ビックデータの分析やAIに関する事業で高い評価を得た後、合併で消滅したあの会社。

ALBERTについて

デジタル化が進んだ現代社会ではデータ分析、システム開発を本業とする企業が多くあります。
株式会社ALBERTは、ビッグデータの分析及びAIアルゴリズム構築のシステム開発を行う企業として誕生しました。

山川、植村両氏により2005年に東京都渋谷区で創業され、資本金は6000万円でした。
2007年におまかせ!ログレコメンダーの商品化により、サービスの提供も始まります。
2011年10月デジタル・アドバイジング・コンソーシアム株式会社と資本業務提携を結びました。
2年後の2013年にプライベート・データマネジメントプラットフォーム請負サービスのsmarticA!DMPをリリースし、サービスを開始しました。
同年7月企業向けデータサイエンティスト養成講座もスタートしています。

  

ビッグデータの分析やデータサイエンティストの養成を行っていた。

 

 

2015年には満を持して東証マザーズ市場へ上場を果たすと同時に、マップソリューション株式会社との資本業務提携も締結、ディープラーニングサービスの開始と立て続けに行いました。
翌年には人工知能のコンサルティング・導入支援サービスの提供も開始、2017年に株式会社マクニカとの業務提携後、株式会社テクノプロとデータサイエンティスト育成の協業をスタートしています。
翌2018年にはグーグルのクラウドプラットフォームのサービスパートナーに認定、トヨタ自動車との資本業務契約も締結しました。
同年内には東京海上日動火災、KDDIとも資本業務契約を締結しています。

2019年には三井住友フィナンシャルグループ、株式会社ABEJA、株式会社マクニカと次々に業務提携事業規模、サービスを拡大していきます。
2020年には厚生労働省と新型コロナウィルスのクラスター対策班の分析支援も開始しました。
その後も多くの企業と資本業務提携を結びましたが、2022年にアクセンチュア株式会社が株式公開買い付けにより約90%の株式を取得します。
同年末に東証市場の上場を廃止して完全子会社となり、翌2023年に法人としてのALBERTは消滅しました。

 

 

https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00001/07562/

アクセンチュアがAIベンチャーALBERTを子会社化、提携ではなく買収を選んだわけ/日系クロステック

 

 

ALBERTの事業内容

株式会社ALBERTは、分析力をコアとするデータソリューションカンパニーという事業コンセプトの下に設立されました。
マーケティングリサーチ、データマイニング、ビッグデータ処理、ソリューション開発、プラットフォームの構築、テキスト&画像解析などの高い技術をベースとしたシステムソリューション、コンサルティングサービスの提供を行っていました。

 

 

高い技術力が評価された。

  
東証市場に上場後は人工知能、ディープラーニングのコンサルティングサービスも提供するなどAIに関する有能なエンジニアを多数輩出し、高いサービスを提供しています。

 

 

アクセンチュアがALBERTを買収!狙いや買収企業一覧など解説/株式会社パラダイムシフト

 

 

ALBERTの初値と評価

ビッグデータの統合管理及び分析コンサルティング業務、マーケティングサービスに活用するシステムサービスの提供を行う株式会社ALBERTは、創業から10年の2015年に東証マザーズ市場に上場しています。
株式公開時の公開価格は2800円で公開株数は約35万5000株、公募株数は20万株でした。
売出株数は約15万5000株で売買単位は100株、上場時の初値は6040円で公開価格の2倍超という上々のスタートを切っています。

 

 

得た資金を上手く利用した事だろう。

 

 
上場により得た資金は本社部門の移転及び移転に伴う賃料の増額、研修施設構築費用、システムエンジニアの採用・育成等の人件費、インフラ増強費用等に充てられました。

 

 

https://minkabu.jp/stock/3906

ALBERT/MINKABU

 

 

ALBERTの事件

ビッグデータ分析、統合管理及びAIを活用したシステム開発を主業務とする株式会社ALBERTは、多くの企業との資本業務提携を行いながら事業を運営していました。
2016年に当時会長であった山川義介氏が、ALBERTの業績についての情報を親族に漏らしたとしてインサイダー取引の疑いで刑事告発される事件がありました。

 

 

ネガティブなニュースも複数あった。

 

 
その後も2020年前期に不適切な会計処理があったことが発覚、1億円を超える赤字決算となったこともあります。
第三者の調査によると、前期に実施されていた業務委託契約及び社員研修費用に関して妥当性を欠く会計処理が発覚しています。
納品前に検収書を発行するなど、通常の手順とは異なる処理がなされていたことが挙げられています。

 

 

https://www.fsa.go.jp/sesc/news/c_2016/2016/20160801-1.html

株式会社ALBERT株券に係る内部者取引事件の告発について/証券取引等監視委員会

 

 

ALBERTのその後

現在はアクセンチュア株式会社による株式公開買付から子会社化、合併を経て法人としては消滅しています。
公開買付当時、ALBERTには優秀なデータサイエンティストが従事しており、ALBERTを子会社として迎えることで人工知能を活用したサービスをより強化できると考えました。

 

 

合併したことで法人としては消滅した。

 

 
AIアルゴリズム開発、AI活用コンサルティングのサービスを大手企業に提供していた実績と能力は新たな法人の中でも発揮されています。
アクセンチュア株式会社は、世界最大の経営コンサルティングファームアクセンチュアの日本法人です。
経営コンサルティング、業務コンサルティング、ITコンサルティングに加えアウトソーシング業務など多種多様なサービスを行う企業として活躍しています。
ALBERTが行っていた事業及びサービスは、アクセンチュアのAIサービスグループに活かされています。

 

 

https://www.accenture.com/jp-ja

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