オーディオ機器から医療の現場まで幅広い業界から期待されているあの会社。

デクセリアルズについて

電子材料の製造・販売で高い実績を持つデクセリアルズ株式会社は、トランジスタラジオ等の基盤に使用される銅箔製品及び工業用接着剤の製造・販売目的にソニーが全額出資するソニーケミカル株式会社として、1962年に設立されました。
基板用の接着剤の製造の技術を活かし一般家庭用の汎用接着剤の製造・販売を1963年に開始、工業用・家庭用の双方の接着剤製造で事業を拡大していきます。

1964年には、プリント回路用プライマスター製造ラインが東京の羽田工場で完成しました。
接着剤製造のノウハウと技術を活かし1965年には両面粘着テープの製造・販売も開始、高性能両面粘着テープとして高く評価されることになります。
1972年にソニーの家庭用テープレコーダー、テレビ用部品の磁気ヘッド及びフェライトコアの生産を本格化させました。

電子機器の軽量小型化に合わせて1973年からはフレキシブルプリント基板の製造を開始、翌年には基板用の両面粘着テープの製造・販売も行いました。
当時はオーディオ機器、テレビ・ビデオ機器が一般に大きく普及した時期で電子デバイス部品をソニーに次々と供給し技術と品質の向上にも大きく繋がっています。
デジカメ・携帯電話用の液晶パネル用の異方性導電膜をいち早く製造化したのもこの時期でした。
1985年には熱転写プリンター用インクリボンの生産を開始、物流用途で使用されるバーコードプリントは高い鮮明性と耐久性で海外の多くの国で使われることになります。
独自の先端技術が高く評価されてことを受け、1987年に東証二部市場に株式上場を果たしました。
その後も超小型モーター用ラミコイル、ハンディカム用高密度薄板多層基板の開発・生産に成功しビデオカメラの小型化にも大きく貢献しています。

 

 

あらゆるところでお世話になっているかも。

 

 

1990年頃からは海外へと事業を拡大、アメリカ・シンガポール・オランダ島に現地法人を設立しました。
1992年には記憶媒体がテープからディスクへと変遷していくことを受けて、光ディスク用保護コーティング剤の開発にも着手しました。
1995年にはISO14001の認証を取得、ハンディカムの小型化を受けビルドアップ基盤の生産も開始しています。
新たな基盤の生産、海外法人の追加設立で事業規模を年々拡大していきましたが、2000年にソニーの完全子会社となり上場を廃止しています。
2000年代に入っても反射防止フィルムや新しい接着剤の製造で大きな実績を残してきましたが、CPUの高速化に伴い、効率よく熱を逃がすことのできる熱伝導シートの開発・販売も手掛けました。

その後も接着剤や多層基板の開発・製造を幅広く手掛け、2012年に現在のデクセリアルズ株式会社に社名を変更しています。
電子機器用のフィルム製造で培われた技術を活かし医療向けアイシールド材の製造を2014年から開始、ライフサイエンス領域へ事業参入していくことになりました。
太陽の熱戦を上方へ反射させるニュータイプの窓用透明遮熱フィルムの生産を2015年に開始、大きな反響を呼んでいます。
同年7月に東証一部市場に待望の再上場を果たすこととなりました。
2020年には反射防止フィルムのHDシリーズを新たに開発、より高い摺動耐久性を実現し、高評価を受けています。
光学弾性樹脂の開発・販売を経て、2022年に東証の市場区分再編に伴い一部からプライム市場に市場移行、現在に至ります。

 

 

https://www.dexerials.jp TOP/デクセリアルズ株式会社

 

 

デクセリアルズの事業内容

大手家電メーカーであるソニーの子会社として設立されたデクセリアルズ株式会社は、音響・映像機器用の部品や材料の開発・製造・販売を長年行ってきた実績がある企業です。
電子機器用のフィルム・接着剤の開発を長く行ってきた経験を活かし、医療用品関連の事業も展開しています。
電子部品や精密部品固定用の特殊接着剤は創業当初から生産を行ってきた主力製品です。
電気絶縁、自己消炎性、短時間接着など、特殊な部品に特化した特性を持った製品を次々と開発しています。

 

 

医療現場から高く評価された。

 

 
両面テープも電子部品生産のノウハウを活かした高品質なものを多く製造してきました。
熱硬化タイプなど、用途に合わせた製品がラインナップしています。
医療用アイシールド材デクシールドは医療現場で長時間装着しても視界を良好にして目の疲れを軽減するように開発され、現場からも高く評価されました。
用途に応じて特殊な性能を持った製品が幅広く製造されているのが大きな特徴です。

 

 

https://www.dexerials.jp/products 製品情報/デクセリアルズ株式会社

 

 

デクセリアルズの初値と評価

光学系材料、電子材料及び接合材等の製造・販売を主事業としているデクセリアルズ株式会社は、2015年7月に東証一部市場に株式上場を果たしています。
株式公開時の公開価格は1600円で、公開株数は約5405万株、売出し株数も公開株数と同じの約5405万株でした。

 

 

やや不安なスタートだった。

 

 
売買単位は100株で、上場後の初値は1550円で公開価格を約3%下回るやや不安の残るスタートとなっています。
前身のソニーケミカル時代の1987年に東証二部に上場、2000年にソニーの100%子会社となり上場が一度廃止され、再上場であったことで初値買い人気の高まりがあまりなかったことが大きな要因となりました。

 

 

https://minkabu.jp/stock/4980 デクセリアルズ/MINKABU

 

 

デクセリアルズの事件

ソニーの子会社として誕生し、最先端の電子材料及び接着剤の製造・販売などで高い業績を残してきたデクセリアルズ株式会社は、東証市場に上場後も新たな製品の開発・製造により業績も順調です。
創業から現在に至るまで大きな事件や不祥事の報告はありません。
その一方で、同業他社に対する訴訟が業界関係者や経済誌で注目された事例がありました。

 

 

訴訟を起こした。

 

 
ヒューズ製品の製造・販売を行っているショット日本株式会社に対し2023年4月、同社の特許権に基づき対象製品の販売差し止め及び、過去に販売した対象製品に対して損害賠償請求の訴えを東京地裁に提出しました。
同社が培ってきたノウハウと高い技術によって生み出された同社の知的財産権を他社が侵害することは許されず、厳正に対処したと同社のホームページにも掲載されました。

 

 

https://www.dexerials.jp/news/2023/news23013.html ショット日本株式会社に対する特許権侵害訴訟の提起について/デクセリアルズ株式会社

 

 

デクセリアルズのその後

かつてはソニーグループの一員であり、光学材料や電子部品などの製造販売で高く評価されているデクセリアルズ株式会社は映像・音響用部品の開発で培った技術力を活かし、医療関係部品の製造にも進出しています。
コロナウィルス感染拡大時に、医療用フェイスシールドの着用が求められましたが、反射防止及び透明度の高さ、目の疲れ軽減など現場の要望を高いレベルで実現する同社のフィルムは医療現場に大きく貢献しました。

 

 

今後にも大きな期待が寄せられている。

 

 
映像機器のディスプレイ用反射防止技術の高さがシールド材料開発に繋がっています。
今後は、ライフサイエンスの業界での活躍も大きく期待されています。

 

 

https://www.dexerials.jp/products/dxshield/index.html 医療用アイシールド材/デクセリアルズ株式会社