悪の代名詞となっているヘッジファンド、本当に悪なのか

ヘッジファンドの投資金額は高額なので、一般には馴染みがない?

ヘッジファンドとは、機関投資家や富裕層などから私的に資金を集め、様々な手法で運用するファンドです。
公募による通常の投資信託とは違い、私募であることが特長です。

投資金額は、最低でも1億円以上と高額であることが多くなっています。
参加者は少人数で、アメリカで99人以下、日本で49人以下が参加しています。
最近のヘッジファンドでは、最低投資単価で500万~1,000万円で個人投資家が参加できるようにもなっています。
大型投資信託と比べると、募集金額に上限が設定されていることから、資産規模は大きくありません。
投資信託との違いは、ヘッジファンドに規制や義務がなく、自由な運用ができるところにあると思われます。
投資信託は、投資対象や手法などが規制されて、情報の開示などが義務付けられています。
ヘッジファンドは、空売りや金融派生商品などへの投資が多く、私募で資金を集めています。
一方で投資信託は、投資に明るくない投資家も参加するので、投資家保護のために投資が制限され、公募での投資になります。

 

ヘッジファンドのレバレッジが恐ろしい

ヘッジファンドは空売りができるため、上げ相場でも下げ相場でも利益を出すことができます。
投資信託では空売りができないので、下げ相場では買い持ちしている資産の価値が下がり、利回りがマイナスになることが多いです。
下げ相場の場合、ヘッジファンドにはそれを得意とするものもあるので、利益を得るためにこちらを選ぶ人もいます。
満期日での原資産の価格と契約上の取り決め価格の差額分を決済するデリバティブ取引があります。
この取引は、低額の証拠金を準備することで原資産取引と同規模の取引ができます。
このときの運用利回りは、原資産取引の10~30倍になりますが、利益のほかに損失も10~30倍になります。

 

日本のヘッジファンドは世界と異なる

日本のヘッジファンドには、最大級のものでは農林中央金庫が有名です。
農林中央金庫は、JAやJFなどの金融の円滑化を目的に業務を行っています。
その他にも、経済産業省が公表しているヘッジファンドが多く、各ファンドで戦略が異なります。
現在のヘッジファンドで最も多い投資戦略に、ロング・ショートがあります。
有価証券のロング(買い持ち)とショート(売り持ち)の双方のポジションを同時に取る戦略です。
過小評価されている銘柄は投資信託と同じくらい買いを行い、過大評価されている銘柄は売りを行います。
日本ではアクシーズ投資顧問、GCIアセットマネジメントなどが行っています。