芸能人でも商品でも需要になってくる好感度。事例を見ながらその大切さを学ぼう。
プレファレンス(好感度)とは
アイドルや女優・俳優の方、ミュージシャン、お笑い芸人など、
メディアで活動する方を総じて芸能人と言いますが、毎年多くの方がデビューしています。
ただプロスポーツ選手と同様で、デビューしても人気が出ず、
短い期間でメディアから消えたり引退してしまう人も大勢いて、
長く活躍するためにはプレファレンス(好感度)の高さは重要なポイントのひとつです。
芸能人と同様に、市場で流通する商品やサービスにおいても、
プレファレンスは特に重要なポイントとなっています。
芸能人であれば、嫌いな人と言われる方にも一定の需要があり、嫌われることを
逆に戦略として活用している方もいますが、商品・サービスで
プレファレンス(好感度)が低いことは、商品価値を大きく下げることに繋がります。
ビジネスにおけるプレファレンスは好感度または好意度のことで、
ブランドや商品に対する選好性を表しています。
基本的には、価格・商品パフォーマンス・ブランドエクイティの3つの要素で判断されています。
中でもブランドエクイティは、ブランドや商品に対する消費者・社会が持っている
一定のイメージのことです。
ブランド・商品の無形の資産価値を表したものですが、
好意的なものはもちろん、否定的(ネガティブ)なものも含まれます。
消費者・顧客の購買時における行動の指標として数値化されたプレファレンスは、
ブランド・商品の市場シェアの拡大や縮小にも大きく関わり、
プレファレンスが市場シェアそのもの、という考え方もあります。
オープン当初は様々なトラブルや問題が発生していた日本有数のテーマーパークUSJは、
このプレファレンスの向上に重点を置き、大きな成果を上げています。
説明用の例や事例
好感度・好意度の高さは、芸能界はもちろんビジネスの世界でも重要なポイントになります。
大手メーカーやブランドでは、プレファレンス向上戦略専門の部署や担当者を置くところも多く、
今後さらにプレファレンスを向上するための研究・検証が商品・サービスの成功には欠かせなくなります。
大阪で大きな話題性を持ってオープンしたユニバーサルスタジオジャパン(USJ)は、
オープン当初その宣伝戦略や日本初の映画のテーマパークとしての話題性もあり、
プレファレンスは大変高く、入場者数も常に高いレベルを維持していました。
しかしオープンの翌年から不祥事が重なり、
業績は低迷して上場廃止にまで追い込まれることになりました。
アトラクション用の火薬量が基準値を大幅に超過したことから始まり、
工業用水の配管と飲料水の配管が繋がっているというトラブル、
期限切れの食品が提供されていたなどの問題が続発していました。
2004年には経営破綻し、アメリカ本部から新しい社長が就任して、
プレファレンス向上の戦略を打ち出して見事に復活を遂げています。
業績が悪化していた一番の要因は、
不祥事が続いたことによるブランドイメージ(好感度)の大幅なダウンにありました。
業績の向上目的でコンテンツを増やしていったのですが、
映画とは関係のないキャラクターやコンテンツが多くなり、
本来の映画のテーマパークというイメージまでも低下させることになっていました。
そこで原点に立ち返り、
映画のテーマパークという映画ファンに特化した戦略を掲げて改善に取り組みます。
そしてパーク内に映画・アニメに特化した、
他にはないセレクトショップを展開して、業績をアップさせたのです。
その後、大人から子供まで幅広い層に人気のハリーポッターのアトラクションをオープンさせ、
これが決定打となり、ブランドイメージ(プレファレンス)の大幅な向上に成功しました。
USJから学ぶ「ターゲットを狭く定義しすぎない」理由/davide marketing
マーケティングとして活用できる点
好感度・好意度のことをビジネス用語でプレファレンスと呼びますが、
芸能関係の方に求められるのと同時に、
商品やサービスにおいては欠かすことにできない指標になります。
マーケティングの戦略にプレファレンスの数値を指標にすることは一般的で、
様々な企業・ブランドが研究を重ねています。
ブランド・企業のマーケティング戦略で投資効果が最も高いのが
プレファレンスという考え方は、近年は一般的になっています。
プレファレンスとともに、アウェアネス(認知度)・ディストリビューション(配下率)の
重要性も専門家が述べています。
アウェアネス・ディストリビューションは、これまでに多くの企業・ブランドが
マーケティング戦略で様々な施策を講じてきており、成功例も少なくありません。
しかしこのふたつよりも、今後の伸びしろ・期待度が大きいと言われるのがプレファレンスで、
企業・ブランドが拡大するためには欠かせない戦略となっています。
もちろんプレファレンスだけを向上していけば、
すべての企業・ブランドで業績アップに繋がるわけではありません。
一般消費者向けの商品・サービスを提供しているBtoC企業やブランドの戦略としては、
プレファレンスの向上を大きな成果を上がることが可能です。
しかし一般消費者ではなく、企業や自治体などへ商品・サービスを提供する
BtoBの企業やブランドでは、プレファレンスよりも企業間での信頼関係の強さが求められます。
つまりプレファレンスは、BtoC企業のマーケティングに適した戦略という考え方が正しいでしょう。