言葉の響きで判断を下している人はジンクピリチオン効果に気を付けよう

ジンクピリチオン効果とは

難しそうな専門用語とか、日本語とは違う外国語を使った理論を聞くと、なんとなく凄そうとか、良さそうと感じてしまうこともあるでしょう。
ちょっと小難しい専門用語に人は騙されやすい、ということをジンクピリチオン効果と呼びます。

ジンクピリチオンというのは有名なシャンプーに配合されていた成分で、キャッチコピーにもジンクピリチオン配合ということを大々的に宣伝して、ロングランヒットになりました。

  

  

キャッチコピーは売り上げに大きな影響を与える

 

 

しかし実際にジンクピリチオンがどんな成分で、どんな効果があるのかは特に説明はしていませんでした。
それでも名前の響きとインパクトから、「良いものが配合されている」という錯覚を起こし、大ヒットしたのです。
このことから、そのもの自体の性能や効果が分からなくても、名前のインパクトで購買意欲を高めるようなことを、ジンクピリチオン効果と呼ぶようになりました。
実際に効果のないことをキャッチコピーや宣伝で謳うと消費者を騙すことになりますが、単に配合していることだけをアピールするのであれば、何の問題もありません。

消費者側が勝手に良い印象を持ってくれるのであれば、これほど効果のある戦略はないでしょう。
同じことを意味する言葉でも、日本語よりも英語にすると凄いことをやっているように感じるのは、ビジネス用語を想像しても分かりやすいです。
自分が消費者の立場に立ったときは、言葉の響きやインパクトで判断するのではなく、自分でしっかりと調べることも必要です。

 

  

https://toyokeizai.net/articles/-/357378

花王「メリット」がここまで末永く愛される理由/東洋経済

 

 

ジンクピリチオン効果の著者、有名人について

日本のシャンプーのベストセラーとなっているメリットは長年にわたって人気を保持していますが、ジンクピリチオン配合というキャッチフレーズをずっと使っていました。
シャンプーは多くのメーカーから大量のブランド・商品が販売されている中、このジンクピリチオン配合という響きが消費者にインパクトを与えたのは間違いのない事実で、このことからジンクピリチオン効果という言葉が生まれました。
ジンクピリチオン効果を生み出したのは作家の清水義範氏で、論文として発表された中で解説をしています。

 

 

意味よりインパクトでウケる事がある

 

 

「ジンクピリチオンが何であるか、植物か、鉱物か、はたまた動物か液体なのか固体なのか、これを知ることはあなたにとって何の利益もない。
そんなことを知らなくてもこの言葉に耳を傾けるだけでなんだか凄そうと思うことが正しい反応である」と伝えています。
つまり言葉の音感とインパクトを人が感じると、内容を知らなくても印象が強くなることをジンクピリチオン効果と命名しているのです。

この論文は『清水義範パスティーシュ100、インパクトの瞬間』という書籍に掲載されています。
同じような意味を持つ言葉には、コーヒー飲料に使われるあらびきネルドリップ方式や、美容系のアイテムに使われるデュラムセモリナ100%などがあります。
清水義範氏は著名な作家としても知られ多くの小説を発表していますが、エッセイも数多く執筆し、世の中の矛盾や不思議な出来事について検証しており、ジンクピリチオン効果もその一つとして発表したものでした。

 

 

 

 

有名な事例

ジンクピリチオン効果は、メリットシャンプーのキャッチコピーに使われたジンクピリチオン配合というフレーズが人の購買意欲を掻き立てたことから名付けられました。
栄養ドリンクのタウリン1000mg配合、ビール系飲料のプリン体ゼロというのも、同じような言葉と考えて良いでしょう。
これまでにも数多くの事例が存在しています。
人の心理について実験することが目的で、以下のようなアンケートが取られました。

「化学物質のひとつである一酸化二水素という物質があります。
これは水酸のひとつで、常温のときは液体でマイナス0度で氷結を始めます。
無味無臭で冷却剤としても使用されますが、加熱した状態のときに重い火傷を起こす可能性があります。
水道水に多く含まれていますが、この物質に対する規制は日本の水道水基準にはありません。」
そして「この物質は規制するべきか?」という質問に対して、90%以上の人が「規制すべき」と答えました。
この一酸化二水素というのは、別の名称では「H2O」になり、つまりは「水」のことを言います。
このように呼び方を変え、危険性があるように伝えると人は錯覚を起こしてしまうことが分かります。

 

 

言葉の雰囲気だけで怖がる必要はない

 

 

食品や飲料で新商品が登場したときに、それぞれインパクトのあるキャッチフレーズが付けられていますが、なんとなく響きは良いけどよく分からない言葉を使っていることがあります。
例えば、「旨味が引き立つ粋な味わい」、「コクとキレのある旨さ」と言うキャッチがありますが、冷静に読んでみると、「旨味が引き立つ」、「コクとキレがある」と疑問に感じることもあるでしょう。
昨今のコロナ禍における専門用語も、ジンクピリチオン効果に近いものを感じます。
言葉の響きによって自分がイメージすることも悪くはありませんが、ジンクピリチオン効果に踊らされないように冷静な判断をすることも重要です。

 

  

https://www.news-postseven.com/archives/20200325_1550529.html?DETAIL

コロナ関係のカタカナ専門用語は「ジンクピリチオン効果」か/NEWSポスト セブン