いが急に変わってしまったりするのも、

ホーソン効果が影響しています。
ホーソン効果と呼ばれるようになったのは、約100年前に

アメリカのウェスタン・エレクトリック社という会社のホーソン工場で行われた実験が由来です。
ここで労働者の作業効率向上を目的として、実験・調査が行われました。

 

 

実験結果は興味深いものとなった。

 

 
作業効率を上げるために手元を明るくする、休憩時間の変動させるなど、

条件をいくつも変えた作業効率にどのように影響するのかを調査していきました。
理論通りの結果が出る内容もありましたが、作業する手元が暗い、休憩時間が短いなど

作業効率アップというより、マイナスになりそうな条件下でも作業効率が上がる結果が

出てしまいました。

何故このような結果になったかというと、この実験を行った作業者たちには、

事前にハーバード大学の研究者によって検証されることを聞いていました。
そのため現場管理者から研究者が作業者の行動に強い関心を示していることを伝えられ、

必要以上に意識した状況で作業を行ったため、予測される作業効率のアップ・ダウンとは

全く異なる結果を導き出すことになりました。
この実験結果から、物理的な条件以上に人からの関心の高さや注目度の方が作業効率に

影響することがわかり、この実験を行った工場の名前からホーソン効果と呼ばれるようになりました。
ホーソン効果の類義語には、ピグマリオン効果、ローゼンタル効果というものもありますが、

基本的な内容は同じです。

 

 

https://www.persol-group.co.jp/service/business/article/327/#:~:text=%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%82%BD%E3%83%B3%E5%8A%B9%E6%9E%9C%E3%81%A8%E3%81%AF%E3%80%8C%E7%9B%B8%E6%89%8B,%E9%99%90%E3%81%A3%E3%81%9F%E8%A9%B1%E3%81%A7%E3%81%AF%E3%81%82%E3%82%8A%E3%81%BE%E3%81%9B%E3%82%93%E3%80%82

ピグマリオン効果とは?効果を最大限引き上げるためのポイント/パーソルホールディングス株式会社

 

 

ホーソン効果の著者、有名人について

多くの人から見られている状況や周辺から大きな関心を寄せられている状況では、悪条件であっても

効率が上がる結果が出やすいことを、ホーソン効果と心理学の世界では呼んでいます。
ホーソン効果は、元々製造工場での作業効率の改善を目的とした実験から

注目度で効率が変わることが分かり、その工場の場所を取って名付けられました。
この実験を主催したのは社会学者のエルトン・メイヨー氏で、この実験を通して

通常作業の効率に関係する物理的な環境の変化以上に「関心を持たれている」、「注目されている」、

「信頼されている」などの心理的な要因、主観的認識が強く影響することが分かりました。

  

  

注目される事で心理に影響を与え、結果が変わってくる。

 

 

ホーソン効果を世界に知らしめたエルトン・メイヨーは、1880年オーストアリア生まれの

社会学者・文明評論家として活躍した人物で、クイーンズランド大学で医学を学んでいましたが、

人の行動や心理に興味を強く持ち、専攻を心理学に転向しました。
同大学で哲学心理学の教授となった後、アメリカに移住しハーバード経営学院に迎えられます。
産業技術の発展が逆に人の労働意欲低下に影響しているのでは、

と考えて技術の進歩と社会的技能の開発、教育の重要性を一貫して唱えました。
ホーソン効果の実験に関しては、実験の途中段階から参画し、

当時作業効率を高める理論として支持されていた科学的管理法に異議を唱え、

物理的な側面よりも人間的な側面を重要視する人間関係論を展開して唱えていきました。

1949年にこの世を去るまで、この理論に関する研究・提唱を行い続けました。
メイヨー氏はホーソン効果に関して詳細な理論を展開していますが、

特定の作業者が自分は特別優遇されている、特別に期待されていると感じたら

モチベーションは高くなり、仕事の効率も大きくアップすることも検証しています。
もちろん昇給・昇進などの具体的な優遇措置は、作業効率・モチベーションの向上に繋がりますが、

具体的な条件的な優遇がなくても「上司から目をかけられている」、「期待されている」と

本人が主観的に意識するだけでもホーソン効果が表れることが分かっています。
ホーソン効果がより分かりやすく活用されるようになったことに、

メイヨー氏は大きく貢献しています。

 

 

 

 

有名な事例

「人から見られている」、「期待を寄せられている」、「関心度が高まっている」ことが

自分にあるとわかるとモチベーションが高くなり、

パフォーマンスが向上することをホーソン効果と言います。
アメリカの製造工場で行われた実験が由来で、ビジネスの中でも数多く活用されています。
ホーソン効果が表れる具田的な例としては、スポーツが実感しやすいとして挙げられます。
オリンピックや世界大会などの大きなイベントで、無名の選手が自己ベストを大幅に更新したり、

金メダリストが記録を更新したりすることが起こるのは、会場での注目度はもちろん世界中から

関心が寄せられていることを自らのモチベーションに変えて実力を発揮しているからに他なりません。

 

 

大きなスポーツ大会で新記録が出る事は多い。

 

 

オリンピックのような大きな大会でなくても、

部活動で大会の時に学校全体から応援されると期待に応えなければ、いう意識が働きます。
運動会で家族から応援された子供が張り切って頑張るのも、ホーソン効果の影響でしょう。
職場でも、ホーソン効果が見られるシーンはいくつも存在します。
上司と部下の関係性には、ホーソン効果が重要です。
上司との関係が悪いとお互いにモチベーションが低くなり、本来のパフォーマンスを発揮できず

評価が悪くなり、さらにモチベーションが下がるといった悪循環を引き起こします。

逆に良好な関係を維持していると部下は期待に応えるために頑張りますし、

上司も部下に格好悪いところを見せられないと思い、頑張ってくれます。
設備や物理的な環境も大事ですが、人間関係は職場において、やはり重要であることが分かります。
学校でも生徒同士や先生と生徒の関係が良好だと、テストの成績や授業態度なども

よくなる傾向があり、ここでもホーソン効果の重要性を感じることができます。