たまに聞くけど実はよくわからない、資産運用の世界についてお話します

世界三大利殖とは

日本の景気は緩やかに上昇していると言われていますが、銀行預金の低金利は相変わらずで資産を増やすためには、投資で資産運用していくしか方法はないと言っても過言ではないと考えられます。
しかし投資に関しては、知識のないまま素人が簡単にできるものではなく、基本的なことを勉強しておく必要があります。
資産を確実に増やす方法として有名なものとして、世界三大利殖と呼ばれるものがあるのをご存知でしょうか?
「オプション売り」、「サヤ取り」、「サヤすべり取り」と呼ばれる3つを世界三大利殖と呼びますが、それぞれについて簡単に紹介します。

オプション売りは、三大利殖の中では自己資金が比較的少なくても利益を増やしやすい投資方法、として知られています。
保険の商品は顧客に安心感を与えることでお金を支払ってもらうものですが、この保険商品と同じような方法で対価を手に入れる投資の手法がオプション売りです。
オプションを売るというのは、ある意味投資の世界では一般的な使い方であり、リスクや損失の保障に対してお金を受け取る形がまさしく保険と同じ、ということが考えられます。
住宅ローンの火災保険や地震保険などに近いもの、というのが解かりやすいかと思われます。

サヤ取りは先物取引で古くから使われていた手法の一つで、約定の期日が異なるものとの価格差がサヤと呼ばれます。
サヤの変動額を利益にする手法になり、確実性が高いことから広まった、と思われます。
逆に損失は大きくならない分、利益自体もあまり大きくないのがサヤ取りの特徴である、と考えられます。
株式の投資では値動きのよく似ている銘柄を比較して、サヤを取って実績を挙げる投資家が多いと思われます。
サヤすべり取りは成功者が多く利用している方法でもあり、百年以上の長い歴史を持っています。
海外の投資家からはローリングという呼び方をされていて、資金を豊富に持つ大富豪の間では古くから使用されてきたと推察されます。
先物取引を例にすると、順サヤのものを上げ下げどちらの相場でも継続的に売り続けることにより、サヤを利益へと変換させる投資手法をサヤすべり取りと呼びます。
長期的な観点ではリスクが低いというメリットがありますが、継続的に売り続けるためには資金に余裕が必要で、その辺りが大富豪の投資手法と呼ばれる所以だと思われます。

副業や投資など本業以外でも資産運用している人は多い

世界三大利殖の歴史

投資の世界に携わる人なら誰もがご存知の世界三大利殖(オプション売り・サヤ取り・サヤすべり取り)は、どの手法も古くから使用されている方法です。
オプション売りの起源は紀元前6世紀にまで遡る、と考えられています。
ギリシャのサモス島に住んでいた学者が、当時の島の特産物として知られるオリーブ油を搾る石臼を持つ人から借り、その借りた石臼をオリーブが大豊作になった際に借りた金額以上の高額で又貸しを行って、大きな利益を得たことがその起源と考えられています。
実際にオプション売りが歴史上に登場するのは17世紀中盤まで進んでからで、チューリップの産地として知られるオランダで球根のオプション売りが活発に行われていました。
チューリップの価格が急騰した際に販売業者が支払い不能となり、オランダの経済に大打撃を与えたことが発端であったと推察されます。
その後は17世紀後半にロンドン市場で株式と商品のオプション売りが導入されました。
当初からオランダでの騒動が尾を引き、商品のオプション売りは禁止となり、アメリカ等でオプション売りが導入されるのは18世紀末まで待たなければなりません。

1980年頃に商品先物取引委員会が規制を定め、初めて正式な制度としてアメリカの先物市場で導入されました。
日本ではアメリカの市場で導入されたのと同時にスタートし、現在では大きな発展を遂げていることが推察できます。
サヤ取りの起源はヨーロッパなどの歴史のある地域と思われがちですが、意外にも日本の米取引が元になっているとも言われています。
江戸時代中期の1730年に、当時の商業の中心地となっていた大阪の堂島米会所での年貢米の先物取引が、サヤ取りの手法の元になったと考えられます。
この年貢米の先物取引手法がヨーロッパの国へと伝播され、そのサヤ取りの手法で財閥として知られるロスチャイルド家が、金属(銀・銅)の先物取引で大きな利益を上げ、大資産家となる基礎を築いたことが推察されています。

また現SMBCフレンド証券の創業者である山崎種二氏が、自身の資産を強化するためにサヤ取りを活用したとしても知られています。
サヤ取りで巨大な富を築いたユダヤ系の資産家は、世界各国で問題になっているタックスヘイブンにファンドの本社を置き、リスクを抑えた経営を行っています。
サヤすべり取りの起源もサヤ取りとほぼ同じ頃で、先物取引の歴史と同じと考えられます。
先物取引の元は、江戸時代(1730年)の年貢米の取引を幕府が公認して行われた米取引と考えられます。
これより以前にヨーロッパ(ベルギー)で1530年頃に実施されましたが、当時は現物での取引であったと推察されます。
サヤすべり取りの普及に関しても、ヨーロッパのユダヤ系大富豪が大きく関わっており、大きな財を築く基礎になりました。

世界三大利殖で有名な人物

世界三大利殖で有名な人物と言えば、やはりロスチャイルド家が有名だと思われます。
しかしロスチャイルド家は1700年よりも以前はドイツに住むユダヤ人であり、様々な制限を受けたことから決して豊かではありませんでした。
ロスチャイルド家を世界有数の資産家へと押し上げたのは、17世紀後半に古銭商として活躍をしたマイアー・ロートシルトでした。

このマイアーは宮廷の御用商として利益を上げながら、金属の先物取引でサヤ取り・サヤすべり取りの手法をフルに活かし、巨大な富を築きました。
ロスチャイルドと同じように、世界三大利殖で有名な人物をもう一人挙げるとすれば、ジョージ・ソロスであるかと思われます。
ジョージソロスはハンガリー系ユダヤ人で、1969年にファンドを立ち上げて投資家として活躍を始めます。
ジョージソロスは投資家として活動を始めた頃にサヤ取りで利益を上げ、投資家として広く知られる存在になったと考えられます。
世界三大利殖という言葉の発祥は不明ですが、当時から「サヤ取り」、「サヤすべり取り」「オプション売り」を活用して、ジョージソロスが成功を収めたことでこう呼ばれた、という説があります。