バルミューダ（BALMUDA）とは

日本には、大手の製造メーカー以外にも優秀な企業がたくさん存在します。
創業から20年以内の中堅の製造メーカーの中には、大手とは違う斬新な発想でヒット商品を生み出す企業もあります。
東京武蔵野に本社をおく「バルミューダ（BALMUDA）」は、他社とは違う独自性を持った家電メーカーとして、注目されていると考えられます。
最小で最大という独自の理念の元、扇風機・加湿器・ヒーターなどの家電製品を製造していますが、特にデザイン性を高く評価され、様々なデザイン誌で製品が紹介されています。

従業員数は約100名という小規模の企業でありながらも数々の賞を受賞し、海外からも注目されているように思われます。
創業当初はノートパソコン用のクールボックスやデスクライトなどオフィスの小型家電を中心に、製造・販売をしていましたが、現在はトースター・ポットなどのキッチン家電の分野にも参戦しています。
デザインに優れた製品を多数発売していることから、グッドデザイン賞では常連のメーカーでもあり、既に5回の受賞経験があります。
欧州の市場への進出も始まり、今後の活動に注目が集まっていると推察されます。

バルミューダ（BALMUDA）の特徴

日本の家電製品は、その性能と品質の高さが世界から評価されていますが、バルミューダ（BALMUDA）の製品も他社の製品に劣らず、性能・品質が高く評価されています。
機能的な部分では、従来の家電製品の常識を覆す画期的な製品を次と発表し、注目されていると思われます。
デザインの面でもスタイリッシュな形状が高く評価され、工業デザインの部門で数々の賞を受賞しているという実績があります。
製品別の特徴を、いくつか紹介すると、まず一つ目は加湿器ですが、水を貯めておくタンクが設置されているのが一般的です。

他社のヒット商品でも貯水タンクは設置されていますが、バルミューダ（BALMUDA）の加湿器には、タンクのない革新的なモデルがラインナップされています。
もうひとつは炊飯器ですが、他社の最新の炊飯器は様々な機能が使われていることをアピールし、競争が激化しています。
お米の銘柄別に炊き方が変わったり、炊飯以外の機能が充実しているものがあったりしますが、こちらのメーカーではご飯を美味しく炊くという一点だけに絞って、余計な機能が一切ないという他社と一線を画した炊飯器を発表しています。
オシャレでユニークな製品開発にこだわった設計・開発が、大きな特徴と考えられます。

歴史

バルミューダ（BALMUDA）は、約15年前の2003年に創業されました。
創業者の寺尾玄氏の経歴は波乱万丈で、自社製品の革新性や独自性は、この経歴から生まれていると思われます。
高校を中退しヨーロッパを放浪する旅に出て、帰国した後はミュージシャンとして大手の音楽レーベルと契約していた過去を持っています。
その後は音楽活動を諦め、海外のデザイン誌を見て物作りへの道を志します。

独学で工業デザインを学び、町工場に自身が設計した図面を持ち込み、工作機械の使い方を学んでバルミューダ（BALMUDA）を立ち上げました。
その後はノートパソコン用の冷却台をWebサイト中心に発売を開始し、デスク用のライトなどデスク周辺機器の製作販売を続けます。
業績は伸び悩んでいましたが、小型扇風機の先駆となったGreenFanのヒットにより、倒産危機を乗り越えたと思われます。
その後、東日本大震災を契機に家庭用家電の制作を開始、空気清浄機・スチームトースター・炊飯器などの画期的な商品を開発・販売し、注目されるメーカーとなっています。
バルミューダ（BALMUDA）の社名の由来は、カマス（魚の種類）の英語名バラクーダとバラック小屋です。
これらをイメージして、バルミューダ（BALMUDA）という造語を思いついたとされ、社名の付け方からその革新性が既に現れていたと思われます。

業界評価

家電業界では、歴史と実績のある大手メーカーが数多く存在し、新興のメーカーはヒットする商品を開発・発売することはなかなか大変です。
そんな家電業界において、大手とは違う独自の視点と個性的なデザインは、業界の中では高く評価されています。
特にデザイン面の評価は高く、工業デザインの優秀な商品に贈られるグッドデザイン賞を何度も受賞しているのは、業界としても注目している表れと考えられます。
世界の家電業界からの注目度も高く、欧州市場への参戦は多くのユーザーから賞賛されると同時に、様々なメーカーが注目していると思われます。

最近の家電製品は多くの機能がついていて、ユーザーが求める利便性を重視したものが数多く販売されています。
もちろん利便性の高さをバルミューダ（BALMUDA）でも考えた製品を開発していますが、他社にはない機能やデザイン性を特に重視した独自の切り口が、ユーザーから注目される大きな理由となっています。
空調家電・キッチン家電の革新的なメーカー・ブランドとして、今後の新製品の開発・発表が強く待たれる企業であると考えられます。