国内有名ベンチャーキャピタル5選

国内有名ベンチャーキャピタルについて

ベンチャー系企業という呼び方を、投資業界ではよく耳にする機会も少なくはないかと思います。
実績と経験の長い大企業とは違って、新しいけれど今後の成長が期待される未上場の企業のことです。


そのベンチャー企業に、ハイリスクを恐れずハイリターンな投資を行う投資ファンドを、業界では「ベンチャーキャピタル」と呼んでいます。
海外企業に多いようなイメージがありますが、国内にも銀行系を筆頭に様々なベンチャーキャピタルが存在していると思われます。
そのランキングベスト5を投資件数から選ぶと以下になります。

1位.SMBCベンチャーキャピタル 20件
2位.SBIインベストメント 15件
3位.みずほキャピタル 13件
3位.三菱UFJキャピタル 13件
5位.ジャフコ 11件

ユニコーンへの投資が目標

やはり銀行系のベンチャーキャピタルが、上位を占める結果となっています。
5年ほど前のランキングと比較すると、独立系のベンチャーキャピタルがベスト5以下になっているところが想像されます。

1位「 SMBCベンチャーキャピタル」とは


現在の投資件数で1位となっている「SMBCベンチャーキャピタル」とはどんな企業なのか、その歴史を振り返ります。
SMBCベンチャーキャピタルは、いくつかの金融関連企業のベンチャーキャピタル部門が移管・融合されて誕生しています。

・1992年3月、三井ファイナンスサービス・太陽神戸抵当証券の業務移管により、さくらキャピタル(株)が設立
・1995年8月、住銀ファイナンスのベンチャーキャピタル部門が独立し、住銀インベストメントが設立
・2001年4月、さくらキャピタル(株)と住銀インベストメント(株)が合併、SMBCキャピタル(株)として設立


・2005年10月、新たにエヌ・アイ・エフベンチャーズ(株)を統合、社名をエヌ・アイ・エフSMBCベンチャーズ(株)を設立
・2008年10月、会社の商号を大和SMBCキャピタル(株)へと変更
・2010年7月、大和証券グループ・三井住友銀行グループがこれまで行ってきた合弁事業を解消、大和証券が新たに分割しベンチャーキャピタル企業を創立し、三井住友銀行グループはSMBCベンチャーキャピタルとして改めて発足させ現在に至る

大手銀行の合併・統合が繰り返し行われたことの影響が、強く感じられます。

代表について

現在の「SMBCベンチャーキャピタル」の代表は、石橋達史氏です。
1979年に慶応大学法学部を卒業し、1981年住友銀行(現在の三井住友銀行)に入社し、2011年からは執行役員、2013年にSMBCベンチャーキャピタル副社長を経て、2014年に社長に就任しました。
近年の代表挨拶では、長年の国内の経済成長の低迷から産業構造の変革が叫ばれている現状を打破するため、新しい産業の勃興を支援する必要性を訴えているように思われます。
IT系ベンチャー企業への投資はもちろん、長く低迷する農林水産業・再生医療関連(iPS細胞研究)など、社会的に意義のある業界への投資を積極的に行うことを述べられています。

その他の有名ベンチャーについて


日本のベンチャーキャピタルには銀行系の企業が多い傾向にありますが、独立系のベンチャーキャピタルにも注目されるところがいくつか存在します。
日本最大のベンチャーキャピタルの「ジャフコ」もその一つで、世界の6箇所に拠点を持つグローバルな投資ファンドとなっています。
1973年に、日本合同ファイナンス株式会社として創業されました。
投資金額は約1350億円で、中小企業への投資を中心に業績を上げていると思われます。
創業以来、900社を超える上場の実績があると考えられます。
国内に現存しているベンチャーキャピタルとしては、最も古い歴史のある企業として知られています。

日本の今後のベンチャーキャピタル業界について


ベンチャーキャピタルは将来性のある未上場企業に投資をして、経営にも株主として積極参入し、企業価値を高める方法を取ることが多いと思われます。
しかしこれはアメリカ式の考え方になり、日本のベンチャーキャピタルは成長途上のベンチャー企業を上場させることを主とした進め方をしている、と考えられます。
期待の持てる1社への集中投資は少なく、たくさんの企業へ投資を分散させる色合いが日本のベンチャーキャピタルの特徴と考えられていました。

そのため、企業そのものの経営に対する影響力は少なくなっていたと思われます。
今後はこのスタイルを見直し集中投資へと方針を変え、経営に積極的に参入していくスタイルへと日本のベンチャーキャピタル業界は脱皮していく必要がある、と考えられます。
最近のベンチャーキャピタルの動向に関しては、新規参入の増大傾向が認められています。


ベンチャーキャピタル企業から独立して参入する企業が多いのが、近年の傾向で投資ファンドでの経験と実績を活かして、スタッフとして活躍された方々が創業されたベンチャーキャピタルが多いと想像できます。
新規参入による新しい風には、大いに期待が持たれています。