ノーベル賞受賞者の多い行動経済学について学んで、集客力を高めよう

リチャード・セイラーとはどんな人か

小売店・販売店では、顧客を如何に自らの店舗へと訪れさせるかという集客力を高めることがとても重要です。
集客力アップのために様々な取り組みを行っていると思いますが、マーケティングを活用する機会は多いでしょう。
マーケティングのためには経済学を知ることが重要ですが、より実践的な行動経済学を活用する傾向が近年は高いと考えられます。
行動経済学の権威と言えばダニエルカーネマンがよく知られていますが、そのカーネマンと共に行動経済学の研究に尽力し、ノーベル経済学賞を受賞した経済学者がリチャード・セイラーです。

リチャード・セイラーは1945年にアメリカで生まれた経済学者で、シカゴ大学の教授として現在も活動中です。
行動経済学の権威と呼ばれる人はダニエルカーネマン以外にロバートシラーがノーベル経済学賞を受賞し、1996年に死去したカーネマンと共に行動経済学を発案したトベルスキーを除き、行動経済学の権威と呼ばれる3人はすべてノーベル経済学賞を受賞したことになり、行動経済学の重要性がこのことからも伺い知れます。

リチャードセイラーは行動経済学を一般に広めるための啓蒙活動を行っており、多数の著書を執筆・発刊しています。
淳合理的経済学・セイラー教授の行動経済学入門などが代表的な著書で、日本でもその著書に影響を受けた経営者の方は多いと推察されます。
ノーベル経済学賞を受賞した2017年の前年に執筆した行動経済学の逆襲が最も最新の著作になり、経済学者のキャス・サンスティーンとの共著となっています。
この最新著書においても行動経済学の重要性を説いており、日本でも注目されています。

みんなで同じ行動をしようとしても、人は自分の常識や考え方によってその行動を変える。

行動経済学の逆襲とは、どれくらい有名なのか

行動経済学は現代の社会では基本となる経済学の考えとなっていますが、行動経済学が研究として発表された際は、学界からはその理論に対して厳しく否定をされていました。
何故なら、行動経済学の理論はそれまでの経済学の理論を覆すものであったため、経済学会から否定されました。
その後、世界の多くの著名な大学で研究が進み、行動経済学が欠かせない理論であることが証明されたと言われています。
行動経済学の逆襲は、行動経済学が現在のように経済の基本理論となるまでの軌跡を綴ったものとして、国内外を問わず多くの注目を集めました。

この著書の中では、過去の伝統的な経済学と行動経済学の違いについての解説や、現代社会における行動経済学の重要性についての解説などが記載されており、行動経済学の入門書としても勧められる内容となっています。
過去の経済学の理論では、物事を合理的に論理的に考えて組み立てられています。
つまり人は合理性を常に考えて行動する、と言われています。
しかし実際には、人は決して合理的ではない行動をしばしば行うことを論理的に証明したものが、行動経済学です。
同じものを夫婦が購入しようと考えたときに、一方は躊躇い一方は積極的に購入しようとする人間の心理は一つではなく、それぞれの人にかかっているバイアスなどに影響を受けると考えられます。
このような人間心理も重視し、より現実的な経済学の理論として研究されたのが、行動経済学であると推察されます。
心理学と経済学の知識とデータを駆使し様々な法則を見出し、現在の社会にマッチしていたと考えられます。

有名な理論、日常で使われている場面

行動経済学をよく理解するためにはその理論を探求することも重要ですが、初心者にとってはなかなか難しいものです。
身近な日常で起こることを例として考えると、理解度が深まると考えられます。
行動経済学を分かりやすく考えるには、普段から多くの人が行う買い物(ショッピング)を例にして挙げると、ほぼ毎日のように日常生活で必要なものの買い物が行われますが、物を購入する行為は経済学となり、その買い物をするまでの行動・決断は心理学に分類されます。

今日は牛肉が食べたいから高級な肉を買ってすき焼きにしよう、近々結婚式に参列するからオシャレなドレスを購入しよう、最近熟睡できないからマットレスを変えてみようという行動は、ごく一般的なことでしょう。
例に挙げた買い物行動を実際に行うために、人はどこのお店で買うか、どれくらいの金額のものを買うか、現金で買うかキャッシュレスで買うか、最終的にどの商品を選ぶかなど様々な選択を行います。
これらすべての心理的な行動が、行動経済学における人間の行動の原理となっています。

限定20食のランチがあるお店を雑誌などで見て食べに行こう、と思うことがあると思います。
この限定という言葉に魅力を感じて行動を起こすことも、行動経済学で表せるものと考えられます。
行動経済学の例としてまとめられた効果については、簡単に紹介をしておきたいと思います。
フレーミング効果・おとり効果・アンカリング効果・ハーティング効果・損失回避・確実性効果・プロスペクト理論・現状維持バイアス・現在志向バイアス・メンタルアカウンティング・ギャンブラーの誤謬が挙げられています。
これらの例の詳細は多くの行動経済学の入門書に記されており、興味を持つ方は実際に読んでみると、その意味が理解できると考えられます。