いち早くiPS細胞再生医薬品についての技術を確立した、再生医療分野で期待が高いあの会社。

ヘリオスについて

日本で研究・開発が進んでいるiPS細胞を活用した再生薬品の開発を主事業とする(株)ヘリオスは、2011年2月に株式会社日本網膜研究所として福岡県で創業しました。
2013年に本店を東京都中央区に移転後、商号を現在の(株)ヘリオスに変更、神戸に研究室を開設しています。

同年末に大日本住友製薬との間で、iPS細胞由来網膜色素上皮細胞移植に関する共同開発契約・特許実施許諾契約を締結しました。
2014年に大日本住友製薬と共同で合弁会社サイレジェンを設立と共に、横浜市立大学と再生医療製品の共同研究を開始しています。

翌2015年に、創業からわずか4年で東証マザーズ市場に上場を果たしました。

 

 

大学との共同研究を開始した。

 

 
2016年からは事業を海外へと拡大、アメリカAthersysIncとの間で日本国内における幹細胞MultiStemを使用した再生医療製品のライセンス契約を締結しています。
翌年にはニコンとの間で再生医療分野の資本・業務提携を締結、2018年にはアメリカに連結子会社を設立しました。
2019年6月の大日本住友製薬との間の共同開発体制の変更を経て、2020年に国際会計基準の適用が開始されます。
2021年に再生医療分野のファンド子会社設立後、AthersysIncと商用化に向けた協議拡大に関わる契約を締結しました。
2022年に東証の市場区分見直しによりマザーズ市場からグロース市場に移行、子会社2社の設立を経て、AthersysIncからMultistemを使用したARDSを対象にした再生医療製品のグローバルライセンスを取得しています。

https://www.healios.co.jp TOP/株式会社ヘリオス

ヘリオスの事業内容

高い技術力を生かした再生医療の分野で活躍が期待されている(株)ヘリオスでは、iPS細胞を用いた医薬品の研究・開発を主な事業としています。
iPS細胞は皮膚の細胞などに因子をいくつか導入して新たに生み出される細胞で、人工多能性幹細胞と別名呼ばれるように様々な臓器・組織に分化する能力と無限増殖する可能性を持った夢のような細胞です。
人体の細胞と極めて近い機能を持った細胞を、iPS細胞の分化誘導の特性を活かし細胞を作成、機能不全を起こした細胞に置換して機能回復に導く製品を同社では研究・開発し提供しています。
同社ではiPS細胞再生医薬品の基礎技術・ノウハウを業界内でいち早く確立し、実用化に向けて多くの研究機関・企業と提携し研究を進めるとともに、自社独自の研究も積極的に進めてきました。

 

 

業界でいち早くiPS細胞再生医薬品についての結果を確立した。

 

 
多くの研究・開発を現在も推進し、免疫拒絶リスクの少ない新時代のiPS細胞の作製、次世代ガン免疫細胞の作製を行っています。

体性幹細胞再生医薬品事業では体制幹細胞を使用し、有効な治療法が見つからない疾患を改善に導く新たな治療方法の開発に繋がる製品開発を進めています。
神経幹細胞・間葉系幹細胞・造血幹細胞等、体制幹細胞には様々な細胞がありますが、限定された細胞に分化するもの、複数の細胞に分化するものなどがありました。
同社では、バイオテクノロジーのベンチャー企業の一つアメリカAthersysIncとの間でライセンス契約を締結し、体制幹細胞再生医薬品の開発にいち早く着手しています。
現在はAthersys社の全資産を同社が取得しており、複数の治験が進み安全性が認められているAthersys社で作られたMultistemの権利もヘリオスが有しています。
iPS再生医薬品と体制幹細胞医薬品、二つの事業の融合が新たな医薬品開発には効果的です。

 

 

https://www.healios.co.jp/development 事業分野/株式会社ヘリオス

 

 

ヘリオスの初値と評価

iPS細胞を由来にした網膜色素上皮細胞の再生医療用途研究・開発・製造を主とする事業を展開する(株)ヘリオスは2015年6月に東証マザーズ市場に上場しています。
株式公開時の公開価格は1200円で公開株数は約697万株、公募株数は606万株でした。

 

 

好調な出だしとなった。

 

 
上場時の初値は1470円で、公開価格を22.5%上回る順調なスタートを切っています。
株式上場により調達した資金は、再生医療に繋がる研究・開発費用及び研究・開発に必要な設備投資の資金に充てられた事でしょう。

 

 

https://minkabu.jp/stock/4593 ヘリオス/MINKABU

 

 

ヘリオスの事件

iPS細胞・体制幹細胞を活用した再生医療研究・開発の(株)ヘリオスは、治療困難な世界中の患者に新たな治療法を提供する事業を行っています。
創業からこれまでに不祥事を起こした事例はありませんが、東証の元社員及び金融庁へ出向中の社員による同社株にまつわるインサイダー取引が発覚し大きな話題となったことがありました。

 

 

金融庁出向社員たちによるインサイダー取引が発覚した。

 

 
この事件の中で金融庁職員は企画市場局企業開示課勤務時に公開買付届け出の書類審査・処分を担当していましたが、職務権限上知ったヘリオスを含む複数の銘柄の株式買付などを行いインサイダー取引で告発されています。
もう一点、事件ではありませんが2021年9月に株価が急落し、株式市場及び業界で話題となりました。
海外募集による新株の発行をしたことで株式需給の悪化、1株あたりの利益の希薄化が懸念され、そのことが株価の急落に繋がっています。

 

 

https://www.nikkei.com/nkd/company/history/yprice/?scode=4593 ヘリオス/日本経済新聞

 

 

ヘリオスのその後

再生医療分野のパイオニア的存在として活躍してきた(株)ヘリオスでは、次世代の医薬品開発を現在も進めています。
同社では【「生きる」を増やす。爆発的に。】というミッションを掲げて治療法が病に苦しむ多くの患者に希望を持ってもらえるような新しい治療法の提供を目的とし、再生医薬品の開発に取り組んできました。

 

 

 

 
幹細胞技術を活かして体制幹細胞・iPSC再生医薬品の二つの分野で複数のパイプラインを持ち、開発・研究が今も進められています。

 

 

https://www.healios.co.jp/mission ミッション&ビジョン/株式会社ヘリオス