オプション取引って何?最近のトレンドはどんなものなの?
オプション取引とは
最近は銀行にお金を預けても金利がかなり低く、資産運用には預貯金はほとんどメリットを感じられません。
投資というと先物取引・株式投資が一般的ですが、昔は専門的な知識を持った人のみが利益を得られるものというイメージがありました。
しかしFXが日本でも投資として行われるようになった頃から、徐々に投資をする人が増えてきていると思われます。
ネットで証券・FXの取引ができるようになったことや、投資金額の少ない方法が紹介されてから、ますます一般的になったと考えられます。
資産運用・投資を行うにあたっては、投資に関する専門的な言葉を少し理解しておく必要がありますが、世界三大利殖は基本として知っておく必要のある言葉です。
サヤ取り・サヤすべり取り・オプション取引(オプション売り)の3つが三大利殖となりますが、オプション取引は今も幅広く活用される方法として投資家に知られています。
オプション取引の意味についてですが、オプションという英語を直訳すると選択権・選択肢という意味になります。
投資業界でのオプション取引は特定商品を事前に取り決めされた価格で、一定の期日に取引することが可能な権利の売買を指します。
オプション取引の元となる手法が用いられたのは、遡ること約2700年前の紀元前のギリシャと言われています。
数学者・天文学者として活動していたタレスという日食の予言をした高名な学者が、学問の知識を活かして金を稼ごうと思い立ったのがオプション取引の起源、という説が濃厚と思われます。
彼の住むサモス島はオリーブの特産地で、オリーブオイルが島の名産として売られていました。
オリーブオイルを採取するには専用の石臼が必要で、タレスはオリーブの収穫時期に必要とされる石臼を持っている男から、先に金を払うことで借りる約束を取り付けます。
その年のオリーブは大豊作となり、オリーブオイル採取の石臼が不足する事態になり、タレスは借りた石臼を借りた金額よりも更に高い金額で他の者へ又貸しして大きな利益を得ることに成功し、これが世界最初のオプション取引であると考えられています。
日本では、アメリカでオプション取引が市場に登場した1980年頃から導入され、金・砂糖の先物取引及び金融証券で取引がスタートし、現在は穀物・畜産・石油商品・通貨等の様々な商品を対象として、多岐に渡って活用されています。
オプション取引の基本ルール
現在の資産運用の方法の中で幅広く活用されているオプション取引は、仕組みをしっかり理解しておかないと利益を生み出すことが困難であると思われます。
オプション取引をイメージすると、以下のようになると考えられます。
商品を買う権利(コールオプション)を買い手と売り手で売買を行い、定められた期日に買い手側は値段が上がり、数万円のプラスの差金がある場合には権利を行使し、売り手から利益を得ることができます。
逆に値段が下がった場合は権利を放棄すれば、最初に払ったオプション料のみが損失となるためリスクが少なくて済むという点が、オプション取引が活用される大きな理由になっていると推察されます。
先物取引では未来を予測して売買をするため、予測した価格と実際の売買時の価格が大きく違うことも珍しくありません。
大きな利益を生むこともあれば、大きな損失を生む可能性もゼロではありません。
オプション取引のメリットは、オプションを買ったときに損をする場合は権利を放棄することで大きな損失を回避することができる、というところです。
オプション取引には、オプションを買う権利のコールオプションとオプションを売る権利のプットオプションの2種類があります。
コールオプションはオプションを購入する権利で、投資商品の価格上昇が推察される場合にはコールオプションを買って、設定された価格以上に商品が上昇した時に権利を行使し、利益が得られます。
設定価格よりも安い時は、権利を放棄すれば良いことになります。
プットオプションはコールオプションとは、反対に設定された価格で投資商品を売ることができる権利のことを言います。
投資対象の商品の価格が低下することが推察される場合には、プットオプションを買って設定された価格よりも期日に低くなった時に権利を行使すると、高く売ることができて利益が得られます。
反対に設定価格よりも期日に高くなったときは、権利を放棄することで損失を回避することが可能です。
オプション取引の今(最近の傾向)
オプション取引は損失を低く抑えて大きな利益を得る可能性がある手法として、広く活用されてきました。
買い手側の損失は小幅に限定され、売り手側は利益が小幅に限定される仕組みのため、買い手側にのみ大きなメリットがあると考えられています。
そのままでは売り手になる人は存在せず、市場での取引は活発なものにはなりません。
売り手側のリスクを軽減するものとして、プレミアムの存在が最近のオプション取引では重要になっています。
このプレミアムとは、買い手側が有利な時に権利が行使され、不利なときは権利が放棄でき、売り手側が一方的にリスクを負うことに対する見返りとして受け取れる対価のことです。
このプレミアムの設定金額は、オプションで利益が出る可能性の高低により決定される、と考えられます。
公営ギャンブルにおける本命を買うのは、利益が出る可能性が高い分配当が低くなり、逆に大穴狙いでは利益が出る可能性は低い代わりに、当たったときの配当は高額になります。
本命と同じオプションはプレミアムの設定も低く、逆に大穴と同じオプションはプレミアムの設定金額が高くなると推察されます。
オプション取引で最近注目されているのが、金の取引であると思われます。
金の相場は近年安定的に高くなる傾向があり、先物取引の中では利益率が高い傾向にあります。
しかしマイナスに転じる可能性もあるため、プットオプションを買って価格が下落した時に損失を抑えた上で、上昇した時にも利益が得られるように含み益をある程度確定させる戦略にオプション取引を活用する傾向が、現在ではあります。
この手法をプロテクティブプットと呼び、主流になることが想像できます。