世間での人気度や希少価値が購入意欲に大きな影響をもたらす、バンドワゴン効果

バンドワゴン効果とは

経済学・マーケティングの分野には、心理学で研究されたものを活用することが多くありますが、バンドワゴン効果もその中のひとつです。
バンドワゴン効果とは、多くの人がある選択肢を選んでいることによって、その選択肢が利用される確率を高めるという心理効果のことです。

バンドワゴン効果は、ビジネスではもちろん、日常生活の中でも活用され、恋愛のシーンでも効果を生み出すことが可能です。
アンケートやデータ報告などで、多くの人が選んでいるものを無意識に自分も選んでしまう、と言うのがバンドワゴン効果になります。

  

 

人気がある方を選びがちな傾向にある

 

 

最近ではSNSで「いいね」が多い店舗の来店数が上がったり、口コミサイトで評価の高いものがヒットするなどが代表的な例になります。
バンドワゴン効果は購買意欲を高めたり、興味を持たせることが期待できます。
この効果が表れることに大きく関係している効果が、いくつかあります。
「社会的証明」、「アンダードッグ効果」、「スノッブ効果」、「ヴェブレン効果」の4つが、バンドワゴン効果に大きく繋がるのです。
「社会的証明」とは、買い物をするときに陳列棚に残っている数が少ないものと、多く残っているものがある場合に、残りが少ないものを選ぶような現象を指します。
多くの人が選んでいると思われることを自分もしたくなるという、ある意味バンドワゴン効果に最も近い現象です。

 

 

SNSのいいね数が売り上げに大きな影響を与える

 

 

「アンダードッグ効果」は、日本人的に言うと判官びいきのことで、絶対的有利なものよりも不利と言われるものが同情によって選ばれるような効果を指しています。
「スノッブ効果」は、バンドワゴン効果とは逆の現象で、大量に市場に溢れているものと、世界に10個しかない限定レア商品があると、あまり欲しくなかったはずの限定レア商品が欲しくなる、という心理的な効果になり、希少性の高さに購買意欲が高まる人の心理が表れています。
「ヴェブレン効果」は、価格の高さが特別なものという意識が働き、購買欲求が高まるということを指しています。
高級ブランドの商品が欲しくなることなどが、ヴェブレン効果になります。
バンドワゴン効果を理解することによって、マーケティング戦略を効率的に進めることも可能です。

 

 

https://news.mynavi.jp/article/20210210-1709950/

不利な方を応援したくなる心理「アンダードッグ効果」って?/マイナビニュース

 

 

バンドワゴン効果の著者、有名人について

マーケティングに活用されることの多いバンドワゴン効果ですが、その名前の通りに由来はバンドワゴンの流行と関係しています。
バンドワゴン効果という名前が使われたのは、19世紀にとある国での大統領選挙においてバンドワゴンが流行ったことが由来とされています。
サーカスやパレードなどで使用される豪華絢爛な四輪車の名称がバンドワゴンで、選挙のキャンペーンにバンドワゴンを使ったことで民衆から注目を集め、成功したことが始まりです。

 

 

https://service.plan-b.co.jp/blog/marketing/11230/

  

  

このバンドワゴン効果を研究して論文として発表したのが、旧ソビエト連邦出身のハーヴェイ・ライベンシュタインです。
ライベンシュタイン氏は、1,922年に現在のウクライナで生まれました。
幼少の頃にカナダに家族と共に移住し、アメリカのノースウェスタン大学で経済学を学んだことから経済学者としての道を歩むことになります。

ノースウェスタン大学でMAを取得後、カリフォルニア大学バークレー校で教壇に立つと共に企業で経済関連の顧問としても活躍しました。
1950年にバンドワゴン効果に関する論文を発表し、経済学者として政界からも認められる存在となりました。
バンドワゴン効果に関する著書も多数執筆していますが、『経済学的人口学的発達理論』、『配分効率とX効率』の二つの著書は、経済学の分野でも評価が高く、独創的な経済学者として一目置かれる存在となりました。

 

 

https://staseon.com/library/article_470/

ヴェブレン効果とは:別名「有閑階級の理論」を分かりやすく解説!/STASEON

 

 

有名な事例

バンドワゴン効果は、マーケティングの主要なツールとして活用されています。
行列ができている店に人がさらに並ぶ、テレビ番組で流行になっていると報道されると自分も欲しくなるなど、みんなが興味をもっているものを買えば安心できる、流行りに送れないと考える同調心理・群集心理がバンドワゴン効果です。
この人の心理を活用した事例は、これまでにたくさん存在しています。
広告を打つ際にバンドワゴン効果を有効に活用するには、人気が高い・売れているということを大きくアピールすることがポイントです。

 

 

行列や売切れを見ると購買意欲が沸く

 

 

スイーツショップや麺類のお店などでバンドワゴン効果を活用している事例としては、「本日は売り切れました」、「完売しました」などと店頭に表示する方法があります。
実際の作れる量よりも少ない量で売り切れるように設定し、「早く買わないとなくなってしまうかも」というイメージをお客さんに持たせることで、人気の商品としてイメージさせることができます。
もちろん味に自信がないと、この戦略は逆効果になりますが、レア度を演出する方法としては最適です。

近年はWeb広告を見て購入を考える人が多くなり、キャッチーなコピーがヒットに繋がることも少なくありません。
「当店の〇〇という商品が、有名グルメ雑誌で紹介されました」や「新規契約者数今月No.1」などの広告を見ると、人気がある商品だと考えるでしょう。
このように多くの人から支持されていたり、業界でも注目されていると感じられるようなコピーは、バンドワゴン効果が大きく働いています。

 

 

https://www.kcsf.co.jp/portal/bandwagon-copy.html

キャッチコピーに、バンドワゴン効果は活用できるの?/かんでんCSフォーラム