考えがコロコロ変わる人はビジネスでもプライベートでも信頼を失いやすいので、一貫性を持とう

一貫性の法則とは

ビジネス書やリーダー研修などで、一貫性が重要だと言われたことのある企業の管理者もいるでしょう。
一貫性を持つことが人として大事だという心理が人間にはあり、以前に決めたことを思い切って変えることに抵抗を感じる傾向にあります。
心理学では、このような人の心理を一貫性の法則と呼んでいます。
一貫性の法則とは、一度自分がしたことを変えずに一貫した考え方をしていると他人から思われたいという、心理的な行動を指しています。

 

 

一貫した考えが大切だと多くのビジネス書で語られている

 

 

一度決定したこと、決まった立場、位置関係になると一貫した行動を取るように自ら圧力をかけ、決定事項に疑問を抱いたとしても以前に決めたことを正当化するような動きを示します。
人は何故、一貫性を重視するのでしょうか。
一度決めるとそこに一貫性を求めるため、明らかに利益に反する行動をすることがあります。
一貫性を保つためには、自分自身を騙すようなことをしてしまうこともあるのです。
しかも、一貫性のある人の方が世間では評価を高く見られます。
一貫性がなく、人の意見に惑わされて考えをすぐに変える人は意志が弱く、決断力がないという固定観念もあり、一貫性に無意識にこだわってしまうところがあります。

 

 

考えをコロコロ変えるリーダーは嫌われる傾向にある

 

 

一貫性にこだわる理由は他にもあります。
選択肢がいくつもあってどのように行動をするか迷っているとき、頭の中はフル回転で迷う時間が長くなると、精神的な疲れも蓄積します。
このような状態になると、悩んで結論を出すよりも一度決めた一貫性に頼った方が悩み続けることからも解放されるので、楽な一貫性の方を選ぶ確率が高くなります。
一貫性を保とうとするのは、このような心理が人に働くからで、この原理はマーケティングに幅広く活用されています。

 

 

 

 

一貫性の法則の著者、有名人について

一貫性の法則は、アメリカの心理学者ロバート・チャルディーニの著書「影響力の武器」のチャルディーニの法則として紹介された法則の一つです。
この影響力の武器の中で一貫性の法則について紹介されていますが、コミットメントと一貫性に大きな関係があると考えられています。
コミットメントとは委託・委任をするという意味があり、責任をもって引き受けるという意味で使われています。
経済学では実効性があり、その行動しか取れないような仕組みを作ることを意味します。

コミットメントと一貫性の法則を分かりやすく言えば、「言ってることとやっていることを同じにする」ということや「発言と行動に差が出ないようにする」と考える心理状態とも言えるでしょう。
人は、「自分が決めて実行したことに間違いはない」と思うのです。
人心を操ろうとする人は、「実行したことに何らかの問題があっても、その問題以上の有効性がある」と無意識に考えてしまう深層心理を巧みに利用しています。
チャルディーニが書いた影響力の武器には、返報性・社会的証明・好意・権威・希少性が起こる心理について解説されています。
人間心理について考察したり、マーケティングの研究をしているという人には大変参考になる著書です。

 

 

 

 

有名な事例

一貫性の法則が人に起こる大きな要因は、一貫性がある方が社会生活で評価されたり、得することが多いからと考えることにあります。
「一貫性のある人=信念があり常に考え方がぶれない人」、「一貫性のない人=行動も言うこともコロコロ変わる人」という固定観念があり、一貫性がある人の方が信用できると一般的には感じられます。
このような心理が起こる具体的な事例として、一つのテーマで毎月定期的に発行される〇〇シリーズの第1巻を購入して面白いと思うと、そのまま続けて購入する傾向が挙げられます。
途中であまり面白くないと思っても、最初に面白いと思ったことを否定するのが嫌で買い続ける、などです。
付録付き書籍の1巻が特別価格で安く感じて購入したとして、その後に高くなったとしても辞めるに辞められず、購入し続けるということも同じ心理になります。

 

 

ビジネスでもプライベートでも一貫性は大切だ

 

 

恋愛の場においても、一貫性の法則が働くことは少なくありません。
例えば、付き合い始めた時に優しくて好きになった人が、しばらくして自分勝手でわがままな面が見えてきた時に、優しいところがあるからと思い直し別れることができず、そのまま惰性で付き合い続けるということも同じ現象です。
この一貫性の法則のビジネス活用事例としては、アップセルとクロスセルという販売手法が挙げられます。
アップセルは商品購入を検討している顧客に優れた高い商品を勧める販売方法であり、クロスセルは商品購入を決めた顧客に対して、さらに便利になるようなオプションを追加で勧める販売方法です。

どちらも、より商品としての魅力を高く感じさせ、売上のアップに繋がる手法です。
フット・イン・ザ・ドア・テクニックは、一貫性の法則を活用した手法です。
最終的に求めるものから勧誘するのではなく、最初は小さいものから相手に承諾をさせ、徐々に最終的に求めるものに近づけていくことで目的を達成する、という心理的なテクニックです。
キャッシングなどで、少額から少しずつ上限額が上がっていく方式は、このテクニックの代表的な事例になります。

 

 

https://lab.kutikomi.com/news/2020/12/17/ikkannsei/

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