具体的なマーケティング戦略を立てるために、4Pと3Cを活用しよう

発案者

ビジネスに経済学者や研究者によって生み出された理論を活用する企業・経営者の方は、最近増えているように思われます。
これまでにも数々の理論が提唱されていましたが、マーケティングの基本と言われる「4Pと3C」というものがあります。
どちらもマーケティングにおいて頻繁に使われるフレームワークであり、意味と用途を理解することが重要です。
4Pは業界では一般的に使用されるフレームワークで、1960年代にエドモンド・ジェローム・マッカーシーにより提唱されました。

売り手側の視点に立ったフレームワークとして、マーケティングの第一人者のフィリップ・コトラーが実践で活用したことから、マーケティングの基本として今も活用されていると思われます。
4P実践の環境分析のツールとして使われているのが3Cですが、こちらもフィリップ・コトラーが自身が考えたR-STP-MMのリサーチで、3Cを実用化しています。
3Cは戦略立案時の周辺状況分析に、4Pはマーケティング戦略の実践に活かす手法として、有効なツールであると考えられます。

特徴、評判

マーケティング戦略に欠かせないツールとして、多くの経営者や企業が活用している4Pと3Cですが、マーケティング・ビジネス研修では初歩的な知識として習うことが多い、基本のツールと思われます。
3Cは、現状を知るための分析ツールです。
Company(自社)・Customer(顧客)・Competitor(競合)の頭文字のCを取り、3C分析と名づけられました。
Company(自社)は自社の顧客から持たれているイメージになり、Customer(顧客)は自社のサービス、商品を利用する顧客のこと、Competitor(競合)はその名の通り競合する企業・事業者を表します。
顧客が何を求め、自社としてどのような商品・サービスを提供可能か、競合他社はどんな戦略をしているのかを分析し、4Pに活かしていきます。

4Pは3Cで現状を分析した結果から、改善策・対策などの戦略を計画するために使用するツールです。
Product(製品)・Price(価格)・Place(流通)・Promotion(プロモーション)の頭文字を取り、4P分析と名づけられました。
3Cで現状を分析して方向性を定め、4Pでその方向へと導くための戦略を立てる4Pと3Cは、二つが組み合わされることで大きな効果を発揮することが推察されます。
多くの企業が活用し、高評価の分析ツールのひとつになっています。

メリット、デメリット

4Pと3Cを活用することでは大きなメリットが推察されますが、考え方を誤るとデメリットを生み出す可能性があると思われます。
Product(製品)・Price(価格)・Place(流通)・Promotion(プロモーション)の4Pをそれぞれ詳細に分析することで、自社のサービス・商品の宣伝戦略・商品アピールの方法を見つけ出すことが容易になると推察されます。
競合他社に対する品質・価格の適正をProductとPriceで策定し、商品・サービスの重要なポイントをPromotionで具体的な手法として確立します。
顧客拡大のための流通ルートをPlaceにて検討し、最適な戦略を完成させることで大きなメリットを生み出すことが可能になると思われます。

しかしこのときにポイントを誤ると、メリットはおろか大きなデメリットとなることもありますので、十分な注意が必要と考えられます。
例としては製品・サービスのクオリティ(質)と価格のバランスが崩れていると、戦略そのものが機能しなくなる可能性が推察できます。
競合他社に勝つために価格を下げて販売する戦略を立てても、クオリティにこだわりすぎると利益がなくなります。
4つのバランスを考慮した、総合的な戦略を組み立てることが不可欠です。

デメリットを理解して、正しく分析することが求められる。

書籍について

マーケティング戦略を解説した書籍はこれまでに数多く刊行されていますが、4Pと3Cに関しても多くの研究者や学者が著書を発刊しています。
参考になる書籍をいくつか紹介したいと思います。

「マーケティング部へようこそ!-3Cも4Pも知らない新入部員が3週間で身につけた最新市場戦略-」
4Pと3Cはもちろん、定番となるマーケティングの基本ツールの使用方法を、ストーリー仕立てで解かりやすく解説しています。
最新のデジタルツールの手法も掲載しているので、マーケティング戦略全般を知る意味でもおすすめです。

「ビジネスフレームワーク」
こちらはマーケティング・戦略立案・マネージメント・問題解決・組織解決に関するフレームワークを紹介する、ビジネスフレームワークの入門書です。
もちろん4Pと3Cについても、解かりやすく解説しています。

派生した戦略

現状把握に有効な3Cと問題を解決する戦略的ツールの4Pは、組み合わせることで大きな効果を生み出すことができるフレームワークです。
3C分析を行いながら同時に4Pを連携して行うことで、現状の問題の解決策を導き出すスピードを高めることが可能であると思われます。
4Pと3Cの分析はメリットの多い戦略的なフレームワークですが、SWOT分析をさらに融合し派生した戦略を生み出すと、より効果的な改善・立案が可能となります。

SWOT分析は、Strength(強み)・Weakness(弱み)・Oportunity(機会)・Threat(脅威)の頭文字4文字からつけられた分析ツールで、内部環境・外部環境の両面からプラス面・マイナス面を分類し戦略を立てるものです。
4Pと3Cだけでは見えなかったポイントが明らかになり、詳細な戦略の立案が可能になると思われます。
他のマーケティング分析・戦略ツールとの組み合わせも検討してみると、思わぬ成果が上がる可能性も考えられます。