Googleの買収により、さらに注目を浴びることとなったYouTube

初期のYoutubeについて

動画投稿サイトとして、パソコンやスマホを利用される方なら一度は閲覧したことがあると思われるYoutubeは、世界各国で欠かすことのできない状態にまでなっています。
Youtubeが誕生した当初は、今のように長時間の動画を投稿することはできず、最長で10分までになっていました。
この時間制限が影響して、初期はミュージックビデオの投稿が大半を占めていたと推察されます。
今のようにセキュリティが万全ではなかった初期には、違法の動画アップロードが横行していました。

画質・音質のレベルは高くはないものの、動画が簡単に共有化できることで世界中に広まっていったと考えられます。
YoutubeはPaypalの社員であったチャード・ハーリーによって、2005年にアメリカのカリフォルニア州で設立されました。
友人にパーティーのビデオを配信することが目的で、ビデオ共有サービスを思いついたことがきっかけだったと言われています。
日本国内での普及も早く、2007年には利用者が1000万人を超えています。

当初のユーザーと最初のコアバリュー

ベンチャーキャピタルが出資する企業として開業したYoutubeは、今では様々な動画を投稿・閲覧するサイトとして知られていますが、当初の目的は少し異なります。
パーティーの動画を共有するために考えられたアイデアを元に生まれた後、企業として設立しましたが、当初はアップロードした動画により男女が出会う機会をサポートするサイトを目指していました。
つまり出会い系サイトの動画版的な形で、ユーザーもそのような出会いを求める男女が主流であったと推察されます。

公的なサービスとして2005年に投稿・配信サービスを開始した頃に、セコイアキャピタルから多額の出資を受け、急激に成長を遂げていったと言われています。
この頃に掲げられた最初のコアバリューは、表現の自由・アクセスの自由が主であったと考えられます。
世界中で簡単に動画がアップロードされ、誰でも閲覧が可能なシステムにすることを重要視して展開したことで多くのユーザーに認められ、世界一の動画投稿サイトへとステップアップしていきました。
Youtubeの動画をブログへ簡単に貼り付けることを可能にしたり、企業や団体がYoutubeチャンネルを簡単に持てるようになったことも、普及に関係しています。
しかし、このように簡単に多くの人と共有できることが、著作権や肖像権の問題へと発展していくことにもなったと考えられます。

コロナ禍のおうち時間で、YouTubeによる運動不足を解消する人が多くうまれた。

ピボットする境界線、転換点

Youtubeが現在のように大きな成功を収めることになるには、いくつかのピボットが存在しています。
まず最初のピボットは設立当初で、データ市場及び出会い系としての市場をターゲットに考えていました。
Youtubeを利用するユーザーが、自らのペット(猫・犬)など動物の動画をアップロードしていたことが利用者間で人気になり、ユーザーが拡大していったと言われています。

このタイミングで、個人チャンネルの設定や動画のアップロードが簡単にできるシステムの充実を図りました。
このピボットが、さらにユーザーを拡大することへと繋がり、世界規模のサイトへとステップアップしたと推察されます。
もう一つのピボットは、動画投稿サイトとして世界中に注目されるようになったタイミングで、Googleに買収されたことです。
GoogleのノウハウがYoutubeに活かされ、現在は押しも押されぬ世界一の動画サイトとなっています。

なぜそのピボットに気づいたのか、何のデータが元なのか

Youtubeは、当初10分以上の動画を投稿することができず、音楽動画がメインとなっていました。
もちろん音楽動画により人気は拡大し、ユーザーが拡大していったことは事実ですが、音楽のみに特化したままであれば、今のような規模にはなっていなかったでしょう。
ミュージシャンのプロモーションビデオの閲覧にYoutubeは有効ですが、一般の人が簡単に投稿できることの方が利用価値が高いことに気づいたことが、規模の拡大に影響したのでしょう。
さらには、動物の癒し系動画の閲覧数が音楽動画よりも多いというデータが元に、ピボットしたとも考えられます。

もう一つのピボットであるGoogleの買収は、Youtubeにとって大きな課題となっていたサーバー回線のコストの対策を行いました。
Googleの資本により回線コストの問題は解決し、Google傘下にありながらもブランドとしての独立性を維持し、Googleの動画サービスとの連携によって、さらにユーザーを増やすことに成功したと言われています。
創設から僅か2年あまりで大きな転換を迎えましたが、この二つのピボットが成功に導いたと考えられます。

その後のグロース

2007年以降もYoutubeは利用者の拡大が続き、日本国内でも利用者数が1000万人をあっという間に超え、現在でも約半数が閲覧していると推測されています。
2010年には、Youtube動画の視聴回数が1日で20億回以上になるなど、世界中で動画を視聴されていることが分かるようになってきました。

そして同年には、YoutubeLIVEのサービスがスタートします。
このYoutubeLIVEはライブストリーミング機能があり、特定のコンテンツの無料ストリーム配信を行うことも可能です。
年々視聴回数が上昇し、現在は1日40億回を超える視聴回数を記録するまでになっています。
今後は著作権・肖像権の問題を、クリーンにしていくことが拡大につながっていくことでしょう。