名前は’ダーク’だけども、以外に影響が大きい「ダークプール」とは
名前は’ダーク’だけども、以外に影響が大きい「ダークプール」とは
ダークプールとは、取引所外取引の一種で、証券会社が提供するサービスとなります。
機関投資家やヘッジファンドが、東京証券所を通さずに注文を受付、これを証券会社内のシステムで投資家の売買注文を付け合わせて取引を成立させる取引の事です。
参加者の匿名性、価格、注文量など取引内容を外部から見えにくくしているため、ダークプールと言われています。
このダークプールは、取引所では呼び値が1円単位の株に対して、ダークプールでは0.1円単位で注文が出せるため現在、機関投資家の間で広く利用されています。
証券等取引における役割
証券等取引所は、取引時間、値段の指定方法、取引単位、決算方法についての設定が細かく設けられ、売買は基本的に競走売買によって行います。
そして投資家や証券会社の株式等の売買注文は公正、円滑に執行し、株式等の市場流通性を高めると共に公正な価格形成を図る役割を担います。
ダークプールのメリット
ダークプールを行うメリットとして、証券取引所に支払う手数料を省く事が出来る事、匿名性、注文情報の高い取引が可能となる事、
大口注文を市場を通さずに処理できる事、約定率や約定単価の改善が期待できる事が挙げられます。
因みに機関投資家の注文には大口にも及ぶものが多数あり、市場出来高に影響を与えてしまう場合があります。
そうすると他の取引参加者の行動に影響を与えてしまう事になりますので、より良い価格での取引が出来るように開示していない取引なのです。
そのため、想定外の価格変動のない取引が出来る事から、機関投資家の間で広く利用されているのです。
ダークプールの歴史
日本では1998年の証券取引法改正まで、ダークプールのような証券取引所以外の取引市場を開設する事が禁止されていました。
しかし裏では気配値を公表せずに取引したいという需要は必ず存在するため、証券会社が顧客と相対で取引するという形で需要を満たしていたと考えられます。
これを裏付けるかのように、2010年には東証一部銘柄を対象とした売買代金比率が上回っていた事から、ダークプールによる取引が行われていたと考えられました。
そして2010年に金融庁が取引所の立会外取引に持ち込み、その上で約定させるように義務付けたことで、取引内容が事後的に開示される事になりました。
現在、ダークプールを利用できる投資家は一般的に、外資系証券会社が中心となって機関投資家やヘッジファンドが参加者となるため、個人投資家の参加は殆どありません。
しかしこれは証券会社内の投資家同士の注文を取引所を通さずにマッチングをさせるサービスなので、市場の透明性を阻害していると言われています。