今更聞けない!?SDGsの読み方は?どんな内容なの?
SDGsとは
私たちが住む日本は戦後に大きな経済的な成長・発展を遂げ、世界で有数の経済大国となりました。
しかし世界には、まだ開発が遅れて貧困に苦しむ国がたくさんあります。
国連ではこのような国を減らすために、世界各国が協力して様々な取り組み・活動を行っています。
数々の活動の中で、今後はより重要なプロジェクトになると推察される、SDGsというものがあります。
SDGsは、持続可能な開発目標を略した言葉で、正式な発音では「エスディージーズ」と読みます。
2015年9月に国連のサミットで取り上げられ、採択されました。
2016~2030年までに達成すべき項目を目標として掲げたもので、この15年で達成のために様々な取り組みが行われています。
SDGsに掲げられた目標は全部で17あり、貧困や戦争をなくす平和の世界を作るための目標が掲げられています。
①「貧困をなくす」あらゆる地域・国の様々な貧困形態をゼロにする
②「飢餓ゼロ」食料の安定確保、持続可能な農業の推進
③「すべての人に健康・福祉を」健康的な生活と福祉の推進
④「質の高い教育をすべての人に」公平で質の高い教育の平等性
⑤「ジェンダー平等の実現」性的な差別をなくし女性の社会進出向上
⑥「安全な飲料水の確保」衛生的な水を世界に
この6つは中でも代表的ですが、貧困・飢餓、水、健康・教育という、人が生きていくために最低限必要なものを支援することを主にしていることが想像できます。
開発途上国を世界の国で支援しよう、という壮大なプロジェクトと言えるでしょう。
この他にもクリーンエネルギーの確保、国・人による差別・不平等をなくす、人が住みやすい街づくり、働き甲斐のある国づくり、産業・技術革新により豊かな国の基盤づくりなど、エネルギー・経済成長の戦略までが取り入れられています。
さらには、地球温暖化による気候変動に対する様々な取り組みも、項目に掲げられています。
SDGsの歴史
SDGs(持続可能な開発目標)は、国連で2015年に採択をされて活動がスタートしました。
17の項目と169にも及ぶターゲットで構成され、多くの専門家によって協議を重ね、この壮大なプロジェクトは起ち上げられました。
実際に活動がスタートしたのは2015年の9月ですが、この活動の元は、以前から長く取り組まれてきました。
17の掲げられた項目はどれも目新しいものではありませんが、万国共通の重要事項として認識されるものばかりです。
SDGsの前身はMDGsと呼ばれ、2000年に起ち上げられたプロジェクトですが、ここに至るまでの歴史は大変なことだったでしょう。
発展途上国の経済成長に対する取り組みが、MDGs・SDGsに至るスタート地点だと考えられます。
1960年に国連開発の10年として、途上国の経済成長率を5%アップさせるというものから始まりました。
道路整備・電源の開発・輸送網の確立といった、インフラの整備を中心とした支援活動を行っていました。
1970年には次の国連開発の10年として、途上国の経済成長率を今度は6%アップさせる取り組みを行うこととなっています。
ここでは先進国のODAを引き上げ、途上国に資金を援助する方法を行っていましたが、資本主義と社会主義が反発する東西冷戦の時代で、思うような効果は上げられなかったと推察されます。
1980年に次の国連開発の10年として、1990年に次の国連開発10年として、国際社会の平和と安定をスローガンに、先進国が発展途上国を支援する取り組みが活発になりました。
この頃には、ソ連の崩壊によって東西冷戦構造が解消されていたことで、取り組みの結果が見えてくるようになったと言われています。
そして2000年に、SDGsの前身であるMDGs(ミレニアム開発目標)が起ち上げられることになります。
SDGsの有名な事例、取り組み
国連が主導して貧困をなくした平和な世界を作るための取り組みとしてスタートしたSDGsは、現在も行われているプロジェクトですが、その状況は進んでいるとは言えません。
達成率はやはり先進国ほど高く、発展途上国が未達成の項目が多いという現状は変わることがなく、アフリカの国々は特に進捗状況が芳しいものではない、と推察されます。
SDGsの中で有名な事例と取り組みについてですが、日本では民間企業が積極的に参入し、様々な取り組みへ主体的に参加をしています。
SDGsの啓発・普及活動の一環として、ピコ太郎が様々なイベントでSDGsの替え歌を披露するなどして、一般の方への認識を高める取り組みが行われています。
経団連もSDGsの事例集や特設サイトを起ち上げ、民間企業での推進をサポートしています。
岡山大学では、社会貢献活動・研究・教育をSDGsの中心に考え、大学でのSDGs取り組みに関する資料をまとめ翻訳したものを、同大学のHPで公開するといった取り組みが実施されています。
貧困をなくす取り組み事例としては、クボタが世界各国の農業課題に対応した農業機械の提供、セコムはセコムドローンによる鹿食害対策を開始、三井化学グループは食料の安定供給やマラリア感染予防の活動を行うなど、日本の企業は幅広く貢献しています。
エネルギーの分野では、住友化学がリチウムイオン二次電池の高容量設計により電気自動車の普及や発展に貢献し、フジタはミャンマーでもみ殻を燃料とする発電事業を行い電力不足解消の取り組みを行っています。
三菱日立パワーシステムは、CO2を排出しないクリーンエネルギーの水素100%のガスタービンの開発を行うなど、こちらの分野でも多くの日本の企業がSDGsに大きく貢献をしています。
この他にも、17の項目すべてで日本の企業が積極的に活動し、多くの成果を上げていることでしょう。