食べづらさなどから魚離れと言われる時代、技術力で業界と我々の食生活を支えているあの会社。

大冷について

様々な食品や食材を好きな時に食べることができる冷凍食品は、忙しい人にとって便利なものですが、食品ロスの軽減にも繋がるものとして価値が高くなっています。
株式会社大冷は、骨なし魚シリーズのヒットにより業務用冷凍食品の開発・販売メーカーとして実績を上げています。

創業は1972年で東京都中央区に設立、創業時の資本金は200万円でした。

1975年に宮城県仙台市に仙台営業所を、大阪府大阪市に大阪営業所を同時期に開設、翌1976年には愛知県名古屋市に名古屋営業所を開設しています。
その後も1970年代後半に福岡、鹿児島に営業所を開設、1980年代には広島、北海道に営業所、高松に四国支所を開設するなど、全国に事業を拡大していきました。
1990年代に入ると四国出張所を営業所に拡張後、千葉県館山市に新工場を設立・稼働し生産力の向上を図ります。

 

 

冷凍骨抜き魚身加工方法の特許を取得した。

 

 

2007年に現在の主力商品となる冷凍骨抜き魚身の加工方法の特許を取得、翌年に加熱処理した魚の製造方法の特許も取得しました。
2009年に館山の工場を委託にした後、湯銭・蒸し調理用魚介類包装冷凍食品の製造方法などの特許を取得、これまでに取得した特許と併せて高い品質確保に努めています。
事業の効率化を進めるために2013年以降、営業所の統合などを行った後、2014年に満を持して東証二部に上場、2016年には東証一部指定にも認定されました。
東証の市場区分変更に伴い2022年以降は、東証スタンダード市場に移行し現在に至っています。

 

 

https://www.dai-rei.co.jp/

TOP/株式会社大冷

 

 

大冷の事業内容

業務用の冷凍魚、魚介類全般の加工食品の生産・販売を行っている株式会社大冷は、骨なし冷凍魚を主に提供する企業です。
様々な冷凍水産加工品を生産・販売していますが、骨なし魚製品は病院や老人健康施設、介護・医療・福祉施設の介護弁当や介護食に活用されています。
魚はカルシウムなど栄養素も豊富な食材ですが、食べるときに骨があると食べづらいため、食べることに抵抗を感じる人が多い傾向にあります。

子供たちの魚離れが深刻だというニュースが報道されることもあり、骨なしの加工魚を提供することは重要となっています。
大冷では生産拠点・鮮度管理・品質管理・解凍方法、この四つのこだわりを持って骨なし魚の製品提供に努めています。

 

 

骨なし加工魚は料理する側にも食べる側にもメリットが多い。

 

 
生産拠点は国内3ヶ所、中国に4ヶ所とベトナムでノウハウを共有し、生産を行っています。
美味しい魚を提供するために新鮮な原料にこだわって、生産工程での温度管理を徹底、独自の鮮度基準で管理、鮮度は抜群です。

鮮度管理と共に品質管理にも重点を置いており、海外の生産拠点でも日本の法律に準じた指導を実施、安全・安心な商品作りを行っています。
中国の工場でも日本人の管理者は常に駐在し、管理は徹底されています。
解凍方法にまで大冷では強いこだわりを持ち、同社が提供する楽らくクックシリーズは凍ったまま調理することが可能です。
骨なし魚製品で培った技術とノウハウで他の冷凍食材の品質も高く業界を引っ張っていく存在となっています。

 

 

https://www.dai-rei.co.jp/products/

商品紹介/株式会社大冷

 

 

大冷の初値と評価

骨をすべて取った骨なし魚製品で、大きく業績を伸ばし業務用冷凍食品の優良企業となった株式会社大冷は、設立から約40年の2014年に東証二部に上場を果たしました。
上場時の公開価格は1800円で、公開株数は1725000株、公募株数は700000株でした。
売買単位は100株で公開後の初値は1680円と公開価格を約7%下回る残念なスタートとなっています。

 

 

スタートは残念な結果となった。

 

 
株式公開により調達した資金は主力商品の骨なし魚の原材料の安定確保、調達に必要な資金、製造委託先に対しての買付資金貸付などに充当する予定としています。

 

 

https://minkabu.jp/stock/2883

大冷/MINKABU

 

 

大冷の事件

介護施設や老人ホーム、医療機関などの介護食に多く活用されている骨なし魚商品の提供で実績を上げている株式会社大冷は半世紀に渡って魚介の冷凍加工食品の生産・販売を手掛けてきた業界のパイオニア的な存在です。
業績を順調に伸ばしていますが、法に触れる不祥事を起こした事例が報告されています。
2018年に公正取引委員会が調査を行ったところ、大冷が製造を委託している業者に対して支払う代金を不当に減額し、損害を与えたとして再発防止を勧告しています。

 

 

実績を上げていたのだが、、、。

 

 

不当な減額は下請け法違反に当たり、43の委託業者に対し約4億7000万円の支払いを命じました。
その方法は、品質管理指導料という名目で振り込ませる形で約1年半の期間に渡って行われています。
大冷に対して公正取引委員会は、下請法の規定に違反する行為を今後行わないよう、発注担当者に下請法の研修を行うなどして再発防止の措置を講じること、自社の役員・従業員に今回の事象について周知徹底すること、措置・対策を行った旨を公正取引委員会に報告することも同時に勧告しています。

 

 

https://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/h30/mar/180330.html

(平成30年3月30日)株式会社大冷に対する勧告について/公正取引委員会

 

 

大冷のその後

業務用冷凍魚介製品の大手企業として知られる株式会社大冷は、骨なし魚の製品の質の高さで評価される企業です。
業務委託を行っている下請け業者に対する支払いの不当な減額という法律違反が経済誌にも掲載され、企業イメージを大きく低下することとなりました。
失墜した信頼を取り戻すには、企業としてのモラルの向上、風土の改善などが求められますが、2018年の不祥事発覚以降は大きなトラブルや不祥事は確認されていません。
大冷の企業理念には安全と安心を優先、顧客に満足と感動を提供する、食文化の未来に発展する提案と社会への貢献などの言葉があります。

 

 

日本人の食事バランス向上の為にも頑張ってもらいたい。

 

 

時代の変化により食文化にも変化があり、日本人の食も昭和の時代とは大きな異なりを見せています。
少子高齢化が進んだ社会では介護や医療に関する問題が山積みとなっていますが、大冷が提供する骨なしは需要の拡大が予想される主力の商品となっています。
半世紀に渡り加工魚介製品を生産してきた経験とノウハウを活用した高品質な商品を提供することが、社会への貢献に繋がります。
新たな商品の研究・開発も行っており、今後さらにクオリティの高い商品を生み出すことが期待されています。