制限されたり禁止されると、実際よりもっと欲しくなる?必要以上に買わない為に、カリギュラ効果を知っておこう。

カリギュラ効果とは

人間は他の動物とは違い、感情の揺れ動きが行動に大きく左右することが多く表れます。
本能の赴くままにすべての構想をするわけではなく、

頭で考えて様々な行動変化をすることがあります。

例えば物事に厳しいルールをつけると、そのルールに反発する人が逆に増えたり、

禁止と言われるとやりたくなってしまう現象が時に起こります。
このように禁止されると逆に興味を持ち、

やってしまうような心理的な現象をカリギュラ効果と呼んでいます。

 

 

制限されると、より気になってしまうのが人間の心理だ。

 

 

カリギュラは約40年前の1980年に公開された映画で、

ローマ帝国の第三代皇帝カリギュラの半生を描いた作品です。
この映画は性描写と暴力描写が当時としても相当に過激で、

上映禁止になる国や地域が続出する事態となりました。
するとテレビや雑誌で上映禁止になったことが大きく取り上げられ、

逆に注目度が大きくアップします。
上映が禁止されている地域に住む人が、

上映している場所にまでわざわざ足を運び鑑賞する機会が大幅に増えました。

そのことから、人間には禁止・自粛をされると

逆らった行動をしてしまう心理的な現象が起こることを、カリギュラ効果と呼ぶようになりました。
人間は禁止されたり制限をかけられたりすると、

人が本来持っている自由な権利を奪われたことに対して、大きなストレスを感じます。
そのストレスからの解放を求めて、反射的に逆らった行動をしてしまうのです。
この禁止・制限に対して反発するというカリギュラ効果を、

マーケティングに活用する事例が近年は増えています。

 

 

https://drm.ricoh.jp/lab/psychology/p00003.html

カリギュラ効果とは?/リコーのマーケティング支援

 

 

カリギュラ効果の著者、有名人について

禁止されたり時間や数量等に制限を受けると、

人は興味がない事柄や物に対して強い興味を持ってしまうことがあります。
このような心理的な効果をカリギュラ効果と呼びますが、

その由来は過激な描写で多くの地域で上映禁止になったカリギュラという作品です。
1980年の上映以降にカリギュラ効果という言葉は使われるようになりましたが、

誰が言い始めたかについては定かではありません。
ただ当時の社会学者や心理学者が、様々な角度から検証を行ったことが分かっています。

 

 

興味がなかったものでも、噂が広がると気になってくるものだ。

 

 

そもそもこのカリギュラという映画自体も、悪目立ちにより話題性が高くなっていました。
この映画を製作総指揮したのが、男性誌ペントハウスを発行するボブグッチョーネという人物です。
カリギュラの半生を描いた作品ですが、

メインはエロと残忍性というB級エログロ作品として話題になりました。
当初は歴史大作として作られていましたが、このグッチョーネ氏の強い要望により、

当初携わっていた脚本家・監督がクビになり、R18指定のエロ作品へと方向変換されていきます。
この監督交代、脚本家交代などがゴシップ紙やニュースで大きく取り上げられたことなども、

多くの人の注目を集め、上映禁止、R18指定などの制限が加わったことでヒットへと繋がります。

単に上映禁止になっただけではなく、色々な意味で悪いものとしてとらえられたことが

人の心理の大きな影響を与えたため、カリギュラ効果という言葉も広く知れることになりました。
グッチョーネが初めから話題性を狙って作ったわけではありませんが、

エロ好きの変わった人物が製作総指揮に関わったことが、

カリギュラの名前を世間に大きく知らしめた、悪名は無名に勝るの代表的な事例と呼べるでしょう。

 

 

 

 

有名な事例

物事を禁止されると逆に興味を持ったり、

やってみたくなる心理的な現象・効果をカリギュラ効果と言います。
世の中には、このような心理的な行動を活用する事例が数多く存在します。
よく知られているのが、スーパーやネットショップなどでも多く見かける

「おひとり様〇個まで」という数を制限したポップや広告です。
商品の種類は多岐に渡っていますが「まとめて買う」ようなものに使われることも少なくありません。
しかし、実際にその文字を見ると、制限の数まで買わないと損をしたような気持ちになり、

余分に購入してしまう人が多くなるという結果が出ています。

 

 

 

 

個数制限がカリギュラ効果を示した例と言えるでしょう。
「心臓の弱い方は見ないでください!」というようなキャッチコピーを、

ホラー映画でよく見かけることでしょう。
怖いと単に言うよりも、「心臓の弱い人は見ないでください」ということで、

とてつもない怖い作品のように感じさせる効果が起きています。
このように煽られると、ホラー映画が好きな人は興味を強くそそられて観たくなる、

というカリギュラ効果が表れています。
他にも、「激辛で、1割の人しか完食できませんでした」と書かれている辛い料理なども挙げられます。

通常の5倍の量の大盛料理で、「30分で完食したら無料、挑戦者求む」

というポップを掲げているお店もよく見かけます。
これには、お腹いっぱい食べられた上に只になるというお得感と、

難しいことに挑戦したくなるという人の心理がプラスされて、

普段あまり大食いでない人までもチャレンジしてしまう効果があります。
利用数が制限されたり、参加人数が制限されたイベントに多くの人が殺到するなど、

私たちの周りには多くのカリギュラ効果が溢れています。

 

 

https://news.mynavi.jp/article/20210313-1748092/

カリギュラ効果って何ですか? 【今さら聞けないマーケティング用語】/マイナビニュース