これからの超高齢化社会に向け、ロボットの研究・開発がますます期待される。

CYBERDYNEについて

ロボットの開発は今後の世の中に大きな影響を与えるもので、

世界中の企業が実用化に向けて様々な研究を行っています。
日本にもロボットの研究・開発を行う企業はいくつもありますが、

筑波大学の山海教授によって設立された『CYBERDYNE社』は、

サイバニクス技術の研究・開発・製造・販売を行う企業です。

メインで研究・開発している製品としては、

パワードスーツ(人が装着して稼働するロボット)やお掃除用のロボットなどがあります。
山海教授が開発したHALはパワードスーツとしては世界で初めて開発されたもので、

人の生態信号を読み取り様々な動作をします。

 

 

ロボットは私達の暮らしを豊かにしてくれている。

 

 

身体障碍者や高齢者の低下した動きをサポートするロボットでの活用が期待され、

医療機器分野がメインとなっていますが、労働用のモデルを開発する予定です。
作業支援・補助を目的としたHALは実用化され、

重量物の運搬の際に腰に大きな負荷がかかるのを低減し、腰痛のリスク回避が期待されています。
福祉施設や高齢者施設において活用されることも多くなり、

一般での実用化に向け研究は続いています。
社名のCYBERDYNEはハリウッドの大ヒット映画『ターミネーター』の中でT-800、T-1000を

開発・製造していた企業の名称と同じで、創業者の山海教授がサイバニクス技術で

新たな力を生み出すという意味を合わせて名付けたと、インタビュー等で語っていました。

 

 

https://www.cyberdyne.jp/

HOME/CYBERDYNE株式会社

 

 

CYBERDYNEの事業内容

筑波大学教授の山海氏により設立された『CYBERDYNE社』は、

パワードスーツタイプのロボット開発からスタートし、業務用の清掃ロボットの開発も行っています。
企業の清掃サービス等を行う企業では作業者の人手不足や高齢化が大きな問題となっており、

清掃ロボットを導入することには大きなメリットがあります。
搭載された人工知能は、清掃エリアの形状を正確に認識・記憶し清掃経路をプランニングし、

無駄のない清掃を行っていきます。

 

 

今では多くの会社から掃除ロボットが販売されている。

 

 
経路を指定して作業を行うこと、人工知能による自動経路生成、

どちらも選択できる優秀なロボットの製造に成功しています。

ロボット事業以外にはスマートデバイスの開発も行っていますが、

過酷な状況での使用にも耐えられる業務用タブレットは耐久性の高さが評価されています。
この他、エッジデバイス、エッジコンピューターの開発、温湿度センサーや

温度管理システムの実用化も行い、幅広い分野で使用され実績を積み上げている状況です。
IoT事業の拡大で新しいデバイス、システムの開発は継続されており、

人とロボットが共生する社会の実現に向けて取り組んでいます。

 

 

https://www.cyberdyne.jp/products/cl02.html

除菌・清掃ロボットCL02/CYBERDYNE株式会社

 

 

CYBERDYNEの初値と評価

ネットワーク機器、通信機器の開発・製造で高い技術を持つ『CYBERDYNE株式会社』は、

創業から10年後の2014年に東証マザーズに上場を果たしています。

 

 

映画と同じネーミングも注目を集めた一因だ。

 

 
映画ターミネーターに登場するサイボーグ、ロボットメーカーの企業名と同じで、

サイボーグ型ロボットHALの製造企業として注目度が高い状況でした。
上場時の公開価格は3700円でしたが、初値は公開価格の2.3倍の8510円という高値を記録しました。
これは装着型のロボットの高い技術力と、

様々な業種に対応できる可能性への期待度の高さの表れでした。

 

 

https://minkabu.jp/stock/7779/ipo

CYBERDYNE/MINKABU

 

 

CYBERDYNEの事件

筑波大学から誕生したベンチャー企業として東証マザーズに上場しましたが、

その高い技術力とは裏腹に収益は向上せず、赤字の状況が長く続いています。
上場からしばらくした頃に株価が急落する時期があり、一時大きな話題になりました。
この株価急落は、シトロン・リサーチという株式情報を公開する調査会社が10年間の業務内容や

財務状況についてのマイナスポイントを大きく報じたことが、その大きな要因でした。
シトロン・リサーチが株価に影響するような情報を公開したのは、空売りで利益を得るために

意図的に株価が下がるように仕向けたという見方が、ユーザー間では囁かれていました。

  

  

株価が急落してしまった。

 

 
実際にこの情報が大きく報じられた後、わずか2日で急落するという事態に発展することになります。

また2018年には主力株主のダイワハウスが、CYBERDYNE社の装着型ロボットHALが医療機器として

アメリカの食品医薬局から市販承認を取得した際に、

株主の拡大を目的として株式譲渡を依頼され、大量に売却したことがありました。
このことはシトロン・リサーチの株価を下げる悪手を促す要因ともなりましたが、

その高い技術力に期待する投資家も多く、現在は株価も安定傾向にあります。

 

 

https://toyokeizai.net/articles/-/389675

日本企業を「汚物扱い」した米国ファンドの正体/東洋経済ONLINE

 

 

CYBERDYNEのその後

ロボットテクノロジーとデジタルネットワーク商品の開発・製造が現在の『CYBERDYNE社』では、

基幹事業で双方の分野での活躍が期待されています。
ロボット開発では医療・福祉関係の企業への使用を推進し、

介護サービスでは幅広く活用されています。

 

 

福祉や医療業界での活躍を期待している。

 

 
腰への負担を軽減する腰用のロボットは重労働作業を主とする業種での導入要望も増え、

性能の向上に努めている状況です。
ネットワーク製品の分野は今後高い技術力と開発能力が求められていますが、

これまでの数々の機器の開発実績から通信事業者からの信頼も高くなっている傾向があります。

 

 

https://robotcare.jp/jp/development/09_02

高齢者の歩行機能の維持・向上のための衣服型HALの研究開発(CYBERDYNE株式会社)/介護ロボットポータルサイト