一般家庭にも当たり前になった、ビデオカメラのあまり知られていない進化過程
ビデオカメラの歴史
お子様の運動会の動画を撮影する方は今でもたくさんいますが、今と違って昔のビデオカメラはサイズも大きくて、重いことから持ち運びをするのも大変でした。
今はスマホでも簡単に動画が録画できるようになりましたが、ビデオカメラがどのように進化してきたかを知っている人は、意外に少ないと思います。
今でも持ち運びのできる動画が保存できる映像機器をビデオカメラと呼ぶ人もいますが、ビデオテープが普及する前は映画のようにフィルムで録画されていました。
機器を移動するのは困難で、一般家庭で購入するにはかなり高額でした。
一般家庭用のビデオカメラが市場に登場したのは1966年で、この当時は録画用のデッキ部分と撮影用のカメラ部分が分離していて、かなりの重さがありました。
その後は1976年にVHS規格のビデオが発売され、少しずつ普及するようになりました。
カメラ部分とデッキ部分が一体になったビデオカメラが登場したのは、VHSが発売された8年後の1984年で、まだ片手で持てるようなコンパクトなサイズではありませんでした。
片手で簡単に使えるビデオカメラは、ソニーの8mmビデオが発売されてからで、1985年にハンディカムの名で登場し大ヒットしました。
1989年に小型が更に進み、パスポートサイズのハンディカムが発表され、ビデオカメラとしてはこの形が最終モデルになりました。
その後は、データ保存のメディアがビデオからフラッシュメモリーへと進化し、今の動画カメラへと至っています。
ビデオカメラ市場
SONYのハンディカムがヒットした時代は、至るところでニワカ映画監督のような人を街中でも多く見かけました。
片手で持てるカメラで、家族での旅行や趣味のスポーツの映像を録画する人もたくさんいました。
今はデジタルカメラの性能が向上して動画の撮影も簡単になり、スマホでも気軽に動画が撮影できるようになり、SNSに動画をアップすることが一般的になってきました。
このような現在のビデオカメラの市場は、どのような状況にあるのでしょうか。
ビデオカメラそのものの販売台数は2011年に100万台を超えていましたが、この年をピークに急激に減少の一途を辿っています。
現在は約40万台と、ピーク時の半数以下にまで減少しています。
スタンダードなビデオカメラが衰退していく中、売上を伸ばしているのがアクションカメラです。
衝撃に強く小型化されていることが、需要の伸びている要因でビデオカメラ全体の20%程度まで上昇しています。
今後は高性能の4Kに対応した、ハンディタイプのモデルが人気の中心になることが想像できます。
最新のビデオカメラの機能
小型のハンディカメラが登場してから30年近くになり、ビデオカメラの進化は目覚しいものがあります。
初期のビデオカメラにはなかったような機能が、最新のカメラには搭載されています。
撮影したい映像によってカメラのタイプは異なりますが、ハンディカメラとアクションカメラとでは、機能に違いがあります。
ハンディカメラには、ズーム機能や手ブレ補正など、デジタルカメラに備わっている機能が基本的には付いています。
もう一方のアクションカメラは、動きの激しいスポーツのシーンでの撮影がメインとなるため、手ブレの補正などはなく、臨場感・躍動感のある撮影に適した機能が付いています。
天候に左右されないように、防水性や破損しにくい耐久性などの機能が重視されています。
現在発売されているビデオカメラに装備されている機能のメインは、4Kとフルハイビジョンになっています。
機能詳細
4Kとフルハイビジョンの違い
一般的な4Kとフルハイビジョンの違いについて説明をします。
最近はテレビ放送でも4K映像が導入されるようになり、今後は4K動画が主流になることが予想されています。
ハンディカメラのこれまでの主流であったフルハイビジョンと4Kには、どのような違いがあるのでしょうか。
これまでのビデオカメラで最も画質が良いと言われてきたのがフルハイビジョンですが、その何倍も映像が美しいと言われるのが4K映像です。
4Kのビデオカメラは発売されてからまだそこまで経っていない最新の機能ですが、フルハイビジョンよりも映像が鮮明なのには理由があります。
フルハイビジョンの画素数は、「1920×1080画素」となっていましたが、4K映像では「3820×2160画素」と、数字を見ただけでもその映像が高画質であることが分かると思います。
動画撮影でズームにすると映像が粗くなることがありますが、4Kでは画像の隅々まで映像の鮮やかさが失われていません。
家庭のテレビの画面サイズは年々大きくなる傾向にありますが、4Kの映像は画面が大きくなっても劣化がほとんど感じられず、スポーツの撮影でも映像の鮮やかさが全く異なります。
現状では、フルハイビジョンカメラに比べると高額になりますが、頻繁にビデオカメラを買い換える人以外であれば、4Kのカメラを購入することをおすすめします。