日本郵政グループの上場 1987年のNTT以来の大型上場 今後どうなるのか

あの郵便局が上場する

2015年、日本郵政グループのゆうちょ銀行・かんぽ生命保険・日本郵政の3社が上場します。
数年前に民営化されてから、大きな転機を迎えることになります。
これまで、NTTやJRグループなど、民営化以降上場している会社があり、今回の郵政3社の上場はまさしく経済や金融に大きな影響を与えることが予想されます。
IPOの申し込みは始まっており、各社の売り出し価格はゆうちょ銀行が1,450円、かんぽ生命保険が2,200円、日本郵政が1,400円となっています。
郵政3社は11月4日に同時上場する予定で、各社とも初値が気になるところです。
IPOの抽選に申し込んだ方は大変多くなっているようで、ゆうちょ銀行が売り出し株数の5倍、かんぽ生命保険が10倍の申し込みがあったようです。

 

ゆうちょ銀行とかんぽ生命保険の特徴

ゆうちょ銀行の預金残高は約177兆円あり、三菱東京UFJ銀行(124兆円)よりも大きなものとなっています。
これまで政府が株式を保有していたこともあって、他の銀行との競争があまりできませんでした。
もし上場すれば、これまでできなかった貸し出し業務ができるかもしれません。
政府保有分を0%にできる限り近くしていくことで、他の銀行と競争できるようにしていくことが今回の上場の狙いとも考えられます。
一方でかんぽ生命保険は、日本郵政グループ内で生命保険の提供をしています。
2015年度の保険料収入は、他の保険会社を上回り国内1位となっています。
業界再編の動きもあり今回の上場もあることで、今後の生命保険業界に注目が集まると推測できます。

 

NTTの上場と比べてみると

日本郵政グループの上場は、1987年のNTT以来の大型上場だと言われています。
日本郵政グループは民営化するも、全株式を政府が保有していたので実質的な国有企業であったことは間違いありません。
それが今回、政府が株式を手放し上場することで、正真正銘の民間企業として活動できるようになります。
今回の上場では、一般的な株式会社の上場では主幹事と呼ばれる証券会社が1~2社程度なのに対し、日本郵政グループの場合は11社程度が選ばれています。
ここで、よく比較されるNTTの場合を例に見てみましょう。
NTTの公開価格は当時1株119.7万円で、その後人気が高まり初値が160万円になりました。
以降、株価が上昇し続け2ヶ月後には312万円となり、初値の2倍近くになりました。
日本郵政グループもNTTと同様に、株式市場が活性化するのではと予想され、多くの投資家の注目を浴びています。