世界を変えるテクノロジー(テック)、InsTech(インステック)
保険を変えるInsTech(インステック)とは
インステックとは保険ビジネスとテクノロジーを融合させた言葉で、保険領域の新しいITサービスの登場が期待されています。
具体的にはヘルスケア、アンダーライティング、マーケティングの3つの領域でITを使用し、どのように保険業界が変わるのかが注目とされています。
ヘルスケアは、医療に関わる膨大に蓄積されているビッグデータを上手に利用・解析を行う事で、保険料を割り引く新商品の開発、
健康寿命の延伸に役立つ生命保険やサービス提供の見直しなどを行います。
アンダーライティングは、管理データをデジタル化することで、保険引受時の手続き簡素化や利便性の向上など、作業効率向上が期待出来ます。
マーケティングは、保険会社間との情報共有、人工知能を活用したマーケティング手法の最適化などが期待できます。
第一生命保険の取り組み
現在、第一生命保険ではインステックを進めるため、営業部門、商品部門を始めとした約15の部で構成するインステック推進体制を組織しました。
そして他業態とのコラボレーションとしてコンサルティング大手の米アクセンチュアとパートナー関係を構築し、IGPIビジネスアナリティクス、
インテリジェンスなどとの提供を開始しました。
さらに数々の展示会への積極的な参加を行い、ベンチャー企業や先進的な技術を持つ企業との協力体制を設けている状態です。
英ロイズ保険の取り組み
現在、ロイズ保険は、ブロックチェーン方式を導入した5カ年計画を構想しており、ブロックチェーン企業の
Everledgerと共同開発で実証実験を開始した段階となっています。
これは業務から記録に至るまでのリスク低減、透明性及び正確性、迅速なプロセスが可能となるといったものです。
これを導入する事で例えば、保険加入者は仲介業者を介さずに正確且つ加入者の条件に合致する最適な条件で契約をする事ができます。
また誰が/誰に/いつ/いくら送金したのかという保険業界では必須のデータをリアルタイムに安全に保管し、また必要な時にデータを引き出す事が可能となります。
損保ジャパンの取り組み
損保ジャパン日本興亜では、米のベンチャー企業を手掛けるプラグアンドプレイが立ち上げた保険分野に
特化したベンチャーの発掘・育成プログラムに参画しました。
また海外からの技術を取り入れた、顧客の歩数や睡眠時間をリアルタイムに採取し、健康状態を保険料に反映させる新医療保険の検討をしています。
これは契約者が健康であれば、保険金の支払いも減少し、未来的に利益が見込めるとした計画です。
日本の保険会社
海外の保険会社は、既にITやビッグデータを積極的に活用しているのに対し、日本の保険会社はこの点においては大きく遅れを取っています。
大量にデータを持っている保険会社は、ビッグデータの活用によるイノベーションに対する期待はとても大きいものとなっているのが現状です。
そのためインステックにより、革新的なサービスが生まれるようになると考えられます。今後世界で様々な保険ビジネスがテクノロジーによって変革していきます。