マーケティングで重要視される消費者インサイトとは?消費者の声をサービスに活かそう。
消費者インサイトとは
ネット通販の市場が拡大している昨今は、
過去のマーケティング戦略が通用しないことも多くなり、
市場の変化にフレキシブルに対応する能力が求められています。
企業・ブランドがマーケットを考えるときに、これまでは組織・集団の動きを重視していましたが、
近年は消費者単体の動きに合わせた戦略がマストになってきています。
競合他社との差別化や優れた商品の開発だけでは、ヒット商品を生み出すことは困難です。
そんな現代ビジネスにおいては、消費者インサイトを一番に考えて戦略を練る必要があります。
消費者が実際に求めているものは何か、自社商品・サービスを提供する最適な形は何か、
などを考えることが重要です。
インサイトを日本語に直訳すると洞察という意味になります。
消費者の購買行動の中にある購入する理由や意欲を指している言葉と考えれば、間違いないでしょう。
マーケティング用語として考えると、消費者が商品・サービスを求める潜在的理由、
消費者が無意識のうちに持っている欲求ということになります。
消費者インサイトが、現代のビジネスで重要視されるのには大きな理由があります。
1つ目は、サービス・商品の改善・リニューアルのヒントとなるポイントを見つけることです。
2つ目は顧客満足度のアップに繋がること、3つ目としては新たな市場開拓に繋がる、
消費者の欲求を見つけることに繋がる、の4つを得られるメリットがあるからです。
これまで企業やブランドでは市場調査に重きをおいてリサーチを行っていましたが、
これからの時代は消費者のニーズに合わせたマーケティング戦略が成功に繋がる条件となっています。
消費者の生活環境や関心のあること、興味を持つこと、
悩みなどの傾向のリサーチに時間を割き進めることが、新しいビジネスモデルの構築に繋がるでしょう。
消費者インサイトとは?3つの活用事例と今すぐできる調査方法を解説/LISKUL
説明用の例や事例
消費者が本当に求めているものは何か、購買行動に繋がる要因は何かなどをしっかりと理解し、
商品開発やプロモーションに活用することを、
消費者インサイトとマーケティングの分野では呼んでいます。
これまでに消費者インサイトを活用して成功を収めた事例は、業種を問わず数多く存在していますが、デジタルオーディオで一時代を築いたipodも、代表的な成功例です。
Apple社が開発・設計し市場に登場したipodは、音楽を聴くスタイルを大きく変えた
エポックメイキングな商品で、音楽業界そのものの形態も大きく変化させることになりました。
ipodが開発された当時はCD・MDで音楽を聴くことが主流で、
音楽をダウンロードして聴くような形の需要はあまりありませんでした。
デジタルコンテンツを利用して曲・アーティストを検索、
ダウンロードして視聴するというスタイルは今でこそ当たり前ですが、
当時はこのようなビジネスモデルが成功するとは多くの人が思っていませんでした。
ファイル共有ソフトを悪用し、違法なアップロードした音楽や音楽動画が当時は蔓延していましたが、AppleがiTunesのアプリを開発、オンラインストアと連動し、
音楽のデジタルマーケットを確立しました。
違法なアップロードではなく、安心・安全なコンテンツとしてiTunesは市場に浸透し、
今では「音楽を聴く=ダウンロードして聴く」が一般的になっています。
これは消費者の潜在意識の中にある音楽のダウンロードサービスを求める欲求を、
消費者インサイトによって見つけた代表的な成功例と言えるでしょう。
消費者インサイトを調査する方法としては、基本的に4つの方法があります。
1つ目は、もっともオーソドックスなアンケート調査です。
アンケート調査は同じ質問に対する回答が得られるので、
多数派の意見を取り入れるときに役立ちます。
2つ目はインタビューで目的を明確にし、掘り下げて調査をしたい時に役立ちます。
3つ目は行動観察調査で、エスノグラフィーとも呼ばれています。
人の行動を観察することで、消費者の求めるものを見つけやすくなります。
最後はWeb調査で、SNSや口コミサイトなどに投稿された内容を調査し、
消費者の生の声を聞き、サービス・商品に反映するときに役立ちます。
消費者インサイトとは?見つけ方や活用事例を紹介/Cross Marketing
マーケティングとして活用できる点
消費者が実際に求めていることや、
潜在意識の中にある欲求などを様々な形で調査し活用することを、消費者インサイトと呼んでいます。
マーケティングの戦略に欠かせない方法として知られていますが、
有効に活用するためにはいくつかポイントがあります。
まずはターゲットを明確にして、目的に合った調査方法を選ぶことがポイントです。
消費者のリアルな生の声が聞きたい時は、Web調査、
多くの人が求めるものを知りたい時はアンケート調査など、
それぞれの目的に沿った調査が重要です。
次は結果を数値化し、詳細な分析を行うことです。
データ収集をすることは消費者が求めることを知るために必要なことですが、
単にデータを集めただけでは必要な情報を知り得ることはできません。
回答人数や属性、年齢層など詳細に分析し数値化し、
その結果を商品に反映させることが好結果に繋がります。
3つ目は検証と仮説を繰り返して結論を導き出す方法です。
仮説を立てて、その仮説を立証するためのデータや情報を収集します。
集められたデータや情報を分析すると、仮説の検証が可能になります。
その得られた検証結果から、また違う仮説を立てて検証するという行動を繰り返すことで、
より詳細に結論を導き出すことに繋がります。
消費者インサイトとは?潜在ニーズとは違う?マーケティング戦略で役に立つ消費者の知られざる本音/GMO RESEARCH