社長に内緒で作った玉ねぎドレッシングで話題になった、16世紀から続くホールディングス。
綿半ホールディングスについて
現代社会で一般企業として事業を運営している企業の中には、武家社会の時代に原点を持つ古い企業もいくつかあります。
綿半ホールディングスは、戦国時代が終わりを迎える1598年に綿屋として創業、当主が代々に渡り綿屋半三郎を名乗ったことから綿半という屋号の由来となっています。
江戸幕府が崩壊し天皇制が復活した明治元年に金物問屋へと商売の方針を転換しています。
1949年に長野県飯田市に前身となる株式会社綿半銅鉄金物店が設立されました。
金物店として営業しながら地元飯田の学生への支援を設立当初から行っており地域社会へ高い貢献を見せています。
1961年に鉄骨加工の工場を松本市に設立、翌年には静岡市に長尺屋根加工所を設置、屋根外装工事にも参入していきました。
1966年には東京新宿に綿半の東京本部を建設、全国規模の企業として事業を拡大していくことになります。
翌1967年には全国に7つの事業所を設立し、本格的に全国へ事業を展開しました。
工場の新設により鉄鋼加工の生産力をアップするとともに、家具・インテリアの販売店を新設し、ホームセンター事業にも進出していきます。
1977年にホームセンター事業運営目的の株式会社綿半ホームエイドを設立しました。
1981年に東海地方進出の足掛かりとなる江南店をオープン、1992年には運営するホームエイド全店にPOSシステムを導入しています。
1995年には製薬研究所開設、2000年にはデイサービスセンターを開設するなど、幅広い業種に事業を展開していきました。
2003年に組織の再編化を行いグループをホールディングス制へと転換しました。
特養老人ホームの設立や訪問介護サービス事業のグループ会社設立を経て2014年に東証二部に上場を果たしています。
翌2015年に食品スーパー事業にも参入、同時に東証二部から一部に変更されました。
駐車場事業の海外展開を目的としてミャンマーに現地法人開設、この間にも多くの株式会社をグループ入りさせ事業規模は年々拡大しています。
2022年東証の市場の変更によりプライム市場に移行し現在に至っています。
TOP/綿半ホールディングス
綿半ホールディングスの事業内容
1958年の創業以降、様々な業種への進出を続け変革と業容拡大に努めてきた綿半ホールディングス株式会社は、それぞれのグループ会社が高い専門知識を持ち事業を展開しています。
小売・建設・貿易の3つの事業を展開し高い実績を残してきました。
小売り事業はスーパーセンター・ホームセンター・食品スーパー・ドラッグストア・インテリアショップなど長野県を中心として関東甲信越、東海地方に約50店舗を展開しています。
ホームセンターとスーパーの機能を併せ持つスーパーセンターは小売事業の核となる業態で、店内に医薬品コーナーも導入、ドラッグストアの機能まで併せ持つことで高い集客率を誇っています。
建設事業では戸建て木造住宅の企画開発、資材販売等を行い全国の500社以上の加盟店に住宅資材の提供をしています。
またWKカバー工法による工場の屋根改修工事でも国内トップシェアの実績を持っています。
貿易事業ではメキシコに拠点を置いて天然原料の精製、仕入れなどを行っています。
高品質なスキンケアに使用するホホバオイルやヘアワックス用のキャンデリラ草を日本向けに調達し収益性も高い状況です。
この他飼料・肥料分野の開拓、不妊治療薬用の自然由来の原料の調達も行っています。
綿半グループの強み/綿半ホールディングス
綿半ホールディングスの初値と評価
小売業・建設業・貿易業と幅広い業種に事業展開している綿半ホールディングス株式会社は2014年に東証二部に上場をしています。
上場時の公開価格は640円で公開株数は約277万株、公募株数は140万株となっていました。
売買単位は100株で売出株数は約137万株、初値は680円で公開価格から約6%の微増という結果になっています。
大きな増額とはなりませんでしたが、まずは順調なスタートとなりました。
上場により調達した資金はホームセンター事業の新規出店及び事業運営資金に充てられる予定です。
綿半ホールディングス/MINKABU
綿半ホールディングスの事件
ホームセンター、スーパーなどの小売事業や貿易事業、建設事業を展開・運営する綿半ホールディングス株式会社は、2014年の東証二部上場からわずか1年で一部に上場を果たすなど業績は順調に推移しています。
株式会社として発足してから60年を超える歴史の中で業績を左右するような大きな事件や不祥事はありませんが、同社が独自に研究・開発し販売したオリジナルドレッシングに利用上の問題が発生し自主回収する事態が起きています。
社長に内緒でタマネギを入れすぎた、タマネギファンに贈るシャリシャリ玉ドレという遊び心のある名称のドレッシングを同社の社長が購入したところ、中のドレッシングが想定以上の勢いで噴出するアクシデントが発生しました。
この事態を受けて購入したユーザーにも同じことが起きる可能性を考慮し、自主回収を実施しています。
社長に内緒というネーミングと起きた出来事の偶然の一致がネット上で大きな話題になり、違った意味で商品名や社長が実際に購入していたことなどで注目を集めました。
https://watahan.jp/news/2022/11/d8b9c1dd4e84474e357536dad985f18686d54490.html
【お詫びと自主回収のお知らせ】社長に内緒で玉ねぎを入れすぎた 玉ねぎファンに贈るシャリシャリ玉ドレ200ml/綿半ホールディングス
綿半ホールディングスのその後
事業形態や業種を時代に合わせて変革しながら企業として70年弱、商いとしては武士の時代から400年以上続く綿半ホールディングス株式会社は地域の発展に貢献しながら事業を拡大しています。
合才の精神を経営理念とし、地域の活性化と人々の生活に寄り添う企業として発展を遂げてきています。
ホールディングス化後、多くの会社をグループ傘下に加えグループ会社は約20社にまで増えています。
医薬品、食品原料などの輸出入・販売を行う傘下の綿半トレーディングでは製造工場の他、製薬研究所も開設し新たな医薬品の開発にも取り組んでいます。
貿易事業で培った天然由来の原料の精製・仕入れ能力を活かし、多くの企業へ供給もしています。
環境問題への取組も活発で自社育成林を保有、適切に管理し豊かな森の育成に努めています。
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