いざと言うときの為の相続トラブル実例紹介と遺言書作成のススメ

相続トラブルについて

一般的なトラブルとして最も多いのが、金銭に関わるトラブルでしょう。
刑事事件の多くも、金銭的なトラブルが原因の場合が多い傾向にあります。
友人関係やビジネス関係でも金銭トラブルは多いと考えられますが、親族間での金銭トラブルはニュースなどでも取り上げられることが多いと思います。
特に遺産相続におけるトラブルについては解決が難しく、長い間裁判などで争われるケースも見られます。
遺産相続でトラブルが発生すると考えられるケースはいくつかありますが、事例として紹介されることの多いものとしては、以下のようなものがあります。

「不動産が相続財産に含まれる場合」、「配偶者以外の女性との間に子供がいる場合」、「愛人が相続人に含まれる場合」、「相続される遺産の大半が借金の場合」、「被相続人が要介護状態で介護をしていた親族とそうではない親族がいる場合」、「被相続人が離婚・再婚をして連れ子が存在する場合」、「相続と同時に事業継承を行う場合」、「相続人に養子が含まれる場合」、「相続人の中に音信不通の人が含まれる場合」など多数のケースが考えられます。
不動産が含まれるケースでは、遺産分割の協議の際に預貯金や証券などと違って、不動産を半分に割って渡すということもできないことから、相続の手続きが進まなくなるケースが増えるのだと推察されます。
テレビドラマや映画などでよく描かれることがある、愛人が相続人に含まれるケースについては、本来は親族ではない愛人に遺言書によって遺産を相続するよう書かれていると、配偶者は当然納得できるはずもなく、大きなトラブルになる恐れが考えられるでしょう。

同じく愛人に子供がいる場合には、さらに複雑になります。
愛人の子供には遺産を相続する権利があることから遺言がなくても受け取れるようになり、親族との間で争いが起きる可能性が高いと考えられます。
被相続人を介護していた場合も、遺産分割の際にトラブルになる可能性は十分高いと言われています。
介護を行っていた親族にしてみれば、同居もせず介護を手伝わなかった親族と、自らの遺産相続の権利が一緒であれば、当然ですが納得はいかないでしょう。
遺産相続する親族の妻が介護をしていた場合などは、相続する親族に対して遺産金額請求をその妻が行うことができるように法律が改正されたため、今後はそれについてのトラブルが増えてくるものと考えられます。

突然死の可能性も考え、早めに遺言書は準備しておきましょう。

事例1

遺産相続においては昔からトラブルが絶えず、仲の良かった家族が遺産相続で起きたトラブルによってバラバラになった、というケースも数多く発生しているものと言われています。
実際に起きた遺産相続のトラブル事例を見て、相続の際のトラブル対策の参考にすることは重要です。
不動産が関係するトラブルの事例は、やはり遺産相続で多くみられるケースになりますが、相続される不動産が自宅のみの場合の事例を紹介します。

父親と長男、長女の家族で、母親は数年前に他界し、長女は家を出て別のところで暮らしており、長男のみが父親と同居している状況です。
資産は時価で約3000万円相当の自宅と、預貯金・有価証券で約1000万円となっています。
このケースでは、家を出ている長女が法定相続分の財産分与を主張しましたが、自宅にそのまま住み続けることを希望する長男との間でトラブルになりました。
父親は遺言を残しておらず、遺言に「預貯金・有価証券を長女に、自宅の不動産を長男に」と書いておけば防ぐことができたでしょう。

次に同居していた相続人と、同居していない相続人がいる場合に見られたトラブル事例を紹介します。
例として挙げるケースは、父親はすでに他界して長男と母親が同居、次男はほとんど自宅には顔を見せず、疎遠な状況となっていました。
この状況において、母親は要介護の状態で長男が介護をしながら生活を続けていましたが、病気により他界しました。
この時の資産が預貯金等の現金で2000万円ほどあり、葬儀の際に次男が法廷で定められた50%の相続を主張しましたが、長年親の面倒を見ていた長男がその要求に納得いかず、裁判にまで発展するトラブルとなりました。
このケースでも遺言が残っておらず、血を分けた兄弟が遺産相続により絶縁状態になる残念な結果となりました。

上記は兄弟姉妹間での遺産相続によるトラブル事例になりますが、どちらのケースも遺言が残されていれば、大きなトラブルにならなかった可能性が高いと考えられます。

事例2

離婚経験があり、再婚をしている人の相続に関するトラブルについて紹介します。
離婚歴が一度あり、前妻との間に女の子が一人、再婚後に後妻との間に男の子が一人いる男性が、病気によって亡くなったケースです。
資産は自宅の不動産、有価証券、預貯金で、前妻はすでに他界されていました。
自宅の不動産に関しては後妻が相続することで解決しましたが、前妻の子と後妻の子との間で相続される資産についてトラブルとなりました。
このケースで最もトラブルとなったのは、後妻の子が前妻との間に子供がいたことを知らされておらず、亡くなった瞬間に法定相続人として子供がいたことが発覚したためでした。
これにも遺言書が作成されておらず、遺言書がなかったことや前妻との間に子供がいたことが伝わっていなかったことから、大きなトラブルとなりました。

続いて、実子がいない家族における相続トラブルについてです。
夫と妻の二人だけの家族で子供はおらず二人で暮らしていましたが、夫が急病により他界しました。
自宅の不動産と預貯金が資産として、合わせて約6000万円の遺産がありました。
相続人としては妻と夫の兄弟の二人でしたが、妻としては老後の生活のために夫婦で蓄えた貯金で自宅に住みながら暮らしていくことを考えていました。
しかし相続の権利を持つ夫の兄弟が権利を主張し、預貯金のすべてを相続しようとして大きなトラブルとなりました。
この場合に夫は自分が先に亡くなった場合は妻に全財産を相続するように遺言書を作成するつもりでしたが、急病で作成する前に亡くなってしまい、トラブルを回避することができませんでした。