リーマンショックで倒産寸前まで追い詰められるも、今では世界へ羽ばたく企業へ成長させた創業社長。
代表について
海外にも新しい発想で市場から注目されるベンチャー企業はたくさんありますが、日本にも今後の発展が期待される魅力的なベンチャー企業はいくつも存在します。
東京都武蔵野に本社をバルミューダ(BALMUDA)は、革新的なデザインと性能を持った個性的な商品を開発・販売し、家電業界で高い注目を集めています。
創業から約15年と歴史は浅いですが、性能にこだわった質の高い商品の数々は市場でも評価は高く、特にデザインが高評価になり、グッドデザイン賞では常連になっているのは業界でも有名で話題です。
バルミューダ(BALMUDA)の代表は創業者の寺尾玄氏で、創業されてから現在まで同社の革新的なモデルを生み出す中心人物として、常に活躍を続けています。
寺尾氏は高校を中退し、海外を放浪した異色の経歴の持ち主で、バンドマンとして活動をしていた時期もあります。
テレビ番組でも紹介される注目度の高い経営者で、業界では日本のスティーブ・ジョブスと呼ぶ方もいるくらいです。
茨城県龍ケ崎市の出身の現在46歳で、一度興味を持つと独学で様々なことを学び、自分のものにしてきました。
バイタリティの高さは業界でも一、二位を争うほどで、そのエネルギーが独自の商品開発に結びついているようです。
代表の経歴や歴史
業界注目のバルミューダ(BALMUDA)の代表である寺尾玄氏には、ユニークな経歴が知られています。
龍ケ崎市で生まれ育った寺尾氏の実家は洋蘭の栽培農家になり、母親はフラワーコーディネーターをされるなど、花に関係する仕事をされていました。
後に父親の格さんは陶芸家に転身されており、アーティスティックな才能は両親から受け継がれたと想像できます。
玄氏は父親の影響を強く受けてきた、と雑誌やテレビのインタビューで答えています。
父親からは人と同じことはするな、常識を常に疑えと教えられてきたそうですが、この教えが斬新で独自性の強い商品を生み出した、と言っても過言ではないでしょう。
経歴の方も非常に個性的ですが両親の離婚と母親の急死は、その後の人生にも大きく影響したと考えられます。
その辛い経験から、自分の思ったことをやらないと後悔するとの思いが強くなり、高校の時に進路の選択を学校で迫られた際に学校を辞めようと決意します。
それだけでも驚きですが、いきなり言葉が全く通じないヨーロッパに1年間の放浪の旅に出る、という壮絶な体験をしています。
食べるものに困ったことも多々あったそうですが、この時の様々な経験が経営者になった際のエネルギーに繋がったのでしょう。
日本に戻ってからはミュージシャンとして活動し、ソロでもバンドでも活動を続けますが、大きな成功を収めることなくビジネスの世界へと踏み出し、バルミューダ(BALMUDA)を創業しました。
起業当初の話
起業を志したのは、バンド活動中に物作りに興味を持ったことからで、興味を持つと独学で死ぬほど努力をする性格が、その後の成功を生み出していると考えられます。
自分で設計・開発した図面を町工場などに持ち込み、加工の技術を習得しようと努めましたが、どこからも相手にされませんでした。
この時に諦めていたらその後のヒット商品を生み出すことは不可能だったかもしれませんが、一生懸命努力をする人には、その才能に興味を持つ人は必ず現れます。
何十社にも断られた後に訪れた春日井製作所の社長が、物作りに対する真剣な取り組み姿勢に感銘を受け、加工技術の指導を率先して行ってくれたそうです。
志の強さから技術の習得も早く、デザイン力にも磨きをかけて、ついに会社の創業へと導くことができました。
起業当初は寺尾氏がこだわった性能とデザインの製品ばかりで実用性には優れていましたが、いずれも高価でヒットには恵まれませんでした。
デスクライトが80,000円、ノートパソコンの冷却台が36,000円と、スタイリッシュなセンスは感じられますが、高すぎることで売り上げは伸びず、経営が行き詰まりをみせていました。
その後は世界を不況に追い込んだリーマンショックが起こり、経営は悪化の一途をたどり、倒産寸前にまで追い込まれました。
この状況になって、初めて自分が作りたいものよりも人の役に立つものを作ろうという考えにたどり着き、静かで気持ち良い風を送る扇風機「GreenFanJapan」の開発へと繋がっていきます。
今後の成長や目標
扇風機GreenFanJapanは、その心地良い風が多くの方から注目され、大ヒット商品となりました。
GreenFanJapan発売前は年商4,500万円にまで落ち込んでいた売り上げは、2015年には29億円にまで大幅に上昇しました。
このヒットを契機に、空気を素早く循環するサーキュレーターも立て続けにヒットし、バルミューダ(BALMUDA)は家電のブランドとして認知されるようになりました。
現在は空調家電も継続的に新作を発表しながら、キッチン家電の市場にも新たに参入をして、スチームオーブンはGreenFanJapanを凌ぐ大ヒット商品となりました。
テレビのインタビューでは、今後の展望として高校中退時に様々な経験をさせてもらった欧州市場への積極参入を目標に掲げて活動をしています。
デザインに関しては今後もこだわりを持ち継続していくと共に、環境に配慮した商品の開発を続けていきながら、多くの人に役立つ製品の開発・設計を目標としていると推察されます。
代表の寺尾玄氏のエネルギーは、40代後半になった今も20代の時と変わらず、今後も個性的な製品を発表し続けることが期待されています。