新規上場の抑えておきたいメリットとデメリットを把握しておきましょう

IPOに重要な安定株主

株式会社が規模を拡大していく上で、株式上場は欠かすことのできない重要な施策の一つです。
IPOにより上場の準備を進めていく中には重要な項目がいくつかあり、安定株主も必要不可欠なポイントと考えられます。
株式会社では、取締役の選任や解任など経営にかかわる重要な事項に関しては、株主総会により決議されます。

株主には議決権を行使する権限がありますが、企業が安定的に経営を継続していくためには、議決権を一定数確保しておく必要があります。
安定株主対策とは、安定的に経営を継続するために必要な株主を確保するための対策で、十分に取れていないと安定運営が困難になる可能性があると推察できます。
もちろん経営者のみで一定数を確保できればそれに越したことはありませんが、困難な場合は運営方針・考え方に同意してくれる株主を確保することが必要でしょう。

このように安定経営を長期的に行うことに欠かせない存在の株主を、安定株主と呼んでいます。
上場前でも資金の調達や新事業の展開などの場合に安定株主は欠かせませんが、上場した場合には、多くの新しい株主が誕生することになるため、より多くの安定株主を確保することが求められます。
安定株主対策は、企業の発展・拡大の中では最重要テーマと考えても良いと言われています。

新規上場することで莫大な利益を得られることがある

 

IPOに重要なストックオプション

上場企業では、役員は自社の株式を一定数持ち、役員報酬を得ることができます。
IPOにおいて、この役員報酬や自社の持ち株を有効に活用することが、重要なポイントだと考えられます。
役員報酬・自社株式の活用のことを、業界ではストックオプションと呼んでいます。
ストックオプションとは具体的には、企業側が役員・従業員に自社株を購入する権利をインセンティブとして与えることを指しています。

このストップオプションの権利を有していると、会社の株式を株式市場での相場とは関係なく、決められた価格で購入することが可能になります。
つまり会社の業績が大幅に向上して、株価が仮にストックオプションを決めた価格の倍の金額に跳ね上がっていたとしても、この権利を行使すれば、半分の価格で株式を購入することができ、大きな利益が生まれると考えられます。
もちろん業績が悪化して、株価がストックオプションで定められた金額よりも下がったときは行使しなくても良いので、有利な条件での売買が可能になる権利ということになります。

ただし、ストックオプションを行使して株式を売買した際には、売却益に対する譲渡所得税以外に、権利行使額を上回った利益分に対して課税される場合もあることを、理解しておく必要があります。
権利を行使したときに、売却益の課税に上回った利益分を繰り延べることができる税制適格型ストックオプションというものがあり、こちらを活用する方法が有効だと考えられます。

https://www.smbc-card.com/hojin/magazine/bizi-dora/finance/stockoption.jsp

ストックオプションとは?仕組みやメリットなど経営者のための基礎知識/ビジドラ
新規上場はとても楽しみなことである

 

IPOに重要な創業者利潤

IPOを行い証券取引所に上場することには、多くの株主を募り、資金を潤沢にする効果があると共に、会社を買収される危険性も同時に発生します。
もちろん上場することによるメリットがなければ、株式上場する企業は生まれないわけで、大きなメリットを生み出す可能性があります。
創業者利潤もIPOを行う大きなメリットの一つで、得られる利益については、そのタイミングによって分類されています。
最初は上場前の株式売却によるもので、上場後の会社運営を見据えた安定株主作り目的、または従業員・役員のインセンティブ目的で株式を売却するなどがあります。

次に株式市場上場時におけるものとして、上場時の株式売却と株式の売り出しの二つがあります。
上場時の売り出しは、上場後の株式売却がインサイダー取引と繋がる可能性があるため、上場時に売り出しを選ぶ創業者が多くなると推察されます。
マーケットの動向や安定株主比率などを考えたうえで、売り出し株数を判断します。

最後の上場時売却は、通常の売却ではインサイダー取引規制に抵触する可能性があるため、株主を増やす目的の立会外分売や指定売り出しなどの売却方法を選択する必要があります。
企業の資本政策の一環として、株式売却により創業者利潤を獲得することは基本ですが、その方法やタイミングを誤らないようにすることが重要です。

上場にはメリットとデメリットがある

 

IPOに重要な三様監査

IPOを申請する場合に、いくつかの監査や審査を受けることになりますが、監査では三様監査が重要になるでしょう。
三様監査とは、一般的に会計監査人による監査、内部の監査部署等による内部監査、監査役による監査の三つを総称して呼んでいます。
会計監査人とは、会社法で定められている会社を監査する機関で、主に会社内の経理全般を監査する役割を持っています。

会社から委任されて業務を遂行する機関で、損害賠償責任も負っています。
監査役も会社法で定められた会社を監査する機関で、主に取締役が職務を正しく遂行しているかどうかを監査する役割を持っています。
監査役が任務を忠実に果たさず会社に損害を生じさせた場合は、損害賠償請求の対象になります。
内部監査部署は、その名前通り会社内で組織として作られたもので、会社内の業務の遂行状況や運用ルールなどが守られているかをチェックする部署です。

法的に定められた部署ではないため、損害賠償請求の対象とは考えられていません。
内部監査では、社員側の職務を監査することが主で、取締役の指揮下にある場合が大半で取締役を監査することはほぼありません。
IPOにおいては、監査役の監査結果が重要なポイントとなることでしょう。

経理に関するチェックは特に重要である