日本人からも有名なグロースハッカーがでてくるか?業界の今後はどうなるのか?

日本国内のグロースハッカー有名人

ビジネスで成功を収めるためには、安易な取り組みで結果を残すことは難しいでしょう。
多様化が進んだ現代社会では、高度経済成長期のように、勢いと運で成功できることはほとんどなく、計画性と分析・改善は必要不可欠になっていることが考えられます。
ITの重要性が高まる日本の経済でも、市場のニーズに合わせたフレキシブルな対応ができる企業やサービスが存在感を見せています。
このような状況では、グロースハックの成否が明暗を分けると言っても過言ではありません。

グロースハックのデータ分析・改善で、課題を解決して成功へと導くことを仕事とする人を、最近では業界でグロースハッカーと呼んでいます。
海外ではグロースハッカーとして多くの実績を残す人も増えていますが、日本にグロースハッカーとして名の知れた人は存在するのでしょうか?
現段階で「日本のグロースハッカーと言えば」と問われて、すぐに名前が挙がる人は残念ながらいないと思います。
今後、日本のグロースハッカーの先駆けとして業界を牽引していくと思われる人は、幾人か存在しています。

アメリカではTwitterやDropboxなど、日本でも有名なサービス企業がグロースハックの導入で成功を収め、今後は日本の企業が積極的に取り入れていくことが想像できます。
そんな日本のWeb業界でグロースハッカーとして期待されるのが、ソーシャルゲームのプロデュースを行っている方です。
特にプロデュースするゲームが数多くヒットしている神田卓也氏などは、その一番手となる可能性を秘めています。
ソーシャルゲームでは、ゲームそのもののクオリティはもちろん、知名度及びユーザーの獲得数をアップすることが求められます。
そういった意味でも、ヒット作を多数手がける神田氏などは、グロースハッカーとしての知識・才能を持ち合わせた人として、今後も注目されると推察されます。

日本でも海外の成功事例を基にいろんな手法でサービスの向上を目指している。

国内のグロースハック事例

海外のWebサービス企業に多くの成功事例があるグロースハックですが、日本国内でも実際に導入して成功した事例はいくつもあります。
まず通販サイト大手のフェリシモでは、当初は日本の製造業等で導入されていたPDCAサイクルによる改善を中心に行っていました。
DMのクリエイティブ性、送付方法の改善についてサイクルを回したものの成果を上げることができず、実際にDMを送った休眠顧客の行動データを分析することから、グロースハックしました。

その結果、実際にDMを送ったユーザーはログインしようとしていましたが、パスワードを忘れていたりログインが上手くいかない、という人が多くいることが解かります。
このデータに基づき、パスワードリマインダーを改善し、休眠顧客が再度サイトを訪れやすくなったことで、ユーザー数が約2万人増加するという結果を生み出しました。
国内の成功事例としては、全国展開を見せるガリバーが挙げられますが、店舗に顧客が訪れるための情報の窓口として、Webサイトが重要なツールになっています。
ガリバーでは、ユーザーグラムを利用してユーザーの行動パターンについて、3つの特性を発見しました。

ひとつはサイトを訪れてすぐに相談予約をする人、二つ目は初心者用コンテンツとボディタイプ検索を何度も開く人、三つ目が車種の絞り込みと一覧を何度も開く人という特性が挙げられます。
それぞれの要求に応えるように、サイト内のボタンデザインを変更する改善を行ったところ、店舗へのユーザーの来店数が増加して、顧客のニーズに応じられたという成果を発揮しました。
どちらもユーザーの行動パターンから改善点を見出した、グロースハックの代表的な例と言えるでしょう。

グロースハック業界の今後

2010年にアメリカの起業家により考えられたグロースハックは、日本でも導入する企業が増えていく傾向にあります。
これまで日本の企業では、製造業のメソッドとして取り入れられたPDCAサイクルやOODAサイクルなどを使った改善が一般的でした。
しかしこれらのメソッドは、IT関連のサービスの改善には有効とは言いがたく、アメリカを中心に海外で成果の上がっているグロースハックが、手法として導入される傾向が見られます。
IT関連では、マーケティングが手法としては重要とされてきましたが、グロースハックとの違いはそれほど大きくありません。

マーケティングもグロースハックも、ユーザーのアクセスや行動パターンから改善をする点では同じです。
しかし、マーケティングがアクセス数アップや売り上げ向上のみをゴールとしているのに対して、グロースハックはサービスの改善・商品の改善から企業としてのプロデュース能力を向上させて、企業全体を成長させる大きな役割を担っているでしょう。
海外では、グロースハックに代わる新たな手法が既に模索されていますが、日本では間違いなくサービス改善の手法として、中心的な役割を果たすと考えられます。