海外EC「ラザダ」(タイ)に学ぶ東南アジアのやり方
タイ・ラザダとは
ラザダ(Lazada)とは、ドイツのベンチャーキャピタルであるロケット・インターネットによって2012年に創立されたEC会社です。
東南アジアではまだまだ発展途上のECサイト業界にいち早く参入すべく設立された同社ですが、起業より3年の間にタイ・マレーシア・フィリピン・ベトナム・インドネシア・シンガポールといった東南アジアの主要6カ国に事業を展開し、一気に業績を伸ばしました。
具体的には、その業績は年間で総商品価値は10億を越え、一ヶ月のサイト利用者は6000万人にも上ると言われています。
ラザダの強み
ラザダの強みはその商品数の豊富さにあり、電化製品・美容関連商品・おもちゃ・スポーツ用品・被服と言った大型ショッピングモールの様相を呈しています。
経営戦略としてあらゆる媒体を通した情報発信に重点を置いており、特にモバイルサイトの充実は他の追随を許していません。
未だECサイト業界が未開発な東南アジア圏煮着手するにあたり、ひけの姿勢ではなく攻めの姿勢で展開して行くために、近隣諸国におけるそれぞれ言語に対応したサイトを公開し、検索やSMなおローカライズしたサービスを提供しています。
このことは、驚異的に飛躍した業績と月間プレビュー数に反映されていると言え、これからますますの発展が予測されています。
ラザダのこれからとタイでの発展
しかし、上記のような発展を遂げて来たラザダですが、2016年に入り中国のECサイト業界で最大手と言われているアリババ・グループに買収されることが決定しました。
その買収額は10億円を超えており、アリババ史上最高額な出資であるにも関わらずその決断に至ったのは、タイを始めとする東南アジアのマーケット市場が魅力的だったからだと推察されます。
マーケットの規模を考えた時、その人口は5億6000万人にも及び、今後の経営戦略に寄ってはますます業績が伸びて行くと考えられます。
2014年におけるラザダの売上高は約167億円でしたが、純損失は約165億円となっています。
これだけを見ると、今回の買収額はラザダの赤字率を鑑みるにマイナス要素も大きいと考えることが出来ますが、その一方でECサイト市場における総取引額は2014年において昨対比3倍以上と増えています。
以上により、東南アジアで強大な力を誇っているアリババの傘下に入ることはラザダにとっても経営戦略として大きな力になると予測されています。
これから競争が激化していくと予想されるタイを含む東南アジアですが、めまぐるしく発展する事業展開や豊富で真新しい商品には、早期顧客の囲い込みのチャンスが十分にあると考えられ、ラザダのますますの発展が予想されます。