日本でビジネス・マーケティングをするなら、日本人に多い行動心理学を知っておこう

損失回避の法則

人の心理としてポジティブ・ネガティブという言葉がよく使われ、ポジティブの方が色々な意味で良いように思われがちです。
しかし人間は基本的にはネガティブな生き物ですので、ポジティブが決して正しいとは限りません。


行動心理学の理論の多くは、人が持つネガティブな考え方を基に考えられています。
損失回避の法則も、その代表的な考え方として知られています。
損失回避の法則とは、人が利益が得られることと損失を回避することを選択するときに、損失回避の方を選ぶ可能性が高いという心理のことを呼んでいます。

例えばお金がもらえるかどうかという質問で、無条件で50万円もらえるのと1/2の確立で100万円もらえるときにどちらを選ぶのかと言われると、大半の人は無条件で50万円もらえる方を選ぶ傾向があります。
逆に借金がある人に借金50万円を半分にしてくれるという提案と、1/2で借金を帳消しにすると提案をするときは、借金帳消しの方を選ぶ人が大半という傾向にあります。
このことから、人間は損失を回避することの方を重視することがよく解かると思います。
マーケティングにおいて限定性を持たせることは、この損失回避の法則と関係があります。
期間や数が限定されたものを逃すことが損失を生むように感じ、売り上げが向上する傾向はよく見られ、多くの企業で活用されていると推察されます。

バーナム効果

マーケティングで活用される行動心理学の考え方は、バーナム効果と呼ばれています。
バーナム効果とは、心理学の世界で多く使われる用語の一つと言われています。
どんな人にでも当てはまるようなことにも関わらず、自分にだけ当てはまると勘違いして、その気になってしまう行動心理を表しています。
この効果を上手に活用すると相手からは信用されやすくなり、ビジネスにおいて営業マンがよく使う戦略の一つとも考えられます。

つまり相手は自分のことをよく解かってくれていると勘違いしていると、提案したことをなんでも信用してくれることになり、新しい提案なども受け入れてくれる可能性が高いとなります。
よく当たると言われる占い師も、実はこのバーナム効果を使っていることが多いと推察されます。
よく当たると言われている時点でバイアスもかかっているので、占い師が「あなたの性格はこんな風に周りから思われているけど、こういう一面もある」といった言い方を占い師の方はします。
よく聞いてみると、この言い方は誰にでも当てはまるので、その人だけに当てはまるわけではありません。
バーナム効果は、人間心理を上手く利用する手法として、マーケティングに活かすことも可能と考えられます。

人の損を痛くないという根底の思いを、上手に活用しよう。

同調現象

日本人に多く見受けられるのが、同調現象です。
同調現象とは、人間が周囲の人の意見や考え方に同調する心理的な行動で、集団心理という考え方と基本的には同じと言われています。
日本人は集団で同じこと・同じものに惹かれる傾向があり、マーケティングにも多く活用されています。
同調現象の代表的な行動に、バンドワゴン効果というものが存在します。

周囲の人が流行に乗って盛り上がりを見せていると、興味がなかったはずなのに自分自身もその輪の中に入りたくなる現象を、バンドワゴン効果と呼んでいます。
行列のできる店に実際に行った人が増えると、口コミやその風景などを見て、さらに人気が爆発するなどはこの代表的な例だと言われています。
本屋さんなどで専用のコーナーを作るだけで売り上げがアップするのも、バンドワゴン効果の一つと考えられます。
マーケティングで活用する場合はより分かりやすいキャッチコピーを付けることが、成功のポイントとなります。
利用者の99%がその効果を実感し、リピーター続出などのような表現が同調現象として効果的と推察されます。

ハロー効果

購入行動に最も大きな影響を与えると言われているのが、ハロー効果です。
ハロー効果とは、行動心理学でよく言われるもののひとつになり、対象とされるものに対して光の輪のようなものや後光を感じると、その対象を特別なものとして見てしまうことを表しています。
ハロー効果という呼び方は、心理学者のソーンダイクによって付けられましたが、ハローというのは「こんにちは」の方のハローではなく、後光・光輪です。
一つの大きな特徴によって対象を正しい見方ではなく、歪んだ形で見てしまう心理のことを指しています。

政治の世界で有名なタレントや経営者が国会議員に立候補すると票が集まりやすいというのも、ハロー効果の代表的な例として考えられます。
マーケティングで考えると、口コミの評価が高いというのも、ハロー効果としての要素の一つと推察されます。
ネットを活用する人が多い現代社会では、口コミでの良し悪しはビジネスの成功に大きく関わってきます。
Webマーケティングでハロー効果をより有効に活用する方法としては、口コミサイトが挙げられます。
そしてSNSへの投稿も、大きな効果があると考えられます。
他には売上高や販売数などの数値を見せたり、専門家からの意見や評価などもハロー効果を高める効果があると推察されます。