弁護士のサービスだけでなく、多くの企業で採用されているクラウドサービスも運営している会社。
弁護士ドットコムについて
弁護士ドットコムは、法律に関するポータルサイトの運営や契約マネジメントプラットフォームを手がけている会社です。
2005年に東京都目黒区で設立されたオーセンスグループが母体で、2013年に弁護士ドットコムへと社名変更しています。
弁護士ドットコムは、創業と同時に法律のポータルサイト「弁護士ドットコム」を立ち上げ、有料相談サービスや弁護士費用の一括見積もりサービスを開始しています。
一方、2006年には税理士の相談ポータルサイトを始めるなど、当時からポータルサイトを軸としたビジネスを展開していました。
その後もポータルサイトの弁護士ドットコムを中心として、様々なサービスをリリースしています。
2015年にはクラウドサービス「クラウドサイン」を始めました。
クラウドサインは契約をWeb上で完結できるサービスで、リリース時点では日本初の試みとして注目を集めました。
そして2016年以降も事業を拡大し、多彩なサービスを開始しています。
TOP/弁護士ドットコム
弁護士ドットコムの事業内容
弁護士ドットコムの主要事業は、大きく分けてポータルサイト運営と契約マネジメントプラットフォーム(クラウドサイン)に分けられます。
創業当時から事業を展開しているのがポータルサイト運営で、現在でも収益の柱となっています。
ポータルサイトは、社名にもなっている弁護士ドットコムの他、税理士向けの税理士ドットコムを運営しています。
弁護士ドットコムは日本最大規模の法律相談ポータルサイトで、個人向けサービスと弁護士向けサービスを提供しています。
一方、税理士ドットコムは個人をターゲットにしており、クラウドでの税務相談サービスも手がけています。
他にも企業法務に関するポータルサイト「BUSINESS LAWYERS」を運営し、各種解説記事や弁護士情報の提供などを行っています。
もう一つの主要事業であるクラウドサインは、電子契約サービスで圧倒的なシェアを占めています。
250万を超える企業で導入されており、弁護士ドットコムの主要な収益源です。
中小企業はもちろん、大手や自治体でも導入実績があり、今後の成長が期待される事業です。
TOP/税理士ドットコム
弁護士ドットコムの初値と評価
弁護士ドットコムは、2014年12月に東証マザーズ市場に上場しています。
IPOの主幹事は野村證券で、公開価格は1,230円に設定されていました。
公開価格をベースにしたPERは608.91倍、PBRは51.55倍と、やや高い水準なのが特徴的です。
そして新規上場後、弁護士ドットコムの初値は3,880円を記録しました。
公開価格に対する騰落率は215.44%となり、PERは1,920.79倍、PBRは162.62倍にまで上昇しました。
マザーズの中小型案件は多数ありますが、その中でも成功を収めた事例の一つと言えます。
弁護士ドットコムがIPOを行った2014年頃は、日銀の追加緩和の影響で資金が向かいやすい時期でした。
それに加え、IPO前から話題性も十分で、事業の成長性があることが評価されていました。
こうした点が株価にとって追い風になったと言えます。
ロックアップがかかっていたことも評価され、株価の好材料となりました。
このような状況を総合的に判断して、初値を大きく上回ることが予想されていたため、想定通りの結果になったとも言えます。
弁護士ドットコム/MINKABU
弁護士ドットコムの代表について
弁護士ドットコムは、元榮太一郎氏が代表取締役社長兼CEOを務めています。
元榮氏はアメリカのイリノイ州生まれで、慶應義塾大学法学部を卒業した経歴を持っています。
同氏は大学を卒業後、M&Aや金融など企業法務が専門の弁護士事務所へ入所しました。
そして2005年にはオーセンスグループを設立し、法律相談に特化したポータルサイト「弁護士ドットコム」の運営を開始しています。
元榮氏は一時期政界でも活躍していました。
同氏は2016年の参議院議員選挙に千葉選挙区から立候補し、得票数2位で初当選しています。
そして当選後は財務大臣政務官を務めたものの、任期満了をもって議員を退任しました。
参議院議員の退任と前後して弁護士ドットコムの代表取締役社長へ復帰しています。
議員辞め「経営専念」、弁護士ドット元榮氏の真意/東洋経済ONLINE
弁護士ドットコムの暴落・暴騰(株式等)
弁護士ドットコムは、過去に幾度か株価の急騰と急落を繰り返してきたことがあります。
株価が急騰したのは新型コロナ禍が始まった2020年頃で、同年10月には一時15,880円もの株価を記録しました。
同年の最安値が3,035円でしたので、それだけ多くの投資家から注目されたのです。
一方、株価の行き過ぎが懸念されてその後は急落し、年末には10,240円まで株価が下がりました。
2022年に入ると、追い打ちをかけるように株価が急落しました。
同年1月27日は4,130円まで下落しましたが、決算発表後の下落が警戒されたためです。
弁護士ドットコムの株価はその後も四半期業績が発表される度に急落しています。
ただし、急落後には株を買い戻す動きもあるため、短期的な急騰も発生しています。
ボラティリティが大きい銘柄ではあるものの、決して下落続きというわけではありません。
売買のタイミングを計れば、大きな利益を挙げられる銘柄と言えます。
弁護士ドットコムはChatGPTとともに成長できるのか?今から投資していい?含み損でも保有してもいい?/つばめ投資顧問