良し悪しの判断は無意識のうちにハロー効果に影響されている

ハロー効果とは

心理学で研究・検証された人の行動に関する事柄は、マーケティングに活用されることが基本的に多くなっています。
ハロー効果も心理学的に多くの方が研究されてきた事柄で、様々な企業が活用しています。

ハロー効果とは、対象となる商品やサービスについて、光を感じて必要以上に良い印象を持ってしまうような心理的な行動を指しています。
後光が差す、光輪が見えるなどを意味する言葉がハロー(halo)で、そこからハロー効果という呼び方をされるようになりました。

 

 

気象の世界でもハロという言葉がある

 

 

印象の強い特徴が一つあると問題が他にあっても、その光によってバイアスがかかり、良いように見えてしまうのがハロー効果です。
政治の世界で、有名タレントやスポーツ選手が立候補すると、その人の政治的な能力や知識がまったく分からなくても、「有名な人だから」と有権者が勝手に良いように解釈をして投票するなども、この効果にあたります。
ハロー効果によって大きく得することもありますが、逆効果になってしまうことも実際にはあります。
例えば、スキャンダルが報道されると、それまで人気のあった著名人の良い面は報道されずに、悪い噂や人から聞いた話などが大きく報道され、一瞬でマイナスイメージになるのはハロー効果のネガティブな面です。

心理学・行動学において、認知バイアスという言葉があります。
その後に知った情報の方が正確であっても、最初に知った情報で一度でも判断していると、最初の情報が不正確であっても信じてしまうというのが認知バイアスの一つですが、ハロー効果の代表的な現象とも言えるでしょう。
物事を判断する際には自分自身も含め、人はハロー効果を行う可能性があると認識しておく必要があります。

 

 

世間の声よりも自分の感情と向き合おう

 

 

ハロー効果の著者、有名人について

ある事象を人が評価・判断するときに、大きな特徴による先入観・偏見が評価に大きく影響することをハロー(後光)効果と呼びます。
心理学の世界においてハロー効果が提唱されたのは1920年で、アメリカの心理学者エドワード・ソーンダイクが研究して発表しました。
1874年に生まれ、コロンビア大学の教授として教鞭を取る中、試行錯誤説・結合主義的学習理論など、ハロー効果以外にも心理学的な提唱を数々行っています。

 

 

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ハロー効果とは?意味や例を紹介!心理学をビジネスに活かそう/ferret

「効果の法則」、「練習の法則」、「レディネスの法則」の3つからなる結合主義的学習理論は、教育心理学の分野に大きく貢献し教育測定の父という別名も持っています。
心理学者の立場から教育に関する法則・理論を生涯に渡って研究し、『教育心理学』『精神的社会的測定学序説』『動物知性』『算数の心理学』など、多くの著書を発表しています。
ハロー効果について書かれた著書は、ソーンダイク教授の物以外にもたくさん出版されています。

日本でも心理学者・脳科学者がハロー効果について検証していますが、脳科学者の中野信子氏の『脳はどこまでコントロールできるか』には、ハロー効果についての実例や検証が書かれており、ハロー効果についてよく分からないという方に適しています。
ビジネスにハロー効果を活用したい方は、『トリガー 人を動かす行動経済学 26の切り口』がいいでしょう。
この本には、バンドワゴン効果やザイアンス効果など、ハロー効果以外に起こる行動経済学的な人の行動・現象についても書かれています。
マーケティングにこれらの行動をつなげる入門書として、相応しい内容になっています。

 

 

 

 

有名な事例

最初に見た印象にインパクトがあると、他の部分に関しての印象が薄れ、認知バイアスにより偏った印象を持ってしまうことをハロー効果と呼びます。
ハロー効果は、マーケティング戦略に活用されるケースが多いのが実情です。
テレビや雑誌、ネットの広告やCMには、ハロー効果を活用した事例が最も多いと言われています。
例えば、お酒や缶コーヒーなどの飲料水のコマーシャルに高感度の高いタレントやスポーツ選手を起用することは、珍しい話ではありません。

 

 

商品の良し悪しに関わらず、起用するタレントによって商品の売り上げが大幅に変わる

 

ビールよりも安い発泡酒や第3のビールなどを大物芸能人が愛飲しているか分かりませんが、好感度の高い人が出演しているだけで、「あの人が飲んでいるのだから美味しいに違いない」という印象が強く残り、購買意欲が高くなります。
口コミサイトの評価なども、ハロー効果が活用された事例の一つです。
口コミの多さや、口コミでの高評価が多いと、実際に食べたことがないのに、「美味しいに違いない」というイメージが残ります。

逆に口コミで低評価が多いと、最初に悪いイメージのバイアスがかかっているため、自分では食べていないのに悪い印象を持ってしまいます。
マーケティング戦略として活用する場合は、その商品やサービスの最もアピールしたい点に絞って宣伝・広告を作成することが重要になります。
ターゲットになる購買層に関するリサーチも重要で、どのようなところに魅力を感じるのかをあらかじめリサーチして、アピールポイントをより絞り込むと効果が大きくなるでしょう。

 

 

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ハロー効果とは?Webマーケティングに使える心理学/Fleeksブログ