良かれと思った事がストレスを与えているかも?マーケティングで大切な適量の選択肢

決定回避の法則とは

何か物を買うときやサービスを選ぶときは、選択肢が多ければ多いほど良いようなイメージがあります。


しかし、実際に自ら判断するときは、選択肢が多すぎると決断に迷いが生じて、決めきれずに購入を控えることが多くなります。

このように選択肢が多すぎると迷いが大きくなり、決断力が低下してしまうことを決定回避の法則と呼んでいます。


人は選択肢が多くなると選ぶことにストレスを感じ、判断力や決断力が低下する傾向があります。

 

 

選択肢がありすぎると人間はストレスを感じる

 

 


物事を即断即決できずに迷う人のことを優柔不断と言いますが、人は誰しも選択肢が多い場面では決断力が低下してしまいます。

ストレスを感じることを好む人はほぼ皆無で、ストレスを回避したいという気持ちが選ぶことを辞めたり、

先送りしたりすることになります。


社会心理学者のシーナ・アイエンガーが実験し検証した決定回避の法則は、

ジャム理論という別名でも呼ばれています。

シーナ・アイエンガーは、決定回避の法則の実証のためにジャムの販売による実験を行ったため、

ジャム理論という呼ばれ方をされました。


日によって6種類のジャムを販売する日と24種類のジャムを販売する日に分け、販売数の調査を行いました。

その結果、6種類のジャムを販売した日の方が売り上げが多かったという結果が表れ、

選択肢が少ない方が人は決断しやすいという結論に達しました。


この実験では、種類の多い日は試食をする人の数はかなり多いのに対して、

種類の少ない日の方が試食する人は少ないにも関わらず、購入率は10倍という驚くべき結果も出ています。

つまり種類が多いと色々なものを試してみたいという願望が働く代わりに、

どれか一つに決めるという決断力が大きく鈍るという傾向が表れています。

 

 

 

 

決定回避の法則の著者、有名人について

選択肢が多すぎると人は決断することにストレスを感じ、回避したり先延ばしにする傾向があります。


そのことを決定回避の法則と呼んでいますが、この法則を実証し、

検証したのがシーナ・アイエンガー教授です。


アイエンガー教授は、1969年にカナダのトロントで生まれました。

両親はインドからの移民で、幼少の頃に希少な目の病気を患い視力を失ってしまいます。

16歳のころから盲導犬を共にする生活を続けていますが、視力のハンデをものともせず2つの大学で学び、

スタンフォード大学では博士号も取得しています。

 

 

ハンデがありつつも博士号を取得した

 

 

しかし日常生活においては、視力を失ったことにより限られた選択肢の中での生活を余儀なくされることとなり、

大学で選択について研究することになりました。

選択の研究を続けていく中で、選択肢が多いことが決していいことばかりではなく、

選択することがうまくできず、選択することを諦めたり、先延ばしにして結果的に公開することがある、ということがわかります。

選択肢が一つしかないと選択する喜びや楽しみはありませんが、

その一つの中で良いことを見出す力を身に付けることができるのでは、と考えました。


アイエンガー教授が提唱した決定回避の法則は、

選択肢が多いことが必ずしもプラスではないということを証明し、世界的に注目されるようになりました。


2010年に出版された『選択の芸術』はビジネス本として高く評価され、アマゾンのトップ10冊にも選ばれます。

 

 

著書は高い評価を得た

 

 

有名な事例

選択肢の多い状況と選択肢の少ない状況では、

多い状況になればなるほど一つに絞ることが困難になる人の心理を決定回避の法則と呼びます。

多くの実験で検証されてきましたが、マーケティングに決定回避の法則を活用する事例は多く存在しています。

ネット通販は、商品の種類の多さ、ラインナップの豊富さを売りとしていますが、

そのすべてから選択するとなると決定回避の法則のマイナス面が出てきます。

 

 

https://www.p-torch.com/%E7%94%A8%E8%AA%9E/%E5%BF%83%E7%90%86%E5%AD%A6-%E8%B3%BC%E8%B2%B7%E8%A1%8C%E5%8B%95/%E6%B1%BA%E5%AE%9A%E5%9B%9E%E9%81%BF%E3%81%AE%E6%B3%95%E5%89%87/

決定回避の法則/企画の種

 

この状況をプラスにするための方法としては、キャッチコピーを活用する方法があります。

例えば、レディスファッションの通販サイトで売り上げを伸ばしたいスカートがいくつかある場合に、

キャッチコピーをつけることで顧客が商品を選びやすくすることができます。

「スタイルがよく見えるおすすめのスカートはこれ」

「暑い夏に涼しく着られる冷感素材のスカートならこれ」

「低コストでも高級感のあるスカートはこれ」

このように購入するターゲットを絞ったうえで、

一つの商品をおすすめとして提案するキャッチコピーを使うと購買意欲を高めることができます。

次に高い商品・サービスを顧客に提案しているときは、

顧客側が決断を迷って時間がかかることが多くなることがあります。

この場合は、提案段階では多種多彩な選択肢を上げることが多くなりますが、

最初に絞りやすくするために金額別に一番高くていいもの、一番安くてそれなりのもの、

金額もクオリティも平均的なものといったように、3つの選択肢を提案する方法が有効です。

これは飲食店でよくある定食の松竹梅から選ぶときに竹が最も多いことと同じで、

真ん中の選択肢のものやサービスを選んでほしいものにすることが理想です。

 

 

https://fleeks.net/law-of-decision-avoidance/

決定回避の法則とは?Webマーケティングに使える心理学/Fleeksブログ