世界を変えるTechシリーズ regtech(レグテック)について

regtechとは?

regtechは、規制のRegulationと技術のTechnologyを組み合わせた造語で、金融規制を管理する事を意味しているものです。

2015年頃から英国・米国中心に使用され始め、実用化に向けた論議も活発化しており、現在世界が注目するキーワードのひとつとなっています。

このregtechが使用される場面として、主にITを活用して複雑化、高度化が進む金融規制に対応する、金融ITソリューションがターゲットとされています。

regtech登場背景

金融機関は、コンプライアンス観点から規制がとても多い業種として有名です。

近年、その金融機関を取り巻く規制の範囲が拡大しつつあり、管理対象となるデータの粒度も詳細になってきている現状がある程です。

また、対応する期限も限られている中、金融機関は正確さも必要となり、スピード感も重要視されているのが現実として考えられます。

その中で規制への対応は必須としつつ、金融機関内部では人的リソースの確保やIT部門、ユーザー部門とのギャップの調整、更にコスト削減といった課題を多く抱えています。

このような背景から、人工知能、ビッグデータ分析、ブロックチェーンなどといったIT技術は、必須となっていると推察されます。

そのため、金融規制に対応するソリューションとしてregtechの登場となるのです。

regtechは、年々複雑化する様々な規制に対応し、金融業界における様々な課題を解決する事ができる可能性が高いとして、大きな期待を背負っています。

regtechが盛り上がる背景

regtechが盛り上がる背景には、リーマンショック後の規制強化と、これに伴う金融機関のコンプライアンスコスト増大があります。

これはリーマンショック以降、高リスク業務へのリスクテイク志向、不十分な自己資本といった金融機関に関する問題が顕著化し、規制を強化する動きが相次いだためとなります。

例えば、米JPモルガン・チュース銀行やドイツ銀行では、コンプライアンス対応のために従業員を増員し、追加コストが多く掛かりコスト問題を抱えたという問題がありました。

日本におけるregtechの認識

金融とテクノロジーを融合させたフィンテックは、日本において認知度は高くなっています。

しかし現在、世界では金融規制対応によるテクノロジーを活用したregtechが注目されている中、日本のregtechに関する認知度や理解度はそれ程高くないと考えられます。

これは、日本の金融庁が行う決済ビジネスに関する法規制や監督体制についてディスカッションを行う中で、感じられた事です。

そのため、日本でregtech関連のベンチャー企業が立ち上がるためには、少なくともこの認知度を少しでも上げる事から始めないと厳しいと想像できるでしょう。

そのためにはテクノロジーを金融の様々な場面で活用し、積極的に後押しする必要があると考えられています。