震災復興に力を注ぎ、スポーツの分野でも大きな貢献をした三木谷浩史

経歴、実績

インターネットが普及し、パソコンやスマホのある生活が当たり前になった現代は、ネット通販も日常生活で必要不可欠な存在になっています。
ネット通販が現在のように普及する中で最も知名度を高め、日本一の通販サイトへと拡大したのが楽天市場です。
その楽天市場を含む楽天グループを一代で立ち上げ成功に導いたのが、楽天株式会社の現取締役会長兼社長の三木谷浩史氏です。
三木谷浩史氏は、1965年に兵庫県神戸市に生まれました。
地元兵庫の県立明石高等学校卒業後は一橋大学商学部へと進学し、金融ビジネスについて大学時代に深く学んだと考えられます。
卒業後は日本興業銀行(現みずほ銀行)に入行し、並行してハーバード大学経営大学院で経営学を学び、1993年にその過程を修了しました。

1995年に故郷の神戸を瓦礫の山にしてしまった阪神・淡路大震災が発生し、三木谷氏は敬愛する親族を失い深い悲しみを受けました。
このことが人生観を変える大きな要因となり、銀行を退社して起業を決意したと想像されます。
同年11月にクリムゾングループを創業、この会社はコンサルティング会社で着実に成果を上げ、1997年にクリムゾングループで上げた収益を資本として、現在の楽天の元になる株式会社エム・ディー・エムを設立します。
実業家として起業してから僅か7年の2002年には、アメリカの経済誌に若手富豪として名が載るほどの大きな成功を収めたのは、経営者としての豊かな才能と努力があったから、と考えられます。
その後も楽天グループは事業を幅広く展開し、楽天トラベルで旅行業界へも進出を果たしています。
証券取引をネットで簡単に行える楽天証券の前身企業も、この頃にM&Aでグループの傘下にしています。
三木谷氏は事業家としての成功と共に、スポーツの発展にも大きく貢献をしています。

有名なことがら

三木谷氏は2003年に地元神戸のプロサッカー球団ヴィッセル神戸を買収し、Jリーグ球団のオーナーとなりました。
このヴィッセル神戸のオーナーとなったのには、震災後の復興が続く神戸の街に自身が貢献したい、という強い思いがあったと推察されます。
ヴィッセル神戸は発足当初から赤字経営が続き存続が危ぶまれる状態でしたが、三木谷氏がオーナーとなってからは財政が安定し、海外の大物選手を招聘するなどで観客動員数も増加しています。
そして2004年に近鉄バッファローズとオリックスブルーウェーブが合併し、プロ野球球団が減少する危機に直面した際に新球団創設を掲げ、プロ野球への新規参入を決断します。
ライブドアとの競争に勝利し、楽天ゴールデンイーグルスがプロ野球オーナー会議で正式に承認されました。
球団の本拠地は宮城県仙台となり、東北初のプロ野球球団として地元からは大きな期待で迎えられました。

本事業の方では銀行業でも大きな成功を収め、着実にグループを拡大化していきましたが、そんなとき日本を再び悪夢に陥れた東日本大震災が2011年に発生し、自身が持つ楽天ゴールデンイーグルスの地元宮城県は多くの犠牲者を出しました。
しかし復興最中の2013年に、三木谷氏は震災が発生した2011年にその熱い思いで招聘した星野監督の下、楽天ゴールデンイーグルスは田中将大投手の獅子奮迅の活躍もあり、球団創設から僅か9年で日本一になりました。
三木谷氏は、この日本一が東北を大きく勇気づけることになったことを、大変喜ばれたそうです。
事業者として共にスポーツの発展にも大きく貢献される三木谷浩史氏は、新しい時代の経営者のお手本とも呼べる存在と考えられます。
2020年東京オリンピックにおいても、組織委員会の顧問として活躍が期待されています。

復興最中での優勝は多くの野球少年を勇気づけた。

有名な言葉、座右の銘

三木谷浩史氏は世の中の流れや情勢に詳しく、その判断力の高さが若くして成功した実業家になる要因でした。
その三木谷氏の経験からなる名言が、いくつか伝えられています。
「一段ずつでも上がっていくためには、いつも自己を否定する勇気を持たなければならない」
自己を否定することはプライドの高い人にはなかなかできないことですが、自己愛が強いと判断を誤る可能性が高くなる、と三谷氏は考えられています。
改善を進めていくためには自己を否定する勇気が必要だ、と教えられます。

「収入は仕事のモチベーションになるけれど、それだけでは本当の意味で頑張る力は湧いてこない」
一人で何でもできると強がっている人も、心の底では他人から感謝されたり評価されることを望んでいます。
誰かのためになっていると実感できる幸せが、仕事に意欲を持たせるモチベーションになりうることが想像できます。
「大事なのは現実を直視すること、躓いたら出直せばいい、そういうダイナミズムがなければ、この時代は生き抜いていけないと思う」
現実を語ることは誰でもできますが、その現実をしっかりと見据えた上で何ができるのか、またできそうなことは何かを考え全力で突き進むエネルギーが必要だ、と考えさせられます。
この他にも多くの言葉を伝えている三木谷浩史氏の考え方を、ビジネスの参考にすることは大変プラスになると思われます。