元FRB議長ベン・バーナンキがシニアアドバイザーを務める大手ヘッジファンド「シタデル」

ヘッジファンドの巨人、シタデルとは

シタデルとは、アメリカ・シカゴに本社を構え世界中の主要都市に拠点を構える大手投資ファンドです。

日本での知名度はそれほど高くないかも知れませんが、2015年現在で総運用資産額約250億ドル(3兆円)を保有する一大企業です。

社名であるシタデルには変動の激しい世界経済においていち早く成長するようにと言う願いが込められており、

独自の資金運用法は創業者の狙い通り素早く機能した結果大成功を納めています。

大手ヘッジファンド企業として従来シタデルの業績の中核を担っているのは株式アービトラージが中心でしたが、

近年はHFT(超高速取引)でも相当の利益を上げてきており、総資産額に対する割合が徐々に拡大していると言われています。

東京オフィスについて

2008年のリーマンショック以前は日本にも東京に拠点を構えており、

HFTによる日本株の積極的な取引先が行われていましたが既に撤退しており、

計画的な発展的縮小と共に全従業員数も1200人程度まで人員削減しました。

2008年はシデタル社にとって転機となる年であり、東京オフィスを閉鎖すると共にアジア・プリンシパル投資からも撤退を決めましたが、

結果的にこれらの経営戦略は成功し現在に至る実績に至っています。

バーナンキ氏を召喚

また2015年には、更なる業績向上を目指しシタデルの新チーフアドバイザーとしてFRB議長も勤めたバーナンキ氏を迎えました。

多くの経済誌や専門家がこの動きに注視していると推察されており、これからのシタデルの動向及び業績に更なる注目が集まっています。

 

創業者ケネスC.グリフィンの経歴と実績

シタデルの創業者であるケネスC.グリフィンが一番始めにヘッジファンド「コンバーチブル・ヘッジファンド1」を

組成したのはハーバード大学在学中のことだと言われています。

組成当初の総資金額は26万5000ドルだったとされ、正式にファンドを設立したのは1990年のことでした。

在学中に初めて投資を開始した時、授業の合間に行っていたとされる取引は独自に編み出した

転換社債アービトラージと呼ばれる戦略の元に行われており、彼の予測した株式市場の暴落は見事に当たり大成功を納めたと言う逸話があります。

大企業となったシタデルは今の業績から考えると僅か100万ドルから始まった事業でしたが、

総従業員数もさることながら時価が年々高騰しているダウンタウンに自社ビルを構えるほどの大企業に成長させた手腕を持っています。

グリフィン自身の年間所得は1140億円と業界でも5本の指に入ると考えられており、アメリカンドリームを体現した人物の内の一人であるといえるでしょう。

彼の経営手腕は実に合理的で革新的であり、とくにHFTでの成功が専門家からは高い評価を得ているとされています。