VC関連用語おさらい5選

1.バリエーションとは

昔の日本では製造業が花形と呼ばれ、世界から認められたメイドインJAPANの製造メーカーがもてはやされて、現在の日本経済の礎を築きました。
しかし現在は、製造業全体が人件費の安い中国や東南アジアの企業に押され、低迷期を迎えています。

そのためIT関連のベンチャー企業が経済の中心となりつつありますが、ベンチャー企業が発展を遂げるためにはベンチャーキャピタルの存在が不可欠となっています。

ベンチャーキャピタル(VC)関連の業界では専門の用語がいくつもあり、その意味を理解しておく必要があると考えられます。

ベンチャー企業のバリエーションとしては、企業買収(M&A)や事業の継承など時のプロセスを指す言葉で、大変重要な意味合いを持っています。
バリエーションとは、日本語で企業価値評価を意味します。
つまり会社の企業価値を評価することで、ベンチャーキャピタルがベンチャー企業へ出資する時の指針になる、と考えられます。

評価されるのは企業価値・事業価値・株式価値の3つで、その企業の進める事業に長期的な価値があるか、事業以外の資産を含めて企業に価値があるか、投資をする価値があるかを評価し、試算することも意味しています。

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2.バリエーションの手法の種類


このバリエーションの手法は一つではなく、一般的に3つの方法があると言われています。
それぞれを状況に応じて使い分けたり、同時に使うなど様々なケースがあると考えられますが、メリットとデメリットを理解しながら使い分けることがベストです。

「インカムアプローチ」という方法は、出資対象の会社が将来的に獲得するキャッシュフローを想定し、企業としての価値を評価するものです。
将来性を価値として換算し評価するこの方法では、綿密な事業計画がないと評価が難しい、というデメリットがあります。

「コストアプローチ」はストックアプローチとも呼ばれますが、出資する企業の資産から価値を評価する方法です。
帳簿資産の合計を資産価値として評価する簿価純資産法と時間で資産価値を評価し、負債になる分を惹く時価純資産法の2つの方法で評価されるかと思われます。
簡単で評価がスピーディーに行われるというメリットがありますが、帳簿上で算定するため実際の資産との誤差が大きくなるデメリットがあります。

「マーケットアプローチ」は、市場での価値を元にして評価を行う方法です。
現状での株価から評価する市場株価法と、同等レベルの企業の経営指標を参考として評価する類似取引比較法の2つで評価をします。

3.NPVとは

NPVとはベンチャーキャピタルが出資をする企業、または事業のキャッシュフローの実際の価値を総和したものを呼んでいます。
NPVの数値が大きければ大きいほどその価値が高くなり、条件の違う投資案件でも簡単に比較することが可能と思われます。

NPVでは正味のキャッシュフローの価値が分かるため、資金調達の状況や会計方針とは関係なく、比較をすることが可能となります。
NPVを算出する方法としては、年度ごとのフリーキャッシュフローやプロジェクトの年数、WACCを用いた割引率の3つが必要、と考えられます。
リスクも反映されて、より正確な評価を可能にしています。

評価指標の一つとして、数多くのベンチャーキャピタルが活用していると思われます。

4.マルチプル法

マルチプル法は企業価値を評価する手法になり、類似事業を運営している複数の企業との比較により、評価対象の企業価値を推定する方法です。
ピックアップした類似事業の株価と売上高から、主要な指標の何倍もの事業価値があるかを判断し算出して、平均値から出資企業と比較を行い企業価値を算定することが可能です。


DCF法などと比べて客観性が比較的高く、恣意性が低い方法としてたくさんの企業が使用しています。
また計算方式が簡単で、コストの面からもメリットがある方法かと思われます。
整合性も高く、最も優れた手法と考えられています。

5.DCF法

DCF法についてですが、この方法も企業価値を評価する手法になり、将来獲得できるであろうキャッシュフローの現在価値を、資産として評価を行います。
ディスカウントキャッシュフロー法というのが、正式な名称となります。
投資業界では最も合理的な企業評価の方法と言われることが多く、様々な資産(不動産・株式・有価証券等)の評価手法として利用されています。

しかし将来のキャッシュフローの見積もりから、何かの割引率を使って計算する方法が少し強引すぎるのではないか、と考えられることも多いようです。
実際にも事業計画の変更によっては、算出される数値の誤差が大きくなる危険性をはらんでいるデメリットも考えられます。

そのため現在では、マルチプル法など別の評価方法との併用をする企業が多い、という現状があると想像できます。

企業の価値を評価する際に、その状況や企業の形態に合わせていくつかの方法を組み合わせて評価することが必要、と考えられます。