【特集】近くて近い「韓国の最新 ベンチャー企業」 ②ウーワ・ブラザーズ

ウーワ・ブラザーズとは

ウーワ・ブラザーズは韓国を中心に事業を展開しているIT企業です。
フードデリバリーサービスを展開しています。
デリバリーは専用のアプリ「配達の民族」でできるようになっています。

ウーワ・ブラザーズのアジア市場進出

ウーワ・ブラザーズは海外の企業から投資を受けています。
2014年3月には、日本のサイバーエージェントの子会社であるサイバーエージェント・ベンチャーズから投資を受けています。
同じ年にアメリカのゴールドマン・サックスから400億ウォンを調達しています。
これらの投資をもとに、日本や東南アジアへのサービス拡大を進めようとしています。
韓国では出前・デリバリーの文化が進んでいます。
利用者は近くのお店に注文できる専用のアプリを使用します。
その中でも特に利用が多いのが「配達の民族」で、スマートフォンから注文を多く受けています。

配達の民族とはどんなアプリなのか

配達の民族は2010年にサービスの提供を開始しました。
韓国での市場シェアは6割以上を占めています。
1,000万件以上のダウンロード数を誇り、毎月400万件以上の注文を受けます。
シェア2位の注文アプリとは首位の攻防を繰り広げていて、競争が激しくなっています。
2位のヨギヨは配達の民族に追いつこうとテレビCMを流しますが、配達の民族もテレビCMに資金を投入するので、広告でも競争が激しくなっています。
ビジネスモデルは、アプリに掲載する飲食店から月額登録料と注文ごとの手数料を受け取ります。
検索では人気店がトップに表示されるので、あまり人気のない飲食店は場合によっては廃業に追い込まれることもあります。
利用者の出前料金の支払いは、アプリのバックエンドで全て処理できます。
一度支払い方法を決めたら、後は何も考えずに使用すればいいのです。

日本での事業の展開

2014年10月に、LINEの事業戦略発表会にて「LINE Bros.株式会社」の設立を発表しました。
ウーワ・ブラザーズとLINEの共同出資で、「LINE Wow」というデリバリーサービスを展開するというものでした。
専用のアプリがリリースされ、東京の飲食店での注文の受け付けができるようになりました。
ウーワ・ブラザーズにとっては、日本のLINEユーザー5,000万人以上とつながるルートを得られることになります。
日本に進出したのは、LINEが韓国のインターネット大手のネイバーの子会社であることがあります。
同じ韓国企業という関係があることで、日本を海外進出の足掛かりにすることができたのです。
今回のことで、その他のアジア諸国に進出することも視野に入れられます。