企業M&Aに興味がある人がまず覚えておく必要のあるコストに関する専門用語

WACC(WeightedAveragecostofCpital)

現代の日本の経済の状況は、政府が言うほど好景気とは呼べない状況が続いています。
銀行の金利は最低ラインを維持し続け、サラリーマンの年収も頭打ちの状態にあり、貯蓄を増やすために投資を考えている方も多いのが現状です。
一般の投資家の方はもちろんですが、企業のM&Aを行うような方々にとっては、経済に関する情報や投資の用語について、詳しく知っておく必要があります。
専門用語が多く存在する経済の業界において、コストに関する用語や情報は欠かせません。

WACC(WeightedAveragecostofCpital)という用語は、企業の配当金に関する用語として使用されていますが、解からないという人のために簡単に紹介をします。
WACCとは、資本を調達する際に発生するコストに関する割合を数値として表したものになり、「ワック」という呼び方をしています。
資金を調達する場合には、借入金や株式を調達することが一般的ですが、このコストを加重平均によって示した数値がWACCです。
通常行われる平均計算とは、データの数値に重みを加えた少し異なる平均値が加重平均となります。
企業が資金を調達する方法としては、基本的に借入金と株式(株主による出資)の二つが必要だと言われています。

この二つはどちらで調達をしても、コストは一定のレベルで発生することになります。
借り入れをして負債を抱えれば、債権者に対して利息を払うコストがありますし、株式であれば株主に対して配当金を支払うコストが発生することになるでしょう。
この二つのWACCの算出方法は、以下のようになります。
「有利子負債×負債コスト/有利子負債+株主出資」これに実効税率をかけたもの、「株主出資×株主出資コスト/株主出資+有利子負債」この二つを足したものがWACCになります。
この計算の詳しい内容については、専門書に詳しく解説が掲載されています。

企業間で多くの専門用語が飛び交う

借入金とエクイティコストのちがい

資金調達には、借入金または株式による方法の二つがありますが、この違いについては借入金とエクイティコストの違いについて知ることで、より理解することが可能だと考えられます。
借入金のことを、ビジネスの世界ではデットファイナンスと呼んでいます。
社債を発行したり、金融関係から融資を受けて借入するということは、負債(デット)を増やすことになるため、この呼び方が付けられたと推察されます。
デットファイナンスは、借入によって資金を調達することが目的ですが、借りたお金は必ず返済を行わなければなりません。
当然借り入れには返済期日というものがあり、この期日を守らないと法律に違反することになります。

一方のエクイティコストは株式を新たに発行し、株主を募って資金を調達する方法のことを呼んでいます。
こちらは調達した資金を返済する必要はなく、もちろん期限なども存在しません。
その代わりに、経営に関して株主からの提案や意向なども取り入れていくことが求められることになります。
安定した売り上げが見込める企業や、評価の高い担保をもつ企業であれば、デットファイナンスで資金を調達する方が適正であると考えられます。

ebitDA

投資する側として必要な指標は、現在様々なものが存在しています。
株式投資・M&Aにおいては、投資をするか否かを判断するために、色々なデータを参考にしていることでしょう。
投資判断に使用される指標の中でebitDAは、近年活用されることが多くなっています。
これまでに一般的に使用される指標としてはPER・ROEなどが主流でしたが、グローバルな企業の収益を判断しやすいことから注目されています。

ebitDAは、イービットディーエー(イービットダー)と読みますが、日本語に訳すと「金利支払い前、税金支払い前、固定資産の償却費控除前の利益」という内容になり、かなり長いことから略した言葉で呼ばれていると考えられます。
「支払利息+減価償却費+特別損益+税引き前当期純利益」が、ebitDAを算出する計算式となります。
ebitDAを指標として使用する大きなメリットは、世界の国ごとにある金利水準や税率の違いによる判断のズレが回避できる点にあります。
ebitDAは、金利・税金が引かれる前の利益を表すものでもあるため、国ごとの税制・金利の違いを考えずに比較することが可能です。

国内に限定した投資・M&Aでは、これまでのPER・ROEでも適正に比較することができますが、グローバルな企業や海外資本においては、ebitDAが最も適していると考えられます。
しかしebitDAにも、デメリットが存在しています。
データとして用いられる数値の中に、企業内の設備投資・運転資金が含まれておらず、本来の意味の収益の結果になっていない点は、マイナス要素と考えられます。
実際にebitDAを活用する際には、デメリットになる要素を念頭に入れて比較することが、正しい判断に繋がるでしょう。