地球環境に配慮した取り組みが業界内でも群を抜いている工業会社。

東京ボード工業について

近年は日本国内はもとより世界中でSDGsの取組が活発になっていますが、東京ボード工業株式会社は木質廃棄物を加工したパーティクルボードを製造する企業でその取り組みが高く評価されています。
昭和22年に前身となる山陰ベニヤ工業が創業されました。

その後、昭和52年に山陰ベニヤ工業と大洋ブライウッドが合併、江東ブライウッド株式会社となり、さらに昭和58年江東ブライウッドを含む4社が合併し、東京ボード工業株式会社が誕生しています。
昭和59年、江東区にパーティクルボードの製造工場を完成、生産を開始しました。
平成2年にパーティクルボードのJIS表示許可を取得します。
翌年にパーティクルボードの主原料を合板・製材工場の廃材依存から脱却、東京都内の建築工事現場で発生する木質廃棄物を主原料とする形へと転換を図ります。
同年にリサイクル部を設立し産業廃棄物処理業、一般廃棄物処理業の2つの許可を取得しました。

 

 

SDGsへの取り組みが高く評価されている。

 

 

平成6年には宮城県石巻市に植林剤専門の石巻工場を新設しています。
平成11年にパーティクルボード工場をリサイクル工場に名称を変更、竹中工務店、戸田建設と木質資源リサイクル推進協定書を交わし、建設現場でのゼロミッションに向けての取り組みが始まりました。
同年末には清水建設と翌年には間組、長谷工コーポレーション、高松建設と木質資源リサイクル推進協定書を交わし、大手建設業者とタッグを組み推進を強化しています。
その後も安藤建設、鹿島建設、前田建設、東急建設の各支店、本部とも協定書を交わしたほか、チップ工場も設立しました。
ISO14001の取得などを経て平成26年に東証二部に上場を果たしています。
平成29年には千葉県佐倉市にパーティクルボード製造の第2工場が稼働、生産能力の向上を図り、現在に至ります。

 

 

https://www.t-b-i.co.jp/

TOP/東京ボード工業株式会社

 

 

東京ボード工業の事業内容

廃棄物の削減・リサイクルで環境への負荷を軽減する取り組みを事業に取り入れている東京ボード工業株式会社は、木質廃棄物を有効に活用したパーティクルボードの製造で業績を上げている会社です。
木材のマテリアルリサイクルを実践する企業として業界から注目されていますが、現在生産するボードはほぼ100%木質廃棄物が原材料となっています。
カスケード型リサイクルの考え方でマテリアルリサイクルを行っていますが、木材のリサイクルでは廃棄物を焼却し熱エネルギーとして利用するサーマルリサイクルと廃棄物を原材料とする製品製造のマテリアルリサイクルが主流です。

 

 

地球環境

 

 

樹木が長い年月をかけて吸収した二酸化炭素を一瞬で放出してしまうサーマルリサイクルに対して、マテリアルリサイクルでは二酸化炭素を大気中に放出することがなく、環境への負荷を大きく低減する効果を生み出しています。
東京ボード工業がパーティクルボードを生産し続けることにより、木質廃棄物を環境に影響を与えずにリサイクルすることが可能です。
木質廃棄物を無駄なくパーティクルボードにするため、ボード製造工場と木材チップを生産する工場の二つを同社は有しています。

埼玉の工場ではボードの原材料となる木材チップを生産、大半をパーティクルボード製造の原料にしていますが、一部のチップはバイオマス発電用としても活用されるなど無駄にはしていません。
新木場のリサイクル工場ではパーティクルボードの生産を行っていますが、工場のライン内から工場外に一度も出ることなくボードへと生まれ変わる安心・安全なリサイクルが行われています。
製造されたパーティクルボードは建築現場へと配送され、その現場で排出された木質廃棄物を回収する形は納品と回収が同時に行われるため、運搬効率が向上するとともに二酸化炭素の排出を抑制する効果もあります。
この取り組みが産業廃棄物連合会から高く評価され、連合会長賞を受賞しています。

 

 

https://www.t-b-i.co.jp/recycle.html

リサイクル/東京ボード工業株式会社

 

  

東京ボード工業の初値と評価

廃棄木材を活用した建築用ボードの製造・販売を行っている東京ボード工業株式会社は、2014年に東証2部に上場しています。
上場時の公開価格は2180円で公開株数は52万株、公募株数は10万株でした。

 

 

上場のスタートは少し残念な結果となった。

 
売買単位は100株で売出株数は42万株、初値は2005円で公開価格を約8%下回るやや残念な結果となっています。
株式公開によって得た資金は、木材環境ソリューション事業への設備投資としてリサイクリング工場の木材チップ貯蔵サイロ増設及び借入金の返済等に充てられる予定です。

 

 

https://minkabu.jp/stock/7815

東京ボード工業/MINKABU

 

 

東京ボード工業の事件

日本初の木質廃棄物を直接処理したパーティクルボード製造を可能にし、業界のパイオニアとして知られる東京ボード工業株式会社はマンション用床下地材や文教施設に使用されるパーティかるボードを主力製品として製造しています。
創業は太平洋戦争の2年後で長い歴史を持っていますが、大きな不祥事は起こしていませんでしたが、2022年末に千葉県佐倉市の佐倉工場が設備トラブルにより稼働休止になりました。

 

 

大きな火災にならなかったのは救いだ。

 

 
チップの感想設備で断続的に温度異常が発生、設備を停止し点検・調査を行ったところ、低温発火によって内部焼損が発生していることが分かりました。
事前に発覚したため大規模な工場火災には繋がりませんでしたが、長期的な稼働停止となり生産に大きな影響を与えています。
この操業停止の影響も少なからずあったのか、2022年度に続き2023年4~9月期も最終損益が赤字となっていることも経済誌で話題になりました。

 

 

https://www.nikkei.com/nkd/disclosure/tdnr/20230112588539/

チップ乾燥設備故障による佐倉工場休止について/日本経済新聞

 

 

東京ボード工業のその後

建設現場で発生した木質廃棄物を回収しパーティクルボードを製造している東京ボード工業株式会社は環境負荷低減の取組が業界はもとより、関連業界からも評価されています。
単に木質廃棄物を使用してボードを製造するのではなく、ボードを納入する建築現場で発生した廃棄物の回収も同時に行い、リサイクルすることで運搬コストも抑え、その結果環境へのダメージも抑えることが可能になりました。

 

 

今後も地球環境を配慮した取り組みに期待が高まる。

 

 
この取り組みを可能にしているのは同社が一般貨物運送、産業廃棄物運搬・処理の許可を取得しているからで、他社と一線を画した取組となっています。
また首都圏近郊の山岳地域の木材として不適合になった林地残材有効利用のため、自治体の森林課、各森林組合と協力し残材回収も行っています。

 

 

https://www.t-b-i.co.jp/sdgs/index.html#initiative

SDGsへの取り組み/東京ボード工業株式会社