リスクを抑えて投資をしたい人は勉強すべき、オプション取引とは?
オプション売りとは
投資・資産運用が一般的になり、スマホでも簡単に取引が可能な時代になりました。
しかし投資・資産運用の世界では、この世界ならではの専門的な用語が多く、用語の意味を知ることが投資の第一歩であると思われます。
投資家の間で有名な方法として、世界三大利殖と呼ばれる手法があります。
サヤ取り・サヤすべり取り・オプション売りの3つを世界三大利殖と呼んでいますが、現在の投資家が最も使用する手法として知られるのがオプション売りです。
オプション売りは、投資のセミナーや証券マンが投資家に勧める時にも手法として押していることが多くなりましたが、その手法を理解することが投資で成功を収める秘訣になるかと思われます。
オプション売りという名前から投資で売ることを目的とした手法と思われがちですが、一般的には買いからスタートするのがオプション売りの基本と考えられています。
オプションとは一般的に言う保険のことで、株価が予想できないような暴落をしてロスのカットが不可能になったり、取引時間外の想定外のトラブル等で処理ができないときのために、事前にオプションを持っていればリスクを最小限に抑えることが可能になります。
解かりやすい例としては、新車で自動車を購入したけど思わぬ事故や災害で自動車が壊れてしまった時に、購入代金や修理代金を保障する車両保険というものがありますが、これと同じように考えられると良いでしょう。
住宅ローンで家を購入した時に、震災・火災で家が損害を受けた時の保障が受けられる、火災保険・地震保険なども似たものとして考えられます。
大手証券会社や金融ファンドなどの資本力の強い投資会社が保険(オプション)として購入し、それを商品として買う投資家に売ることが、オプション売りの基本的な形と考えられています。
一定額以上に先物や株式などの商品が下がったときの損失を補償することを売るのがオプション売りということです。
オプション売りそのものの手法は、古くから投資家が使用していると言われています。
オプション売りの歴史
オプション売りの基礎は、17世紀頃のヨーロッパで誕生したと考えられます。
オランダの名産品の一つのチューリップの取引の際に、球根の売買にオプション売りが使われたことが、そのスタートという説があります。
日本では、江戸時代にも先物取引が米の市場で用いられてきました。
オプション売りは、明治時代に米・株式の市場で天目下目という呼び方で取引に導入されていたことが推察されています。
この当時の証券取引は先物取引で行われる差金決済が一般的で、取引所以外でもかなり活発に行っていたと考えられます。
その後は第二次世界大戦で日本が敗北し、証券取引は一時ストップしましたが、GHQ主導で進められた取引市場では清算取引が認められず、天目下目は公には行われなくなったと思われます。
昭和26年にサンフランシスコ平和条約が締結され、日本に主権が戻されたタイミングで天目下目取引が復活するのでは、と投資家は期待していましたが、一部の資本家のみが利益を得る投機的なリスクがあるとのことで、導入は見送られてきました。
何度も復活が望まれながら長く導入されませんでしたが、日本国が国債を大量に発行するようになり、国際の流通・消化を活発にするという目的のため証券取引法が改正され、債権の先物取引が可能となりました。
この改正で国債先物取引が活発になり、金融機関・証券会社がオプション取引の商品として扱うようになりました。
特に海外証券会社が、指数先物・オプション売りの取引には積極的であった、と思われます。
平成元年以降にオプション売りは市場で行われることが増えてきますが、平成18年のミニ先物取引、平成27年のウィークリーオプションの取引開始により、日本でのオプション売りは活況を帯びてきたと思われます。
今後は先物取引・株式投資・国債取引等が、主力の手法として活用されることが容易に想像できます。
オプション売りのやり方
オプション売りは、特定の商品について一定の期日までに決められた価格で売る取引のことを言いますが、買う権利の方を含めた売買の手法をオプション取引と呼んでいます。
オプションを売る権利をプットオプション、買う権利をコールオプションと投資業界では呼んでいますが、それぞれを売ることをオプション売りと考えると、解かりやすいと思われます。
オプション売りでは、買い手はオプションの代金を払ってオプションの権利を手に入れ、権利を行使することができます。
一方の売り手は、オプションの代金を受取り、買い手が手にした権利の義務を負うことになります。
オプション売りのメリットは、株価の変動が大きくなった時にオプションの価格も大きくなることが考えられます。
株価が大きく上昇した時には、コールオプションの値が何十倍にも大きく膨らむ可能性があります。
一方で株価が大きく下がった時には、プットオプションの値が逆に何十倍にも膨らむ可能性が考えられます。
もちろんリスクもあり、資金が底をついてしまう可能性もありますが、タイミングを上手くつかめば、少ない投資金額で大きな利益を得られる可能性が大きく膨らみます。
しかしメリットがあればデメリットもあるのが投資ですので、オプション売りにも様々なデメリットが考えられます。
オプション売りで成功するためには、オプション取引そのものの知識が必要で、初心者にはおすすめできません。
オプション買いでは大きな損失を受ける可能性は低くなりますが、売りでは元本割れを起こす大きな損失を生む可能性があります。
オプション売買の取引を行う際には、専門の知識を得るための勉強をしっかり行う必要があると思われます。